4月の国内公募投資信託の純資産総額は、99兆1636億4500万円。100兆円まであとわずかとなりました。
この数字からも分かるように、投資信託への資金流入が堅調です。設定額から解約額、ならびに償還額を差し引いた資金増減額は、昨年12月以降、ほぼ毎月1兆円を超える資金流入額を記録しています。2月は1兆円を割り込みましたが、それでも9943億円の流入ですから、ほぼ1兆円と見なして良いでしょう。
もっとも、この数か月で投資信託の資金流入が増えたというわけではなく、リーマンショック後、ほぼ安定的に資金流入が続いてきました。その積み重ねによって、いよいよ国内公募投資信託の純資産総額は、100兆円という大台に届こうとしています。
投資信託の純資産総額が増えれば、ファンドを通じて国内株式市場に資金が流入し、株価を下支えするだろうという期待感も高まってきますが、中身を細かく見ると、どうもそうではないという実態が見えてきます。
モーニングスターが独自集計した、2015年4月時点におけるカテゴリー別の資金流出入の動向を、「評価対象外」も含めた11の大分類で見ると、過去1年間で資金が流出したのは、「国内株式型」と「特殊運用型」の2つのみという結果が出ています。ちなみに国内株式型の資金流出入額は、この1年間で1兆5793億円の資金流出となりました。
では、逆にどのような投資信託に資金が流入しているのでしょうか。トップ5を挙げると、次のようになります。
1、国際株式型・・・・・・3兆1445億円
2、国際REIT型・・・・1兆6130億円
3、国際債券型・・・・・・9838億円
4、国内債券型・・・・・・9161億円
5、バランス型・・・・・・7378億円
投資信託を買う人たちの目線が、国内株式市場だけでなく、世界中を広く見るようになったのか、それとも販売金融機関の言いなりになって買わされた結果なのかは何とも言えませんが、国内株式型の資金が流出している以上、いくら投資信託全体の資金流入が続き、純資産総額が増えたとしても、国内株式市場にとって、株価の下支え要因にならないことだけは、はっきりしています。
(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
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