■円高進めば内需関連、久々にテーマ株も浮上か
日経平均の終値比較による上昇幅は今年1月の約2100円に対し2月は約1140円、3月はこれまでで約610円と上げ幅は徐々に縮小している。さらに、今週1週間でみれば約60円ていどと前週の上げ幅約280円から縮小が目立つ。
3月期末接近で買方に手控え感が強まっているものとみられる。3月の配当取りの買いもほぼ一巡したとみられることもあるだろう。4月からの新年度に備えて相場シナリオの組み立てに取り組んでいるという状況だろう。
NYダウは、アップルがダウ採用となったこともあり最高値1万8288ドル(今年3月2日)を目指すものとみられるが、気迷いの雰囲気も漂っているため強烈な上値追いということにはならないだろう。FOMCでは、6月利上げの含みを残しながらも全体としては利上げに慎重な印象を受ける。日本の昨年10〜12月のGDPが下方修正され、中国のGDPも7.0%へ目標が引き下げられた。欧州の景気回復には、まだ期待できそうにない。世界景気の見通しが危ういだけにアメリカは利上げに踏み切ることに躊躇しているのではなかろうか。
6月利上の可能性が消えたわけではないが、足元の経済指標に住宅着工の伸び率低下など先行きを見極める景気状況になっていることもある。また、例年、NYダウは5月に急落する習性がある。こうした点を考えると利上げは今年秋まで延びる可能性がありそうだ。
同時にFOMCにおいて、「ドル高」による企業々績への懸念が表明された。このため、為替は一気にドル安・円高に振れた。しかし、今後、日本、欧州、中国の景気が芳しくないようだと、またドルに資金が向かいドル高の続く可能性は残っている。
今後のNYダウは、ドル相場の動きと、もう一方でアメリカの企業々績、特に1株利益の推移を注視する展開が予想されそうだ。仮に、これまでのドル高による影響でEPSが低下するようならNYダウのかなりの調整安もあり得るだろう。アメリカの企業々績から目が離せない局面に来ている。
日本のマーケットは、来週27日(金)が3月期決算銘柄の配当権利落ち。このため、来週は配当利回りが好く、まだ買われていない銘柄が物色される展開だろう。
とくに、配当落ちを境に物色銘柄が変わる可能性がありそうだ。為替がさらに円高に振れるようなら輸出関連の優良銘柄から内需関連の優良銘柄に物色の矛先が向きそうだ。
また、新年度入りを控え、「テーマ」を模索する動きも予想され、久々にエネルギー、iPS、ロボット、新素材、観光、オリンピックなどに関連した材料性テーマ株が浮上する可能性もありそうだ。日本でも例年、4月からの相場では、「TOPIX」型銘柄中心の相場となっていることもヒントとなりそうだ。
(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR 犬丸正寛の相場展望)
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