ギリシャの選挙が終わった。昨年からマーケットに対しノドにトゲの引っ掛かった状態だったが、ひとまずトゲは外れた。
■ひとまず引っ掛かったトゲが取れた、中期的にはギリシャ国民のヤル気次第
<Q>注目されていたギリシャの選挙が終わったようだが。
<A>まだ、すべて開票が終わっていないが、緊縮財政政策に反対する野党が勝利することが確実となっている。
<Q>なぜ、野党が勝利したのか。
<A>ギリシャの国民が緊縮財政の下で窮乏生活に対しガマンできないということだ。誰だって苦しい生活は嫌なもの。そのことは分かるのだが・・・・・。
<Q>それでユーロ圏諸国が承知するだろうか。
<A>とくに、財政規律を守り頑張っているドイツなどは不満が強くギリシャがユーロから出ていくことも構わないという姿勢のようだ。しかし、ユーロ体制を維持するためには渋々でも妥協することになるだろう。まさに、貸した者の弱み、借りた者の強みといえる状況のようだ。もちろん、2つ返事で妥協ということはないだろうからなんらかの条件が付くのではないか。経営不安に陥った民間企業に置き換えれば銀行等から借りたお金が返せないから、これまで待ってくれと言い続け、さらに、借入金の全額、あるいは一部を帳消しにして欲しいというのと似ている。当然、銀行側は経営者の交代を迫り、本腰を入れた再建策を求めるはず。欧州中央銀行は今後、ギリシャに債務の減免や追加融資を行う可能性はあるだろう。その代わりに誕生する新しい政権に本気度の経済立て直しを求めるものとみられる。
<Q>ユーロ不安といえばいつもギリシャが最初に出てくるが。
<A>2009年の欧州債務危機のときは、たしかにギリシャが最初だった。そのほかのユーロ諸国でも債務危機はあったが、各国とも国民がガマンして財政健全化に協力してきた。ギリシャは観光産業が中心で、世界景気が悪いことや政治不安から世情が不安定だったことなどが影響しているとみられる。
<Q>どうなる。
<A>今回の選挙で野党が勝利したからといってギリシャは何も手を打たないということはできない。経営不安状態に変わりはないわけだから政権が代わったからといって直ちに経済が良くなるわけではない。国民も汗を流して努力することが求められる。当面はユーロ各国から渋々ながらも支援が予想され、ギリシャ問題は相場の圧迫材料から消えることになるだろう。ただ、中長期的には政権が安定し国民がヤル気になって経済が立て直すことができるかどうかが注目される。企業なら人員削減のリストラは可能だが、国家から国民を追い出すわけにいかない、というところに難しさがある。結局は国民のヤル気ということになってくる。経営者が従業員にヤル気を持ってもらえるか、同じように国民にヤル気を出せるように持っていくのが政治の大事な役割といえる。借金大国の日本も安心はできない。
(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
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