■庶民生活にはむしろ恩恵、アベノミクス成長戦略を急ぐところ bukka3.gif
日銀は2015年度の物価上昇率見通しを昨年10月時点での1.7%から1.0%へ修正した。原油安が大きい理由という。

物価上昇率2%を掲げたのは2013年4月だった。日本全体がまんべんなく景気回復を実感できるには2%の物価上昇率が、「ちょうどいい」ということのようだった。

さて、2013年からこの2年間の庶民感覚では急騰したガソリン価格が値下がりしたのだから個人の懐具合には嬉しいことである。さらに、燃料費が安くなることで電力料金も下がることが期待される。物価上昇率が目標の2%から1%に下がることは、むしろ今の時点では歓迎すべきことのようにも思える。

問題は物価上昇率の低下が企業収益にどう影響し、それが賃金にどう反映するかである。企業の利益は、「売上」−「支出」だから、多くの企業にとっては原油安による原材料・燃料費の削減によって支出の減ることは利益押し上げとなるはずである。

2013年のアベノミクス効果で建設資材、建設労働者賃金が大幅に上昇し、このままではオリンピック関連建設にも影響が予想されるし、日本強靭化計画にも遅れが心配される。

むしろ、ここは原油安による物価云々よりも原油安を大いに享受し、アベノミクス成長戦略の実現によって収入の増加を図ることが肝要のように思われる。
(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)