【どう見るこの相場】ボトムとピークは「まだ」か「もう」か?せめてオミクロン型関連株にフォーカス
ボトムアウトもピークアウトも2月上旬だという観測がしきりであった。日経平均株価の足元の急落相場の底入れと、全国の1日当たりの新規感染者が過去最高の8万人超と爆発した新型コロナウイルス感染症の「第6波」の収束とである。「あった」と記したのは、相場の方は「節分底」、コロナ禍は「節分天井」となるかどうか、前週末28日現在でなお揺れ動いているからだ。
相場のボトムアウト説は、FRB(米連邦準備制度理事会)が進めマネーの変調要因となっている金融政策の正常化が株価に織り込み済みとして、1月25日、26日と開催したFOMC(公開市場委員会)でアク抜けとなるとともに、日経平均株価の1年1カ月ぶりの安値水準2万7000円台は下値信頼性が強いとするのを大方の論拠としていたようだ。一方、コロナ禍のピークアウト説は、感染力の強い新変異ウイルス「オミクロン型」では早期に集団免疫を獲得し、それ以上の感染拡大はないと南アフリカや英国、国内の沖縄県のケースを持ち出して専門家の一部が主張していた。ロックダウン中に誕生日パーティを開いて辞任要求の強まっている英国のジョンソン首相に至っては、新型コロナ感染症はインフルエンザと同じとしてマスク着用規制を解除した。
しかし相場の方は、FOMCが終わりパウエルFRB議長の会見内容が伝わった途端に日経平均株価は、841円安と急続落して下値抵抗線の2万7000円を下に突き抜けてしまった。前週末28日は日米両市場とも、2.09%、1.01%と反発した。好業績株が買われる一方で市場コンセンサスを下回った銘柄が急落するなどマチマチで、両市場の日中値幅は、上下に大きくフレる高速エレベータ相場で、上りと下りのどちらが正しいのか不透明なままだ。
「オミクロン型」の方も、国内でさらに感染力を増した別系統型「BA.2」の感染も報告され、政府は、「まん延防止等重点措置」の適用地域を全国34都道府県に拡大したが、新規感染者と自宅療養者の急増は止まらず病床使用率も急上昇し、「緊急事態宣言」の再発出も秒読み状態となっている。岸田内閣は、濃厚接触者の待機期間を短縮するなど感染予防と社会経済活動の正常化の両立を探っているが、相手はなお正体不明の「オミクロン型」である。相場格言は、「もうはまだなり、まだはもうなり」というアノマリーを教えている。このアノマリー通りにしばらくは「もう」と「まだ」が綱引きしそうだ。
■諺の「明日の百より今日の五十」の実践編として「オミクロン型」関連株にフォーカス
今年は、1月相場がアゲインストのまま終わりそうだが、2月相場も波乱展開を心配しなくてはならないことになる。中心銘柄も、グロース株(成長株)とバリュー株(割安株)が共倒れの可能性もあり、手掛かり難である。とういことで今週の当特集では、諺の「明日の百より今日の五十」の実践編として、「オミクロン型」関連株にフォーカスすることとした。というのも、27日に日経平均株価が841円安と急続落するなか、東証第2部、ジャスダック市場、東証マザーズ市場の値上がり率ランキングで、同関連株がそれぞれ上位にランクインする逆行高を演じたからで、前週末に高値引けした銘柄も出た。当たり前過ぎて市場後追いとお叱りを受けそうだが、「まだはまだなり」ならこの逆行高は一過性にとどまる可能性は小さいはずだ。2020年12月以来の新型コロナウイルス感染症拡大の「第1波」、「第2波」、「第3波」、「第4波」、「第5波」に続く「第6波」相場もないとはいえない。
もちろん「第5波」までの「デルタ型」と「オミクロン型」では感染力も感染症状も異なり、コロナワクチンや経口治療薬も開発済みであり、関連株買いもそれなりの取捨選択が不可避となる。医療機関や調剤薬局などで在庫が払底し、政府が増産要請している抗原検査キットなどを中心にポートフォリオを組み立てることがキモとなりそうだ。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)
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