スノーピークが反面教師?!好業績続く2R関連株になおニューノーマル人気を期待
スノーピーク<7816>(東証プライム)の前週週初15日のストップ安には驚かされた。晴天の霹靂である。あろうことか今2022年12月期業績を下方修正したのが引き金で、純利益が、前期の過去最高、今期の続伸予想から9.1%減益と減益転換してしまった。しかも、この下方修正の要因もまたビックリなのである。
ファミリー層の新規にキャンプを始める動きに鈍化がみられ、新規キャンパー向けの高単価商品の販売が減少したことを上げている。同社の分析では、3年ぶりに行動制限のない夏休みを迎え、レジャーが多様化してキャンプ以外の旅行などの需要に一時的に移行したことが、キャンプ用品の需要減少要因としている。
同社の業績は、新型コロナウイルス感染症のパンデミック(世界的な感染爆発)が始まった2020年初め以来、ソーシャルディスタンスのアウトドアレジャーとして、キャンプ需要が高まったことで大きく押し上げられた。当初の2020年5月は期初の業績予想を引っ込めて未定と変更したものの、そのあとは上方修正続きで2020年12月期業績、2021年12月期業績を合計3回上方修正して増配、株式分割まで実施した。キャンプが、「ウイズ・コロナ」のニューノーマル(新常態)のレジャーとして定着したとして、株価は、株式分割権利落ち前の高値8950円まで4倍化した。今回の下方修正は、にわかには信じられず、それがストップ安を誘発したことになる。
しかもコロナ禍は、第1波から第6波へと感染状況を悪化させ続け、足元の第7波では、前週末26日に新規感染者が26万1004人と2日連続で過去最多、世界最多となり、一部地域でのコロナ病床ひっ迫が伝えられているのである。ところが岸田内閣は、一貫して感染対策と経済・社会活動の両立が可能として行動制限を行わずにいる。なおかつマスク着用の一部緩和を手始めに、医療機関の負担軽減のために新規感染者の全数把握を定点把握へ移行する検討などを進めている。この政策判断、感染対策の成否は、あるいは新型コロナウイルスの変異株のみが知っていることになる。
ニューノーマルのウイズ・コロナ株は、第1波から第7波までの感染再燃・拡大と一時的な収束のなか、「感染慣れ」や「感染疲れ」なども交錯して高安マチマチとなった。除菌剤の過剰在庫で業績が急悪化した大幸薬品<4574>(東証プライム)や巣ごもり需要が頭打ちとなったドラッグストア株などが戦線離脱組の代表で、今回のスノーピークがダメ押しをしたことになる。ただこれまでの感染拡大・収束の学習効果からも、今後の新型コロナウイルスの変異株次第では、ニューノーマル株の再出番、スノーピークの突っ込み場面に買いの目もでてくることになるかもしれないのである。
そこで今週の当特集では、なおニューノーマル人気を継続しているウイズ・コロナ株に注目することにした。リユース(再利用)・リサイクル(再資源化)関連の2R関連株である。なかでも中古品の買い取り・再販関連株や中古車関連株、貴金属回収関連株は、足元でなお業績を上方修正している銘柄や好業績銘柄が相次いでいるのである。物価上昇に歯止めが掛からず、コロナ禍やウクライナ情勢によるサプライチェーン(供給網)問題がなお懸念されることも、業績と株価への押し上げファクターとなる可能性もある。全般相場では、主力ハイテク株にピークアウトしたとされた米国の長期金利が再び強含み高値での強弱感の対立が懸念されるなか、バリュー株妙味をアピールしている2R関連株は、スノーピークを反面教師に上値を伸ばす展開も期待できそうだ。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)
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