《マーケットストラテジーメモ》08月1週
【推移】

31日(月):
NYダウは3日連続の終値ベースでの史上最高値更新。S&P500は小幅安。特にアマゾンやエクソンモービル、スタバなどが足を引っ張った。
もっともS&P500採用銘柄の利益は10.8%増加の見通しで決して悪くない。第2四半期の雇用コスト指数は0.5%上昇。伸びは前四半期の0.8%から鈍化し、市場予想の0.6%を下回った。「ドル安相場を継続するための単なる口実だったに過ぎない」という指摘もある。結果は決まっていてその方向の材料を発掘するのは市場の得意技でもある。

週間ベースでNYダウは1.16%高。NASDAQ総合指数は0.20%安。S&P500は0.02%安。週末の日経平均は下落。終値(19959円)は、週初の寄り付き(19973円)とほぼ同水準。「一目均衡表ではほぼ雲の上限、週足では13週線までで下げ止まっている」という見方だ。

週間では約139円の下落で週足は3週ぶりに陰線。週間ベースで日経平均株価は0.7%安。2週続落。TOPIXは0.5%安。3週ぶりの反落。東証マザーズ指数は2.3%安。3週ぶりの反落。日経ジャスダック平均は0.6%高で6週続伸(累計3.9%上昇)。東証2部指数は1.0%高で6週続伸(累計5.3%上昇)。
8月日経平均株価がこの10年間では3勝7敗。過去27年間では10勝17敗。12カ月中順位は最下位。NYダウはこの10年で5勝5敗。1993年からの平均騰落率はマイナス0.9%で最下位というのが過去の記録。

月末の株価にかかわらず月初日高というのが過去13カ月のアノマリー。月の第1営業日の日経平均は昨年7月以降13カ月連続で上昇している。
大和のレポートなどでの指摘は「日本市場の毎月初。アセット・アロケーションの変更等によって、債券から株式に資金シフトが行われているように見える。
企業が四半期業績発表を終えた11月・2月・5月の翌月初には日経平均は200円を超える上昇」。この月初高アノマリーが続くとすれば月末安は良い買い場ということになろうか。過去50年での平均パフォーマンスがマイナスというのがNYの8月。

東京もワーストパフォーマンスだ。「夏枯れ」と一言で片付けていいものかどうかは疑問。「過去の大幅下落からほぼ9年。そろそろ」なんて免罪符も聞こえている。ネガが心地よく響くようなポジなマインドは、塩漬けがなくなれば来るのだろう。いつも「下げるなら買い場」という境地を邪魔するのが過去の実績。確かに市場には無尽蔵にお金がある訳ではない。東証1部の売買代金が3兆円近くまで膨らんだのは月末要因と東芝とセイコーエプソンの入れ替え。マインドが紅潮した訳ではない。

7月の日経平均株価は月間で104円の下落。4ヵ月ぶりの下落となった。7月の変動率は1.3%(上下270円)と1980年11月以来36年8ヵ月ぶりの低水準。NYダウが2.4%、ドイツDAXが3.9%、韓国総合指数が3.0%。確かに東京の膠着感が目立っている。4〜6月のGDPは2.6%増という民間予測。空売り比率は40.7%と2日連続の40%越え。4月20日の40.84%以来の水準まで上昇してきた。「市場予想に届かなかった4〜6月決算銘柄への日計り空売り増加」との解釈だ。

日経平均算出の除数は26.301→26.581に上昇。日経平均は34円安の19925円。後場プラスになった場面もあったが結局は小幅続落。「ソフトバンクが下落幅を拡大し相場の重石。堅調だったTOPIXも下落した。引け後のリバランスに絡んだ売りが散見される。こう着状態は8月下旬の米ジャクソンホールでの会合まで続くのではないか」と夏枯れコメントも聞こえてきた。

「8月のパフォーマンスが良くない」のアノマリーと「月の初日は13ヶ月連続高」のアノマリーの綱引き。上海総合指数は4日続伸して3ヶ月ぶりの高値水準。香港ハンセン指数は25ヶ月ぶりの高値だが見えないフリ。

結局7月は月足陰線。東証1部の売買代金は2兆9067億円。東芝の影響大だったということだろう。値上がり銘柄数は685銘柄と全体の33%。値下がり銘柄数は1226銘柄で全体の63%。東芝が3.5億株の大商いで上昇。エプソン、野村、日立、武田薬、デンソー、日金属、エムアップ、高周波、リオンが上昇。三菱UFJ、重工、ガンホー、日産、ファーストリテ、東エレ、ソフトバンク、ファナックが下落。

1日(火):
週明けのNY株式市場も相変わらずマチマチの展開。NYダウは5日続伸。4日連続で史上最高値を更新した。背景は主要企業の好調な決算との解釈。特にインドからの航空機受注観測からボーイングの上昇が目立った。ホームデポやゴールドマンも上昇している。
主要500の第2四半期決算は前年同期比10.8%増益。利益水準は切り上がってきている。NYダウは7月、月間で2.25%高、4カ月連続上昇。
一方で主力ハイテク銘柄には売り物が続きNASDAQ総合指数は3日続落。アマゾン・ドットコム、グーグルの親会社であるアルファベットなどFAANG銘柄が安くハイテク株の重石となった。「成長期待で上げていたハイテク株から、出遅れの目立っていた金融株に資金が移動」という指摘もある。シカゴ購買部協会景気指数は58.9と市場予想(59.5)を下回って着地。仮契約住宅販売指数の伸び率は市場予想を超えて着地。
ほとんど見向き去れない経済指標だった。

29日付の投資情報誌バロンズ電子版の特集は「VIXショートは危険なゲーム」。歴史的に低水準にあるVIX(恐怖)指数が急騰するリスクを指摘。「S&P500が3〜4%下落局面では、VIX指数をショートにしているETFなどがポジションを手仕舞う必要に迫られる。VIXがロケットのように急騰しかねない」というコメント。これも未来の免罪符の一部だろうか。

日経朝刊1面では「上場企業7割が増益」の見出し。進捗率は29%。3月決算企業の33%、時価総額で42%の企業が通過した第一4半期決算。経常利益は29%増。純利益は63%増。製造業の純利益は82%増。この現実が見えないフリというのが相場の弱さの根源だろう。
日経平均は一時2万円回復と新興市場の急落の混在。東証1部の新高値は116銘柄。一方マザーズ市場の値上がり銘柄は18銘柄。極端なコントラストとなった。
市場では「謎の月初高」との声。「これで14回目。その翌日の7月は反落。6月、5月は続伸。特に6月はいきなり2万円乗せ」という声が聞こえる。ドル建て日経平均は181.36ポイントまで上昇。年初来高値の183.84(6月6日)に接近してきた。NT倍率は12.27と1月7日の12.18に接近。下向きに転じた25日線(20059円)からはマイナス0.4%の乖離。

信用買い残は428億円増加し2兆6639億円。1年4ヶ月ぶりの水準まで積み上がった。売り残は69億円減少し9437億円。空売り比率は39.6%と3日ぶりの40%割れ。新高値は113。7月10日以降16日連続で100を上回った。
東証1部の上場銘柄は2024。その5%が連日新高値という現実。「日々の騰落率は1%程度で膠着感」という表面とは違った個別物色。この日々の動きを感じることも重要だろう。

日々の騰落率。7月は毎日1%以下だった。2005年7月以来12年ぶりの出来事だ。前日までで騰落率1%未満の日は41日連続。今年最後に騰落率が1%を超えたのは6月2日。1年ぶりに2万円を回復した日だった。しかし6月5日からは41日連続で1%未満。過去の記録は1987年7月以降で見ると89年7月26日から9月25日の43日間。

日経平均株価は60円高の19985円と3日ぶりの反発。大引け間際に一時2万円に乗せた場面もあった。月の初日株高アノマリーは14ヶ月連続。東証一部の売買代金は2兆6035億円。値上がり銘柄数は1112で全体の55%。三菱UFJ、JAL、伊藤忠が上昇。日立、パナソニック、ソニー、ニチレイが下落。

2日(水):
8月初日のNY株式市場は上昇。NYダウは6日続伸となり5日連続で終値としての市場最高値を更新。2万2000ドルに迫る局面を迎えた。JPモルガンは1.34%高、ゴールドマン・サックスは0.74%高。「共和党とトランプ大統領の減税とインフラ支出拡大の政策期待は後退。
しかしNYダウは年初来で11%上昇。ワシントンの政界で政策が全く前進していない点を踏まえると偉業が成し遂げられた」という声が聞こえる。S&P500のPERは18倍で10年平均の14倍を上回って推移している。もっともフォードやGMなど自動車セクターは下落。引け後に発表されたアップルの決算はアイフォーンの販売が市場予想を上回り売上高が7.2%増で着地。
株価は時間外で約6%上昇。過去最高値を上回った。

VIX(恐怖)指数はほぼ変わらずの10.27。VIX指数のオプションの出来高は約17万枚と通常の1.2倍。「短期的なヘッジに傾いている。9月20日に指数が26以上なら最大の利益を得る取引になっているとの観測」との指摘がある。ISM製造業景気指数は56.3で着地。2014年8月以来およそ3年ぶりの高水準をつけていた前月の57.8から低下。市場予想の56.5を下回った。

日経朝刊スクランブルでは「仮にPERが14倍でも、計算上はEPSが1470円程度まで切り上がれば日経平均は201000円に届く」との勇ましい指摘。全体の36.4%が通過した第1四半期決算は売上高7.9%増。経常利益31.7%増、純利益58.9%増。通期売上高は5.5%増とプラスに転じ、経常利益は7.7%増。純利益は13.2%増。
3月末の日経平均株価18909円に増益率13.2%を乗じれば21404円と計算可能だ。

垣間見えた苦心の文章のテーマは東芝の2部降格。シャープの時価総額1.9兆円、東芝が1.1兆円。これで2部市場の3割近い。東芝の前期最終赤字は1兆円近く。2部上場500社の利益合計額を上回る。前期実績ベースのPERが計算不能になる可能性が指摘された。
一方で日経平均は東芝の替わりにエプソンが採用。「日経平均の予想PERやEPSの正確性がさらに増す」。「さらに」というのはどうだろう。「少し」程度のものではないかと思うが日経平均株価だけに「さらに」と付け加えざるを得なかったのだろうか。「東芝のせいで仮の指標、という皮肉もあった投資のモノサシは角度が一段と高まる」。そして登場したのは「まずは15年8月に付けたアベノミクス相場の高値(20868円)を試せるか」。だいぶ強気の相場観が登場し始めた印象。

日経平均株価は94円高の20080円と続伸。上げ幅は一時127円まで拡大し20100円台まで戻した場面もあった。終値で2万円台を回復するのは7月27日以来。「TOPIX コア30」の上昇率はTOPIXを上回った。
東証1部の売買代金は概算で2兆4510億円。東証1部の値上がり銘柄数は1172と全体の58%。日電産、株式分割を考慮した実質ベースでの上場来高値を更新した。村田製、TDK、日東電、JFE、キーエンスが上昇。マキタ、スタートト、SUBARU、スズキ、ニチレイ、ヤマトHDが下落。

3日(木):NY株式市場は続伸。NYダウは終値で初めて2万2000ドルを突破。7日続伸し6日連続で史上最高値を更新した。アイフォーン販売が好調で前日の決算発表が好感されアップルが上昇のけん引役。日経平均採用銘柄のPERは14.34倍でEPSは1400円(前日1391円)まで増加。全体の40.3%が通過した4〜6月決算での今期純利益が12.8%増加も効いて来ようか。25日線(20053円)をようやく上抜けたのも心強いアシスト感だ。

日経マーケット面では「資本効率高い銘柄に資金」の見出し。ROE(自己資本利益率)などを基準に構成されているJPX日経400指数が上昇。約1年10ヶ月ぶりの高値水準となり、2014年の算出以来の高値にあと700ポイントに迫った。年初からの上昇率は6.8%で日経平均の5.1%を上回って推移。

興味深いのは「自社株買いの減少」。東証1部上場企業の1〜6月の自社株買いの総額は前年同期比半減。むしろ設備投資意欲の高まりが感じられるところだ。NYで「自社株買いよりも未来の成長のための設備投資」と言われる前に東京の方が進んでいるのかも知れない。その意味では未来の企業業績に自信を持つべきだろう。

総合面では「日本企業の稼ぐ力に別指標ROA」の記事。欧米かぶれチックなROE(自己資本利益率)よりもROA(総資産利益率)重視の姿勢。
背景は政府の「未来投資戦略2017」。ROICも含め、アレコレとモノサシを替えるところに市場の面白さが同居している印象。

日経平均株価は50円安の20029円と反落。後場の値幅はわずか43円と終始マイナス展開でやはり値動きの乏しい展開。「水曜が94円高、木曜が50円安。差し引き合計ではプラス」という見方もある。月曜から木曜まで4日間の値幅が約130円。これで騰落率1%未満は43日連続となり89年とタイ記録。新高値は135と増加し18連続の3ケタ増だ。「雇用統計を控え様子見姿勢」とか「アップル関連ハイテク株は落穂拾い」なんて揶揄も聞こえる。1ドル110円台を嫌気した売りものと日銀のETF買い期待が交錯した格好。
雇用統計控えという取ってつけたような見方もあった。決算を背景とした個別株の動きは逆に顕著。新高値銘柄は153。
東証1部の売買代金は2兆2439億円。値上がり986で全体の48%値下がり銘柄は896で全体の44%。古河電、ANA、双日、ファーストリテ、商事、イソライト、エムアップ、TYK、あらた、ニチコンが上昇。任天堂、トヨタ、ソフトバンク、UACJ、丸紅、日立造、カシオが下落。

4日(金):
NY株式市場はあいかわらずマチマチの動き。NYダウは7日連続で過去最高値を更新。8日続伸は2月27日にかけての12日続伸以来となる。S&P500とNASDAQはハイテクセクター中心に下落。アップルの1%安、アマゾンの0.9%安が足を引っ張った。節目を越えた後に数日間足踏みするのはよくあること」という楽観論。あるいは「企業収益が株式市場を支え、消費者も後押し。今の米国はゴルディロックスだ」という声も聞こえる。国債価格は上昇(利回りは約1週間ぶりの水準に低下)。
雇用統計で非農業者部門雇用者数の増加幅は6月の22.2万人より少ない18.3万人増の予想。12月の利上げ確率は約44%。ややこしいのは為替と株価の関係。日本株とドル円の相関性は低下しているがそれでも円高は当面の日本株下落要因。

一方でドル安はNY株の上昇要因。この面倒な方程式の解を見つけられないから動意薄なのだろう。机上でしか物事を考えない向きが多いから業績の向上を信頼できず下期以降を疑う姿勢。現場感覚を忘れた株式市場の面目躍如だ。

引け後にはトヨタ自動車の決算発表。「大事なのは雇用統計よりもこちら。その内容と週明けの株価反応。それ次第で夏相場のスケールが決まってくる」というのは正しい意見だ。

日経平均株価は76円安の19952円と続落。終始2万円を上回らず日中値幅は51円。これで騰落率1%以下は44日継続と記録更新となった。TOPIXも続落。JPX日経400は4日振の反落。13週移動平均(19946円)はかろうじて保った格好。「先高観は乏しく裁定買い残が膨らまない。海外投資家不在の相場が続いているし今晩の米雇用統計発表を控えて全体は様子見ムード」との声が聞こえる。

日経平均をTOPIXで割ったNT倍率は一時12.23まで低下。取引時間中としては2016年2月4日以来の低水準を付けた。 東証1部の売買代金は2兆1553億円。値上がり銘柄は1107で全体の54.7%。値下がり銘柄は775で全体の33.8%。任天堂、スズキ、ルック、グンゼ、マツダ、古河電、滝沢鉄、イマジカロボ、ホシデン、イリソが上昇。トヨタ、UACJ、丸紅、東エレ、伊藤忠、エムアップ、日本通信、日カーボン、極東開発が下落。

(2) 欧米動向
アップルが過去最高値を更新。
業績もさることながら同社が海外に保有する現金は2568億ドル。
トヨタの時価総額を遥かに凌駕。
オラクルやウォールマートの時価総額も上回っていることも再認識されたのだろう。
何でも欲しがる市場からは「既に年初来で23%上がっているハイテク株。
さらに上昇するには自社株買いを減らして生産性向上のための技術投資を増やすことが必須」という声も聞こえる。
もっとも満足感は満ちている。
「トランプ大統領が政策課題を成し遂げてもそうでなくてもGDPへの効果もしくは悪影響は乏しい。
今後行う可能性がある税制改革は、既に改善しつつある米経済への添え物にすぎない」との楽観論も聞こえる。

S&P500採用銘柄の予想PERは約18倍。
長期平均の15倍を上回っている。
「投資家は、現在の比較的割高なバリュエーションを正当化する根拠として企業業績に注目」という声が聞こえる。
今週は134社が四半期決算を発表する予定だ。
また第2四半期のGDP速報値は年率換算前期比2.6%増で着地。
前期の1.2%増から成長が加速しており個人消費や設備投資の伸びは本来評価されるレベル。
「あまりも長く株高が続くと、良い指標にも悪い点を探り出そうとする傾向が出てくる。
現在の市場には、こうした雰囲気が感じられる」という指摘は結構興味深い。

NYから聞こえてくる警鐘という名の免罪符。
「野球で言えば8回に入った気がするが試合がいつまで続くかわからない」。
根拠はシラー教授の景気循環調整後のPERが30倍。
長期平均は16倍であり、30倍を上回ったのは1929年と2000年の2回。
もう一つがバフェット指標。
「その国の株式の時価総額はその国のGDPと大きく乖離しない」。
NYSEとNASDAQの時価総額合計は29.4兆ドル。
アメリカのGDPは19.2兆ドル。
時価総額はGDPの1.5倍。
時価総額は過去最大。
そう言われれば「逆転ヒット打たれるかも」という気にさせられるのかも知れない。

(3)アジア・新興国動向
上海総合指数は8月1日に年初来高値を更新した。
2016年1月以来、1年7カ月ぶりの水準になる。
MSCIが6月に人民元建て株式を新興国株指数に組み入れると発表して以来の資金流入継続との観測。
特にMSCIが組み入れる大型株の上昇が目立っているとの指摘。
一方でベンチャー企業が集まる「創業板」は低迷。
中身ではく外見で動いている印象。


【展望】
スケジュールを見てみると・・・

7日(月):景気動向指数、米消費者信用残高
8日(火):景気ウォッチャー調査、中国貿易収支
9日(水):マネーストック、中国消費者物価、生産者物価
10日(木):機械受注、企業物価指数、都心オフィス空室率、オプションSQ、米生産者物価、財政収支
11日(金):山の日で休場、米消費者物価

2市場の信用残。
買い残は前週比428億円増の2兆6639億円。
売り残は69億円減の9437億円。
金額ベースでの信用倍率は2.8倍。
これはまだ許容範囲だろう。
ただ株数ベースで見ると買い残3兆1496万株。
売り残8196万株。
信用倍率3.84倍。
これは少し重い水準だ。
もっとも金額ベースの直近最大値は2015年8月の3兆5871億円。
まだアローワンスはあろうか。
一方で裁定残。
7月28日時点の裁定買い残は2週ぶりに減少。
前週比361億円減の1兆5854億円。
4月28日時点以来3カ月ぶりの低水準となった。
裁定売り残高は2週ぶりに増加。
売り残は前週比712億円増の2229億円。
買い残の直近のピークは2015年11月に3兆4511億円。
その前が2015年5月の3兆6997億円。
信用も裁定もあと1兆の余裕となっている。

膠着相場の下値支えの要素は日銀のETF買い。
月間動向を見てみると・・・。
1月5624億円買い(8回)、前引けTOPIXマイナス9回、買い入れ確率88.8%。
2月4927億円買い(7回)、前引けTOPIXマイナス13回、買い入れ確率53.8%。
3月5068億円買い(7回)、前引けTOPIXマイナス13回、買い入れ確率53.8%。
4月5075億円買い(7回)、前引けTOPIXマイナス9回、買い入れ確率77.7%。
5月3635億円買い(5回)、前引けTOPIXマイナス10回、買い入れ確率50.0%。
6月3640億円買い(5回)、前引けTOPIXマイナス9回、買い入れ確率55.5%。
7月4242億円買い(6回)、前引けTOPIXマイナス10回、買い入れ確率60.0%。

(兜町カタリスト 櫻井英明)


戻る
 
サイトTOPへ

株式投資は全て自己責任でお願いします。このサイトの情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。当サイトの掲載事項において損失をされた場合も当方は一切の責任を負いかねます。

(C)ilogos / Eimei.tv