06月1週
今週の相場感
26日(月)
土曜日経1面では黒田日銀総裁が「脱デフレ、改革の好機」のコメント。追加緩和の手段はあると強調している。日曜日経1面トップは「夏のボーナス。5.9%増」。鉄鋼・自動車などの高い伸びが指摘されている。実態は悪くない。週明けの日経平均株価は140円高の14602円。4月8日以来約1月半ぶりの14600円台となった。25日線を上回り75日線も上回り、200日線(14647円)はの間。指数寄与度の高いファーストリテ、ソフトバンク、デンソーが上昇。この3銘柄での日経平均を44円上げた格好。一方で新興市場、中小型株もリバウンドの展開。兜町の古老の言い伝えは「戻りは下げの主役から」。今回で言えば、ゲームやバイオなどのストップ高の乱舞はこのカテゴリーなのだろう。Klab、リブセンスが上昇。アマダ、JINが下落。
27日(火)
日経1面打破「株式配当、最高の6.9兆円」の見出し。前期は2社に1社が増復配を行ったという。このあたりはジワジワと好感されよう。休場のNYを横目に「往ってこい」の展開。寄り付きはマイナスながら寄りから数分でプラス転換。一時100円超の上昇で14700円台を回復したものの大引けにかけては尻すぼみ。少し戦ってはみたものの、やはり戻りのNYを気にしたのだろうか。怯んだ気持ちに勇気が湧いて、でもやっぱり飛ぶのは怖い。まだまだ投資心理の改善には余地があろう。東証1部の売買代金は1兆7027億円と13日連続での2兆円割れ。5月7日のGW明けの大幅安の日に1日だけ2兆円を超えたがその前も13日連続2兆円割れ。飛び立つためにはすくみも必要だが、すくみっ放しも困りもの。25日線(14330円)は上向きでプラス2.13%乖離。プラス4%乖離で14903円、プラス5%乖離で15046円。そこまでの目標は建てられよう。75日線(14531円)も上向き。そして200日線(14650円)を一度抜けたもののヒゲとなりやはり一度は上値抵抗。CMEの戻り値では抜けているが、終値でキープできれば5ヶ月連続安からは脱却できよう。ただ雲の上限14598円は抜けた。勝手雲の上限14341円も抜けた。足元は黒い雲だが、6月5日には白くねじれている。騰落レシオは107%で過熱感は薄い。日経平均採用銘柄のPERは14.0倍でEPSは1045円。JPX400採用銘柄のPERは14,34倍。ということは10903÷14.34=760円。4月8日が724円だったから5%程度増加したことになる。日経平均株価は34円高の14636円と4日続伸。イマジカロボ、星光PMCが上昇、ユニチカ、エディオンが下落。
28日(水)
日経1面トップは「成長性へ公募増資、三井不、32年ぶり3000億円」の見出し。従来とトーンが少し違ってきた印象。「将来の成長へ投資するため、新たな資本を調達する企業が相次いでいる」。いままでは「希薄化懸念」の文字が躍っていたが消えた。「調達資金を使って利益を増やせなけらば1株あたり利益の価値が落ち、株価を押し下げる要因となる」。この程度の逃げの表現にとどまっているから明らかに解釈が変わったのだろう。そもそも上場企業は株価が上がれば資金調達をするのが上場の目的の一つ。株価が上がれば増資は必ず増加する。でなければ上場している意味がない。教科書にさえ「長期産業資金の安定的調達」と書いてあるのだから、当然の企業活動である。ただバブル崩壊以降の「資本不足を補う大型増資が相次いだ」ことしか知らない世代は「増資=悪」と決め付ける。これがたぶん大きな勘違いにつながっているのだろう。確かに過去はやらずぶったくりの増資や苦し紛れのMSCBなどが横行した。しかし、それは荒れた時代の毒薬みたいなもの。正常な市場に戻ったとするならば、増資=成長期待=株高のシナリオに戻らなければならない。誤った相場認識の時代に相場を知った連中には酷かもしれないし、ある意味かわいそう。いつまでも「イロハのイ」を無視して相場が続く訳はなかろう。「増資=カラウリ」の構図が消えればこの国の相場はもっと実のある世界になる筈。日経平均株価は34円高の14670円と5日続伸。山一電機、古河電池が上昇、アインファーマ、三井不が下落。
29日(木)
米10年国債利回りは前日の2.517%→2.449%に低下。約11ヶ月ぶりの低水準となった。ドイツの10年債が年初来の低水準の1.29%まで低下したことを受けたとの解釈。月末の債券買いの構図でもあろうか。もっとも日本も昨日は株高・債券高(利回り低下:0.58%)という奇妙な構図。株式市場は14700円で終われずの展開。ただ200日移動平均(14655円)は終値ベースで上回った。200日線を上回ったのは4月8日以来。月末接近だが、意識されるのは4月末の14304円。そして5月1日終値の14485円。月足陽線、前月比プラスとなる水準である。そろそろ3月期末14827円、4月1日終値14791円も意識され始めようか。4月14日13885円、5月21日13964円と下値を微妙に切上げている。一方で12月30日を起点とする16320円から右肩下がりのトレンドラインもある。これと三角持合では堪らない。東証1部の売買代金は15日連続の2兆円割れ。日経平均株価は10円高の14681円と6日続伸。マザーズ指数は8連騰、日経ジャスダック平均は6連騰。味の素、日水、野村が上昇。サクセス、ヤマダ電が下落。
30日(金)
世界の長期金利は低下継続。米10年物国債利回りは一時2.41%まで低下。欧州や日本でも国債が買われ、金利低下が加速。きっかけはダドリー連邦準備銀行総裁のコメント。「長い目でみた金利は低い水準で推移するだろう。この数年先に景気低迷、高齢化による労働供給の鈍化、金融規制の強化の3つの理由があり、引き締めのペースは緩やかになる」。日経平平均株価は49円安の14632円と7日ぶりの反落。ただTOPIXは0.73ポイント高の1201ポイントと堅調。7日続伸となった。MSCIの入れ替えなどもあり東証1部の売買代金は2兆3746億円と2兆円を回復した。ゼネコン各社、ホンダ、鋳鉄管などが上昇、一方野村が10日ぶりに反落。
(2)欧米動向
米投資雑誌バロンズで興味深かったのは「弱気派をはねつける輸送株指数」のコラム。
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国債利回りの低下、小型株の低迷、ネットやバイオ株の下落など弱気派はあらゆる不安要素を並べ立てて、金
融市場の破滅が迫っていると予言する。
しかし、足りないものが一つある。輸出株だ。
破滅が近づいているとしたら急落するはずの輸出株の株価が順調に推移している。輸送株の好調は「極めて強
気の兆候」と指摘される。一方であまりに絶好調すぎて不安という声も聞かれる。2000年3月以降、S&
P500輸送株指数の上昇率は年11%。S&P500の2倍以上のリターンとなっている。
しかし、輸送セクターの好調は経済成長頼みだけではない、鉄道は石油を輸送する数少ない手段の一つ。シェ
ール革命はユニオンパシフィックやカナディアン・パシフィックなどの鉄道株に恩恵をもたらしている。また
安価な天然ガスでトラック会社はコストを削減している。
航空会社は業界再編などで高コストで非効率な業界から脱却した。
(3)アジア・新興国動向
ブラジルでは利上げ休止の動き。昨年4月以降の9回の利上げに歯止めがかかった。一方中国の政府が発表し
た製造業PMIは50を上回って着地。そこそこ安定感が出てきた印象。
【展望】
スケジュールを見てみると・・・。
2日(月)
法人企業統計、次世代ハイビジョン4K試験放送開始
米ISM製造業景況感、アップル世界開発者会(サンフランシスコ)
中国、香港、台湾、NZ休場
3日(火)
マネタリーベース、米製造業受注
インド準備銀行金融政策決定会合
シリア大統領選挙
4日(水)
米ADP雇用レポート、ISM非製造業景況感
ベージュブック、貿易収支
BOE金融政策委員会、韓国統一選挙
5日(木)
ECB理事会、ドラギ総裁会見
6日(金)
景気動向指数、米雇用統計、消費者信用残高
6月の日経平均株価は過去24年間13勝11敗で4位
4日(水)ポイントの日
8日(日)水星逆行開始
10日(火)ポイントの日
11日(水)海王星逆行開始
12日(木)〜日銀金融政策決定会合、ワールドカップ開幕
13日(金)メジャーSQ&満月
16日(月)ポイントの日
17日(火)FOMC、ECB理事会
20日(金)NYメジャーSQ、ポイントの日
22日(月)通常国会会期末
26日(木)ポイントの日
28日(土)イスラム圏がラマダン(7月27日まで)
法人税が35%→25%まで引き下げられるとPERは15%増加するとされる。
日経平均で考えると1045円×1.15=1201円。
PER13倍なら15613円。
PER14倍なら16824円。
PER15倍なら18015円。
NY並みに16倍なら19216円。
法人税減税が1年遅れで実施発表されれば2万円も計算上はそう遠くないことになる。
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