05月4週
今週の相場感
12日(月)
日経「羅針盤」ではの指摘は証券株の軟調。業種別日経平均の「証券」は昨年末比で29%下落。日経平均の下落率13%を大きく上回った。東証の1日平均売買代金は1月が3兆2000億円、3月が2兆6000億円。4月はおそらく2兆円割れ。巷の関心が市場から離れ、週刊誌の見出しにもならなくなったような時に株価は底入れ反転するものだが・・・。 日経を眺めると、自社株買いとストックオプションのラッシュ。自社株買いでROEを高め、ストックオプションで役社員のモチベーションを上げようとする方向。正に飴からのスタートで悪くはない。一方で、全体の49.8%が通過した決算。前期売上高は14.2%増、経常利益は40.9%増、純利益は75.4%増。今期売上高は3.8%増、経常利益は1.7%増、純利益は4.2%増。日々見通し数字が縮小していくが、少し意気込みと裏腹にショボさが目立つ。日経平均株価は50円安の14149円と反落。景気ウォッチャー調査が5ヶ月ぶりに改善したが、影響度は少なかった。ソフトバンク、トヨタが下落。三井住友FGなどメガバンクは堅調。
13日(火):
日経では「三菱ケミカルが太陽日酸買収」の見出し。欧米株が鈍い動きの時にはどういう訳かシェールガス革命なんていう言葉は影をひそめるが、またぞろ脇役レベルには躍り出てきた。日経平均株価は275円高の14425円と大幅反発。4月23日以来11営業日ぶりに25日線を上回った。4月SQ値14104円に対しては3日間勝ち。3月メジャーSQ値14429円は指呼の間。長いトンネルを抜けたかどうか。4月終値14304円は上回ったが5月月足陽線基準値14485円がまだ上。4月22日に跳ね返された14500円の壁は目前。騰落レシオは84.16%と静かな水準。日経VIは20.24%まで低下。35%台をキープしていた空売り比率はようやく32%台まで低下した。信用評価損率は買い方マイナス13.6%。しかし売り方もマイナス7%と分が良くはない。下げる懸念よりも踏み上げへの恐怖の方が実は勝っていようか。ソフトバンク、スクエニが上昇。ニッパツ、ミツミが下落。
14日(水)
リクルートが10月に上場するとの報道。リクルート事件の良し悪しは別にしてあれで永田町と兜町の蜜月の日々は終わった。20年の時空を経てリクルートが上場。これで長年にわたる禊が終わるような気がする。というか、その意義に対するシナリオが重要だろう。日経平均株価は19円安の14405円と小幅反落。NYダウは新高値、日経平均は低迷の構図。帝国繊維、日成ビルドが上昇。日揮、五洋建が下落
15日(木)
日経1面トップは「上場企業、今期最高益へ」。100ドル以上下落した戻りのNYを見ると空しくなるが、それでも最高益。「15年3月期も小幅ながら増益を維持しそうだ」との表現。「上振れすれば、最高益を更新する」とささやかな希望も囁かれている。東芝の社長の「利益予想は最低のコミットメント」というのが本音だろう。全体の62%の企業が増益見通しだから悪くはない。もっともいつもの通りに期初慎重、途中上方修正という経過も予想される。ならば、慎重な見通しを嫌気されて一旦売り込まれた銘柄などは好機到来となろう。日経平均株価は107円安の14298円と続落。NYダウの6日ぶりの反落を受けて売り物優勢の展開。ファーストリテ、ソフトバンク、トヨタが下落。三菱UFJ、ケネディクスが上昇。
16日(金)
MSCI指数の組み入れ変更。日本株については約735億円の資金流出となる。銘柄的にはJディスプレイ(6740)、名鉄(9048)、光通信(9435)が新規採用。除外は13銘柄だった。結局、市場予想通りの着地だった。。因みに売買インパクト上位10銘柄は以下の通り。名鉄(9048)、光通信(9435)、飯田(3291)、エムスリー(2413),
Jディスプレイ(6740)、中国銀(8382)、京都銀(8369)、野村総研(4307)、ほくほく(8377)、大塚HD(4578)。5月30日の終値ベースで反映される予定。日経平均株価は201円安の14096円と3歩続落。東証1部上場銘柄の約9割が下落する全面安の展開。Jディスプレイ、ソフトバンクが下落。アマダ、SUMCOが上昇。
(2)欧米動向
S&P500はゴールドマンの予測の1900ポイントをほぼ達成。
そのゴールドマンのストラテジスト氏のコメント。
「米長期金利は今年年末の3.25%まで上昇、2015年末には3.75%へとさらの上昇する」。2.6%でチマチマと滞在している米国長期金利もいずれは上昇するとの観測は悪くはない。
バンカメメリルの機関投資家調査。保有資産に占めるキャッシュ比率は4.8%から5%に上昇。
2012年6月以来の水準となった。結論は「今後1年間に世界経済と企業業績は改善。しかし景気と企業業績は低い伸び」という玉虫色となっている。
どうせなら・・・。
電車の吊り広告などで「アベノミクス崩壊」とか「株暴落」などが踊ってくれた方が良い。因みに全体の85.7%が決算を通過。今期売上高は3.5%増、同経常利益は1.7%増、同純利益は4.5%増となった。
(3)アジア・新興国動向
22日にHSBC中国製造業購買部担当者景気指数(PMI)が発表予定。先月は材料視されなかったが、この4ヶ月好不況の分かれ目の50を下回っており警戒は必要。
【展望】
スケジュールを見てみると・・・。
19日(月)
機械受注、首都圏マンション販売
20日(火)
日銀金融政策決定会合、コンビニ売上高
21日(水)
貿易収支、黒田日銀総裁会見、FOMC議事録
22日(木)
米中古住宅販売件数、シカゴ連銀全米活動指数、欧州議会選挙、
23日(金)
米新築住宅販売、独IFO景況感
日本フランチャイズ協会の調査によると今年3月の全国コンビニ店舗数は49930。前年同期は47528だったから伸び率は5.1%。まだまだ結構な伸びである。
因みに全店ベースでの来店客数は13億812万人。前年同期が12万1043万人だったから伸び率は3.7%。加えると商品構成火比は日配食品が34.2%、加工食品が25.5%。これで半分以上。
非食品が34.7%、サービスが5.6%。合計100%となる。
この5万近い店舗数と13億人を越える来店客。それこそ他の業態から見ればある意味垂涎の的であるに違いない。そして、さまざまな活用アイディアは湧いて来ているだろう。
例えば、パチンコの景品好感。何十年もパチンコ屋さんに入ったことがないので良くはわからない。しかし、最近の郊外のコンビニの新規出店をみているとパチンコ屋さんの近隣が多い。 いずれ、パチンコの景品好感をコンビニが担うというような構想があるとすれば・・・。 これは首肯できる状況。
誰もコンビニで振込みができるとは思わなかったし、宅配が利用できるとも想像しなかった。
それが今では当たり前。
東京カジノ構想も今後の課題だが、コンビニとパチンコという異種の組み合わせ。悪くないような気がする。
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