04月2週
今週の相場感
31日(月)
土曜の日経では「女性・高齢者働く機運」の見出し。非労働力人口が22年ぶりに減少したとのこと。バブル崩壊以降、高齢化により一貫して増加していた非労働力人口は昨年減少し4506万人。1991年以来初のマイナスとなった。逆に労働力人口は6577万人と5年ぶりの増加。さまざまなショックを吸収しつつある日本経済という印象が漂い始めたかも知れない。一方で国際戦略特区は6地域が指定された。どうも玉虫色で中身が見えない点が難所だろうか。もっと具体性が欲しいもの。日経19ページ「景気指標」では「米国産シェールガスは割安か」の論点。昨年生産量は伸び悩み0.9%増。一方で需要は2%の増加。エネルギー革命の切り札にはなっていない印象。シェールガス・オイルの影響で原油価格は下がる傾向。一方でそのシェールガス・オイル価格が上昇するというパラドックス。「シェールガス革命は楽観論」という論調がようやく出始めた。シェルガスが米国を変えるという楽観論は何もなかったように静かに影を潜めるのだろうか。この「何もなかったの如く」は市場の得意技。日経平均株価は131円高の1827円と4日続伸。三井海洋、日農薬が上昇。一方、冶金工、JINが下落。

1日(火)
4月卯月1日。もの皆新しくなる日でもある。消費税は8%になり、東証の売買単位は100株と1000株に集約される。そして、昨年来高値は年初来高値となり昨年の高値を引きずらなくなる。過去25年の4月の日経平均株価は14勝10敗で2位。3月は月足陽線ながら前月比はマイナス。2月も月足陽線ながら前月日はマイナス。上がったような下がったようなような微妙な展開。1月は大幅マイナスだったので、1〜3月はマイナス9%。しかも世界市場ではロシアのマイナス17.8%に次ぐマイナス。つまり13年末(16291円)比ではマイナス9%ということ。しかし前年度末(12397円)比では19.6%の上昇。下がったのか上がったのか微妙な展開が依然として続いているということなのだろう。日経平均株価は35円安の14791円と5日ぶりの反落。一方TOPIXは7日続伸。不動テトラ、ディップが上昇。北海道電、しまむらが下落。

2日(水)
寄り前発表の日銀短観製造業DIはプラス7と5四半期連続での上昇。しかし、3ヶ月先はプラス8。市場予想を大きく下回った。それでもこの程度で吸収したということは、市場心理はさほど悪くないということになろうか。3月SQ以降は期末権利配当取り、貸し株の戻し、TOPIX配当落ち分の再投資などで上昇。この流れは今年も続き、この25年は3月前半11勝14敗、後半は16勝10敗。2000年以降では前半7勝7敗、後半11勝4敗。1年後にも覚えておくと使えるかも知れない。ただし市場では4月第1週は信託の益出し売り観測。例年1000億円程度のウリが出るという。前日の相場でも確かに先物より現物の方が弱かった。とはいえ戻りのCMEは上昇。JPX400は7日続伸。国内機関投資家のサラリーマンチックなウリを吸収し、15000円を覗いて欲しいもの。日経平均株価は154円高の14946円と反発。一時15000円台を回復した。エイチームが上昇。九州電、ショーワが下落。

3日(木)
前日発表の日銀短観は「景気に厳しく市場に甘い」との評価。加えて、物価見通しは平均1.5%の上昇で2%に届かず。ないものねだりの市場は、日銀の追加金融緩和の可能性を呪文のように唱え始めた。3月11日以来の15000円台回復。しかし売買代金は1兆8714億円と11日ぶりの2兆円割れ。エネルギーは減退したなかでの株高となった。TOPIXは9日続伸を達成。9日も株高が続けば少しは投資心理も温まるのが本当だろうが逆に警戒感が唱えられる。ここが東京市場のか細さなのだろう。加害者心理よりも常に被害者心理と論理が勝る市場。常に誰かを加害者にしておかなければ気がすまない市場。本当は幸福の鳥も不幸の手紙も市場の中にあるのだろうが、海の外に喧々諤々。この傾向だけはつける薬がない。日経平均株価は125円高の15071円と続伸し終値ベースで3月11日以来の15000円台。TOPIX,JPX400は9日続伸。テルモ、シャープが上昇、スクエニ、カプコンが下落。

4日(金)
興味深いのは政府の産業競争力会議と経済財政諮問会議の動向。閣僚級からなる司令塔を政府内に設置。海外投資家が求める規制改革がすばやく出来るようにするという。首相によるトップセールスの拡大も図るという。対日直接投資を2020年までに倍の35兆円に目標。これの完遂のためにはなりふり構わず御用聞きということだろうか。国内でのヒアリングも充分とはいえないが目は外に。ここにも青い鳥幻想が満ち満ちているような気配。それにしても、首相が海外に投信販売に行く風景というのはあまり見たくない。投資主体別売買動向を見れば個人は731億円の売り越し。株高=利益確定の構図は不変。もっとも信用の評価損率は12%台まで低下している。海外投資家は1311億円の買い越しで3週間ぶりの買い越し。信託が前週の134億円の売り越しから657億円の買い越しに転じた。機関投資家のマインド変化なのか、ファンドマネージャーの移動なのか。売買は膨らんでいる。一方で生損保は324億円の売り越し。都銀・地銀は64億円の売り越し。決算を固めて動かなかったのだろうか。事業法人の407億円の売り越しも目立つ。日経平均株価は8円安の15063円と反落。TOPIXは10連騰ならず。為替は一時104円台になり前日比プラスの場面もあった。雇用統計控えからか売買エネルギーは低下し東証1部の売買代金は1兆5653億円。三井不、地所、ファナックが上昇。ソフトバンク、トヨタが下落。

(2)欧米動向
バロンズ最新号のコラムは「三井住友FGとみずほFGが魅力的な理由」。 興味深いのは「今年日本株が下落した理由のひとつは、4月1日から実施される 消費税増税に対する過剰ともいえる懸念だ」。 過剰かどうかは時間が決めるのだろう。

興味深いのは、1〜3月の世界市場の値上がり上位の市場。 1位はポルトガルの15.5%、2位はギリシャの14.2%、3位がイタリアの13.3%。 欧州財政危機が叫ばれた頃にど真ん中の悪役だった市場ばかり。 花は咲けば散るものですが、やはり散れば咲くもの。 大きなため息とともに目先の散り際だけにとらわれていると、来年の花は楽しめないということなのかも知れない。 要は開花の時点で散り際を、あるいは散った葉桜から満開を想像できるかどうか。 この作業が株式投資でも必要なのだろう。

(3)アジア・新興国動向
7日は中国市場が休場。8日はインド市場が休場、9日は北朝鮮の最高人民会議。10日は韓国の政策金利の発表と中国の貿易収支。11日は中国の生産者物価と消費者物価。スケジュールは目白押し。

【展望】
スケジュールを見てみると・・・。
7日(月)
・日銀金融政策決定会合、景気動向指数、日豪首脳会談
・米消費者信用残高、インド総選挙開始(5月19日まで)

8日(火)
・国際収支、景気ウォッチャー調査、黒田日銀総裁会見、米3年国債入札
・XPのサポート期間終了

9日(水)
・米卸売り在庫、FOMC議事録、10年国債入札、インドネシア総選挙

10日(木)
・機械受注、都心オフィス空室率、米財政収支、輸入物価

11日(金)
・マネーストック、国内企業物価指数、オプションSQ、
・米卸売り物価、ミシガン大学消費者信頼感、
・G20財務相中央銀行総裁会議(ワシントン)、世銀IMF総会(ワシントン)
・中国生産者物価、消費者物価

7日(月)〜8日(火)日銀金融政策決定会合。
9日(水)変化日
11日(金)オプションSQ。
15日(火)満月&皆既月食。
16日(水)ECB理事会。
17日(木)下げの特異日。
18日(金)変化日。NY、ロンドン市場休場(グッドフライデー=復活祭前日)。
29日(火)新月&金環日食、昭和の日で休場。FOMC。
30日(水)変化日。日銀金融政策決定会合。

4月効果とか鯉幟天井などという声も聞かれる。
ポイントの日が4回。
しかも皆既月食と金環日食。

NYは4月高のアノマリー。
これは確定申告終了後の手元資金での株・投信買いの効果との指摘もある。
イースターには復活となるか、セルインメイのフィナーレとなるか。
楽しみでもあり、不安でもある月。

、期を越えても相変わらず外資系ファンドマネージャーの訪問は多いという。
電話取材やワンオーワンミーティングで悩殺されるIR担当者も多いと聞く。
彼らの興味の対象は総じて2つに別れているような気配。
ひとつは、アベノミクスなど時流に乗った成長セクター。
これはインフラ整備関連等に多く見られる。
言ってみればグロース株。
もうひとつはPERやPBRなどが低く割安に放置されているセクター。
言ってみればバリューセクター。
決して教科書通りの投資ターゲットを探している訳ではなかろうが・・・。

ここに時間軸の概念を含めることも重要だろう。
多くの投資家さんの時間軸は短期的。
今日とか明日というのが多い。
一方で彼らの時間軸は気が長い。
といっても3ヶ月とか半年。
逆に言うと、3ヶ月とか半年と言う時間軸が長く感じることの方が異常でもある。
格言は「急がば回れ」でもあろうか。
明日を見ると見えなかったものが視点を先にしてみると見えてくることもあろう。
オプションだって期先の方が時間的価値が増えるもの。
明日を見るなら明後日というのは通用しないかも知れないが・・・。


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