7月4週
今週の相場感
(2) 欧米動向
ゴールドマンの第2四半期1株利益は3.70ドルでち着地。
市場予想は2.82ドルだったので結構サプライズ。
しかし同社の株価は昨日1.7%の下落。
NY市場というのも何を評価して何を評価しないのかよくわからない、
いずれにしでもGSの第2四半期純利益は18億6000万ドル(1株当たり3.70ドル)。
前年同期の9億2700万ドル(同1.78ドル)から倍増したということ。
背景は金利急上昇前に債券取引の収益が増加していたこと。
そして実効税率の32%から27%への低下。
背景はより多くの海外収入を恒久的に国外に保持する選択。
そして海外収入の増加。
市場関係者の評価は「持続できない可能性があり、これらの数字に関して手放しで喜ぶことは難しい」。
債券と海外で儲けたGS。
でもこれからはそうは行かないといわれている格好だが・・・。
ブランクファインCEOのコメントは「米経済状況が改善するなか、顧客による取引が活性化した。
事業環境は明白な改善の兆候を示している」。
利に聡いGSの面目は保ちそうな格好。
バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチの7月のファンドマネジャー調査。
新興国株式への投資配分が約12年ぶりの水準に低下した。
中国経済の減速を予想した比率は65%。
ただ昨年12月の調査ではネットで67%が加速を予想していた。
半数以上の回答者が中国のハードランディングと商品価格の急落が最大のテールリスクとの見方。
今後1年間でドルが上昇するとの予想は83%で、2001年4月の調査開始以来の高水準。
新興国株式への投資配分は18%のアンダーウエート。
2001年11月以来およそ12年ぶりの水準に低下。
5カ月前の調査では43%のオーバーウエートだったから急低下ということになる。
ただ・・・。
株式全体のポジションは52%のオーバーウエートで48%から上昇。
債券保有は55%のアンダーウエートで過去10年の平均を下回った。
株式投資先としては米国と日本。
米国株への配分は29%のオーバーウエートと2012年6月以来の水準に上昇。
日本株は27%のオーバーウエートで前月の17%から上昇。
別にメリルが調査しなくてもこのモードは市場に漂っているが・・・。
(3)アジア新興国動向
24日にHSBCの製造業購買担当者景気指数が発表予定。5月には相場のかくらん要因となったが同じ材料はもう蒸し返されないだろう。ただ3ヶ月連続での50ポイント
割れはGDP同様に明らかに中国景気の減速感ではある。
【展望】
スケジュールを見てみると・・・。
週末:参議院選挙
22日(月)スーパー売上高、米中古住宅販売
23日(火)TPP交渉、月例経済方向、
24日(水)貿易収支、米新築住宅販売
25日(木)米耐久財受注、安倍首相東アジア訪問、英GDP
26日(金)消費者物価指数、米ミシガン大学消費者信頼感
米投資雑誌バロンズの「資産価値の上昇が鍵」という指摘がなかなか興味深い。
・・・FRBが詳しく説明していない重要な問題に住宅価格と株価の上昇が、より活発な経済活動、
そしてより早い経済回復につながるという考え方、つまり資産効果の影響がある。
カール・ケーズ教授、ジョン・キグリー教授、ロバート・シラー教授らの研究によると、
リーマンショック以前の米国が数十年にわたって経験してきた住宅・景気循環において、
住宅にはプラスの資産効果しかなかった。
住宅価格が上がると、家計消費は増加。
しかし住宅価格が下がっても目立った消費の減少はなかった。
ところが05年から09年にかけての住宅価格の暴落は初めてマイナスの資産効果をもたらした。
01年〜05年の住宅価格の上昇は家計消費を約4.3%押し上げた。
05年〜09年の下落は家計消費の3.5%の落ち込みに影響したと指摘される。
モーゲージ・エクイティ・ウィズドローワル(住宅資産の含み益を譲渡以外の方法で現金化する方法)は、
回復の兆しを見せていない。
住宅資産からのキャッシュフローの減少は個人消費の低下の要因となっている。
プラスの資産効果を実現するためにFRBは住宅価格の上昇を望んでいる。
そのためには自宅購入の資金コストを下げ=低金利、その状態を維持しなければならない。
一方で株式の資産効果は別物で住宅の3割程度しかない、。
リーマンショックの頃、401K(40.1万ドル)の価値は101K(10.1万ドル)まで減ったといわれた。
それでも住宅価格の下落の方が深刻だった。
もっとも・・・。
当面の株価の上昇は消費や投資に転嫁され、この動きは徐々に拡大している。
結論は資産効果の上昇を促進するために低金利は継続される。
6月の米住宅着工件数はマイナス9.9%、許可件数はマイナス7.5%と軟調に着地。
しかし見えないフリばかりだが・・・。
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