5月4週
今週の相場感
(2) 欧米動向
雇用統計の非農業部門雇用者数の上方修正。 3月8.8万人→13.8万人、2月26.8万人→33.2万人。 こんなにブレる数字を受けた見出しは「統計のブレ、市場警戒」とネガティブ的。 しかし論点は「米雇用統計は事業所調査を数カ月かけて集計するため数値は変動しやすい。 ブレを抑えるのは難しい」。 だったら毎月毎月雇用統計に一喜一憂して、忘れ去るような愚はもうやめればいいという声も聞かれる。 「家計を調査する失業率は改定値のブレが少ない」のであれば今度は失業率をメルクマールにするほうが良いかも知れない。 夜と休みにワープして、昼の時間はジッと待機。 夜に活躍するのはネコか怪盗。 そして昼の場中は昼行燈のように惰眠をむさぶる東京株式市場の参加者の一部。 世界から取り残されて白昼夢を見ないだけ良い状況なのかも知れない。

(3)アジア新興国動向
世界株式市場は日米先行型。中国・ブラジルなど新興国市場はほとんど蚊帳の外の印象。経済指標にしても明るさはすくなくなっており、むしろ「見えない」ことで先進国市場を安定させているという指摘も聞かれる。小売売上高など中国の経済指標の発表で減少を追認する市場展開となろうか。
【展望】
スケジュールを見てみると・・・。
10日(金):G7財務相・中央銀行総裁会議、米財政収支
13日(月):マネーストック、米小売売上高、ユーロ圏財務相会合、中国小売売上高
14日(火):企業物価、米輸出入物価、EU財務相理事会
15日(水):消費者態度指数、米鉱工業生産、生産者物価
16日(木):1〜3月実質GDP、首都圏マンションン販売、米消費者物価、住宅着工件数
17日(金):機械受注、米景気先行指数、香港・韓国休場
週末:米債務上限撤廃が失効

多少は米国動向に翻弄される週になろうか。 もっともFRBのバーナンキ議長はG7を欠席予定。 米国内で10日にシカゴ市で金融規制に関する講演を優先するという。 要は欧州は荒れないと読んでいいのだろう。

4月の海外投資家は2兆6826億円の買い越し。 1982年以降で最大となった。 05年8月の郵政解散相場の1兆9624億円の記録はあっさり抜いた。 一方個人は1兆6827億円の売り越しで9ヶ月連続の売り越し。 相当キャッシュは溜まってきたに違いない。 隣の芝生は海外からは綺麗に見えていると思われるのに、それでも隣の芝生を羨むというのは怪訝。 加えれば・・・。 信用の評価損益率はプラス2.4%。 1月25日のプラス5.23%ほどではないがそれでも異常な事態。 JASDAQ市場ではプラス17.29%。 これこそ「待ったぜ〜」の世界になってきている現実。 こうなってくると裁定買い残の6兆円というターゲットは現実味を帯びてくる。

因みに4月のSQ値は13608円。5月SQ値は1万4601円で着地。 4月よりも約1000円、3月からは約2500円も上昇した。 昨年10月8517円からは6084円の上昇。 率にして71%の上昇で7カ月連続。 もはやあの8000円台〜9000円台のチンタラ相場を忘れるべきだが・・・。 相場停滞時のシナリオを後生大事に使っていると読み間違いが多くなりそうな相場。 節目のFOMCは6月18日まで開催されないので、トレンド変化はそこまでないかも知れない。

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