3月5週
今週の相場感
(2) 欧米動向
米投資雑誌「バロンズ」にはマエストロやセレブがコラムの中に登場。
ますはマエストロ。
言わすと知れたグリーンスパン前FRB議長である。
バスケットチームのマイアミヒートに連声記録と競い合うようなNYダウの連勝が途絶えた日にCNBCに出演してのコメント。
「NYダウが10日続伸で485ドル上昇したことは根拠なき熱狂ではない」。
そして「株価は過小評価されている」とまで宣言。
マエストロが「待った」ではなく「舞った」。
セレブは「テッド」に出演した女優ミラ・クニス。
インタビューで「株投資を始めた」と宣言。
90年代のITバブル時の女優バーブラ・ストライサンド。
有利な投資案件を求めてコンサートのチケットを無料で配っていたという。
日本でも「歌う不動産屋」や「剛速球を投げる投資家」というのも存在していたが・・・。
冷や水チックな指摘もある。
例えばダウ輸送株指数。
木曜に200日移動平均を19%上回っていたのは過熱感という。
2010年5月にも同様の水準となったが、その後2ヶ月で18%下落。
2010年1月には移動平均を19%上回り、その後1ヶ月で12%下落。
2006年5月には移動平均を21%上周り、その後2ヶ月で11%下落。
どうも200日移動の20%上方乖離というのは居心地が悪いらしい。
(3)アジア新興国動向
香港市場は決算発表のピークを迎える。
中国の4大商業銀行の決算に注目が集まる。
また、中国の太陽光発電パネル大手サンテックの破綻の影響が懸念されている。
【展望】
スケジュールを見てみると・・・。
25日(月):日本EU首脳会議。イタリア国債入札。
26日(火):日中韓FTA交渉初会合。米耐久財受注、ケースシラー住宅価格指数、CB消費者信頼感、2年国債入札。
27日(水):3月期末権利配当落ち。米住宅ローン申請、5念国債入札。
28日(木):小売店販売額、米GDP確定値、シカゴ購買部景気指数、7年国債入札
29日(金):失業率、消費者物価指数、鉱工業生産、米個人支出、主要市場は聖金曜日で休場
3月月足陽線基準は11606円
25日線(11823円)からの乖離はプラス6.87%(15日にプラス7.53%)
ピークは1月4日のプラス9.45%。
200日線(9596円)からのプラス乖離は31.67%まで達した。(同31.68%)
因みに3月メジャーSQ値は12072円。
ファンド等の決算が通過しあと1週間で期末。
「甘利越え」になるのかどうか。
13000円という具体的目標の達成が気にかかる1週間となろうか。
昨年は3月27日(10255円)で天井。
今年は27日が満月。
1990年3月19日日経平均は1353円安(歴代7位)、3月26日1468円高(4位)。
NYダウが1万ドルを突破したのは99年3月29日(今年はグッドフライデーで休場)。
この先を見ていくと・・・。
4月26日(金)満月で部分月食。
5月10日(金)SQで且つ新月で金環日食。
このあたりが要注意なのだろうか。
6月9日(月)には新月で海王星が逆行を開始する。
「ワクワクドキドキ」と「ハラハラドキドキ」の同居が市場の常。
まずはハラハラの方はNYの先物決済通過を受けたような格好で浮上したキプロスの預金封鎖と課税問題。
たかだか人口90万人程度、GDPで2兆円程度の国の動向。
ユーロ圏に占めるGDPの割合はわずか0.2%。
その割には騒がれ過ぎという印象は拭えない。
でも同国はもともとはバミューダやケイマンと同じようなタックスヘイブン。
同国に特別目的持ち株会社など作りロシアやウクライナに投資する企業が多いという特徴があった。そのためにキプロスの銀行口座の保有者の半数はロシア人という声も聞かれる。
ようやく今朝になって経済紙などで指摘された「マネロン」とか「ロシアからの預金が1兆8000億円」などという指摘。
単にドイツが意地を張ったというよりは、このお金の構造の方がよほど重要だろう。
バトルというものはどこか小国が代替になってきた歴史。
これがまだ続いているような印象。
ところでキプロスは「愛の女神」アフロディーテ伝説の発祥地。
タックスヘイブン特有のリゾート感覚の美しい島国で起こった生臭い話。
世界で一番最初に開くマーケットである東京で過大視された印象は拭えない。
おかげで10年国債利回りは0.585%まで低下し、期末の益出しには格好の場面提供。
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