3月3週
今週の相場感
(2) 欧米動向
2月第4週(2月25日〜3月1日)の投資部門別株式売買動向。
海外投資家(外国人)は16週連続で買い越し。
買越額は2957億円となった。
外国人が16週連続で買い越すのは、10年11月〜11年5月(29週連続)以来。
この時の買い越し額は2兆5947億円。
今回の買い越し額は4兆1945億円。
2005年6月〜12月の26週連続買い越しの際の16週時点では5兆85億円。
小泉改革相場の時の日経平均の高値は07年2月の18300円。
現在の日経平均は12000円水準。
買い越し額からいくとあと13週買い越しで裁定買い残が6兆円に迫ればここも見えてくる。
FRBが発表したFRBのバランスシートの規模(金、SDR、貨幣等の現金の保有分を除く)。
過去最大の3兆0910億ドルとなり、前週の3兆0720億ドルから拡大した。
財務省証券保有額は前週の1兆7500億ドルから1兆7620億ドルに増加。
それにしても、3兆ドル台ということは、日本円では300兆円近い規模。
この大掛かりな仕掛けが世界の市場に好感されていることは間違いない。
(3)アジア新興国動向
3月1日の中国政府が発表した不動産価格抑制策を嫌気した格好での軟調展開。世界の株高を横目に見ながら上海株価指数は低空飛行の状態。ここは見えないフリながら、中国の影響度は株式市場においては低下気味の印象。
【展望】
スケジュールを見てみると・・・。
11日(月):機械受注、マネーストック、スペイン財政収支
12日(火):法人企業景気予測、米財政収支、3年国債入札
13日(水):春闘集中回答日、米小売売上高、輸入物価、10年国債入札、イタリア国債入札
14日(木):鉱工業生産確報値、米卸売物価、10〜12月経常収支、FRBの大手銀ストレステスト結果発表、30年国債入札
15日(金):米消費者物価、NY連銀製造業景気指数、鉱工業生産、対米証券投資、ミシガン大学消費者信頼感指数
年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の保有ポート。
国債59.65%、国内株12.81%、外国債9.74%、外国株12.79%。
モデルポートは国債67%、国内株11%、外国債8%、外国株9%。
この是正のためには国債を3兆円ほど買い増す必要があるとの指摘。
0.6%の利回りの国債がそんなにありがたいのだろうか。
一方では、外国債・外国株は間違いなく一部売却の方向。
世界を売って日本を買う。
相場観の希薄な年金の動向が、意外とマーケットを左右するのが相場の綾でもある。
因みに長期国債利回りの過去最低水準は2003年6月11日の0.430%。
昨日は一時0.585%。
債券が天井を打って株式への資金移動のタイミングとしては絶好だったが・・・。
興味深かったのは7日日経「大機小機」の「平成大デフレ脱出へ」。
・・・わが国の景気は昨年11月に底を打ったようだ。
対米輸出の回復に加えて、EPAを締結したASEANやメキシコなどへの拡大で
季節調整値ベースの輸出は増加に転じた。
法人企業統計は10〜12月に増益となり、消費も回復し始めた」。
この中でアベノミクス効果というものがあるとすれば消費の回復程度。
その他は自然に回復していたに違いない。
むしろアベノミクス効果ではなく、前野田首相の引き際が良かったということ。
決してそういう解釈はされないのだろうが・・・。
明るかったのは内閣府が発表した景気先行指数。
数ヶ月先の景気を示す先行指数は96,3で前月比3.1ポイント改善。
99年6月以来市場2番目の大幅改善となっている。
明らかに心理は先行して改善している証拠でもある。
一方で明るくない割にさほど評価されていないのがユーロ圏成長率の下方修正。
ECBは2013年のユーロ圏の成長見通しをマイナス0.3%→マイナス0.5%に引き下げ。
南欧の景気不安を背景に金利もさらに低下の可能性。
それでも見えないフリがされるほど、世界マネーのブルマインドは貪欲ということだろうか。
大和の景気見通しレポート。
題名は「歴史的な円高水準からの是正が進む、2013年度業績は大幅回復へ」。
歴史的な円高水準からの是正が進むことで、企業の収益環境に明るさがでてきた。
・2013年度は円高是正やコスト削減効果により大幅経常増益へ、本格的な業績回復局面に入ろう。
・2014年度もグローバル経済の成長に伴う需要増が加わり引き続き2ケタ経常増益を予想。
・2014年度の経常利益は、
1ドル90円前提ではリーマンショック前2007年度の利益水準に肉薄。
・1ドル100円前提では超過する見通し。
・「政治」が再び動き出した。企業業績への追い風になることを期待。
結論は・・・。
2012年度予想:3.2%増収、 5.5%経常増益
2013年度予想:6.0%増収、32.7%経常増益
2014年度予想:2,7%増収、10.6%経常増益
株式投資は全て自己責任でお願いします。このサイトの情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。当サイトの掲載事項において損失をされた場合も当方は一切の責任を負いかねます。
(C)ilogos / Eimei.tv