《マーケットストラテジーメモ》01月1週

【推移】

25日(月):
週末のNY株式は小幅に反落。クリスマス休暇を控え動意薄の展開だった。「薄商いのなかで相場は動きやすい。下げようが上げようが、大きな意味でのトレンドにはあまり意味はない」という見方だ。
週間ではNYダウは0.42%高、3週続伸(累計2.2%上昇)。S&P500は0.29%高、5週続伸(同4.0%上昇)。NASDAQは0.34%上昇。2週続伸(同1.8%上昇)。11月の個人消費支出が前月比0.6%増と、前月から伸びが加速。11月の耐久財受注統計はコア資本財の出荷が10カ月連続で増加。「消費者心理は引き続き堅調。2018年の力強い成長に向け幸先が良い状態となっている」という楽観論も聞こえる。債券市場は午後2時までの短縮取引。25日は休場。欧州市場の多くは26日まで休場。
様子見モードの閑散状態の中、国債利回りは小幅に上昇。

スペインのカタルーニャ自治州の議会選挙で独立賛成派が勝利。スペイン経済の混乱懸念が拡大したとの解釈もあった。ユーロは対ドルで0.1%安の1.1858ドル。ただ年初からは13%近く上昇。「年間では14年ぶりの大幅高となる勢い」という見方だ。

トランプ米大統領は1兆5000億ドルの減税を実現する税制改革法案に署名。新たなつなぎ予算案も承認。約30年ぶりの大幅な税制改革に実現だ。つなぎ予算が成立したことで来年1月19日まで政府機関の閉鎖は回避された。「9年連続で上昇したNY市場の強さは継続」と見る向きは多い。

土曜日経朝刊の記事。日本企業の信用力を示す格付けが右肩上がりに上昇。高格付けの目安となる「A格」以上の比率は足元で75%。約4割の米国の2倍。バブル経済の崩壊以降、借金に苦しんだ日本企業は強い財務を経営課題に据えてきた。気が付けば上場企業の過半数が実質無借金。世界屈指の高格付け国となった。もうおとなしくしてなくても良いような気がする。

日経平均株価は36円高の22939円と小幅に続伸。11日以来、2週間ぶりに終値ベースの年初来高値を更新。後場は終始プラス圏での推移。日銀ETF買いへの思惑から日経平均は押し上げられたとの解釈もある。東証1部の売買代金は1兆5458億円。2015年12月28日以来の低水準だった。
東証1部の値上がり銘柄は889。値下がりは1073銘柄。新高値167銘柄、新安値19銘柄。SUMCO、LIXIL、昭電工、資生堂、出光興産、ジンズメイト、AOITYO、飛島建が上昇。郵船、ユナイテド海、野村、三菱UFJ、メディシス、トラコス、ソルクシーズ、SBIが下落。

26日(火):
いよいよ最終週という感じ。商いは薄く、期待感だけが先行という形の展開。年内権利付最終日を通過すれば、もう水曜日は受け渡しベースの新年だ。NY市場はクリスマスで休場。米投資情報誌バロンズ電子版最新号の特集はアップル。題名は「2018年にアップルの時価総額は1兆ドル達しそうだ」。アップルの時価総額は現在8990ドル。「iPhone X」やストリーミング関連のサービス事業の売上高があれば時価総額1兆ドルも不可能ではないとの指摘。税制改革法案が成立。法人税率が引き下げられれば海外にキャッシュを保有する必要が無くなるため自社株買いが行われる可能性も指摘しているという。

上値の重い展開で反落。5日ぶりの日足陰線で連日の高値更新とはならなかった。高島屋が買われ、しまむらが売られたことはデフレ脱却の象徴という見方だった。日米ともに商い薄の動きで売買が盛り上がらなければ、今年はもう手じまいとの声も聞こえる。「年内の動意は限定的。実質1月相場入りとなることから需給に変化が出てくる可能性はある」とも指摘。クリスマスの閑散は27日から解消してきたという歴史もあるにはある。

12月22日時点の信用買い残は前週比237億円減の3兆922億円。3週連続の3兆円越え。信用売り残は218億円増の9971億円。信用倍率は3.10倍(前週3.19倍)。
日経平均株価は46円安の22892円と3日ぶりの反落。年内最終受け渡し日の売りと12月決算銘柄の権利配当付き買いのぶつかりだったが、売り優勢の展開。北朝鮮の人工衛星打ち上げ計画が報じられ地政学リスクもやや高まった。日銀のETF買い期待は薄れた格好で後場やや下落幅を拡大した。日中値幅は72円50銭と10月6日恩62円以来の狭さだった。

東証1部の売買代金は1兆6542億円。東証1部の値上がり銘柄数は752、値下がりは1200銘柄。高島屋、エーザイ、味が上昇。任天堂、ファナック、伊藤忠、村田が下落。

27日(水):
クリスマス明けのNY株式は続落。悪材料視されたのはアップルの新型スマートフォン「iPhone X」の需要低迷の報道。台湾からの報道は「アップルがiPhoneXの今四半期の販売見通しを当初の5000万台から3000万台に下方修正する」。値下げの可能性も指摘されアップル株は2.5%下落。1日の下落率としては8月10日以来の大きさとなった。ハイテクセクターについては税制改革の恩恵が相対的に小さいとの見方もある。ハイテクセクターの年初来上昇率は約40%だけに利益確定売りも出やすかったとの解釈。薄商いの中で材料がデフォルメされたという印象だ。

リビアのパイプラインの爆発を背景に原油先物価格が上昇。エネルギーセクターは堅調だった。また年末商戦の売上高の伸びが2011年以降で最大になったとの指摘を材料に小売セクターも堅調だった。
3市場の売買高は40.3億株と今年最低。債券市場も薄商い。「今年は9月以降が好調継続。ここにきてあえて掉尾の一振は必要ない」という声も聞こえる。「23000円は通過点だし年内に付けようが付けまいが誤差の範囲」という見方もある。
12月配当落ち分は33円32銭。これを埋めての多少強い展開。市場では昨日のGSと野村のTOPIX買い越しを注視。「新年に向けての新たなポジション」という観測も見られる。東証マザーズ指数が年初来高値を超えたのはかすかな一振りなのかも知れない。

日経平均株価は18円高の22911円と反発。米国株安を背景に円近く下げて始まったが、原油先物相場の大幅上昇などから石油関連株に買いが入り、40円超高まで持ち直した。もっとも、その後は前日終値を挟んで方向感が出なくなった。日中値幅は82円。もっとも12月権利落ち分33円22銭を即日埋めたことは好感される。

東証1部の売買代金は1兆7089億円と2兆円割れ。住友鉱、丸紅、三井物、ファストリテ、コマツ、いすゞ、スズキ、OLCが上昇。キヤノンmブリヂストン、キリンHDが下落。東証2部株価指数は反発。

28日(木):
水曜は一応反発。しかも権利落ち分を埋めた。値上がり1472銘柄、値下がり494銘柄。昨年12月は権利落ち分を埋められなかったのが歴史だった。それでも翌年(2017年)大発会は96年以来の大幅高だったから別に関係はないのだろう。「幅広く買い戻された」との解釈だ。

日経平均の上げ幅がわずか18円。「マザーズ指数の11年ぶり高値にみるように人気は新興株、小型株に」との声。相対的に出遅れ感のあったマザーズ指数が6月高値を上回り3%超上昇し年初来高値更新。これで日経平均、TOPIX、2部指数、日経ジャスダック平均、そしてマザーズ指数。主要な指数がそろって12月に終値ベースの高値を更新したことになる。冴えないようで「揃い踏み」だったということだ。

22日時点の裁定買い残は2週ぶりに増加。前週比1538億円増の3兆2081億円。裁定売り残高は2週連続で増加。前週比べ1303億円増の4370億円だった。大納会まであと2日。「アノマリー破りの年の瀬」という声が聞こえた木曜。年内最終週の木曜前場まで高値圏。今年はこのまま年越しかと思われたところに、不意打ちの下げだった印象。過去の上昇確率72.73%の26日がマイナス。同72.22%の木曜もマイナス。このままだと今年の「掉尾の一振」は不発ということになる。
もっとも「LME銅市況の10日続伸、4年ぶり高値。WTI原油先物のバレル60ドル台と商品市況高は株高に向けた補強材料」という指摘もある。果実は新年に持ち越しということになろうか。

日経平均株価は127円安の22783円と反落。前場は小幅続伸していたが米CNNが「北朝鮮が新たなミサイルの発射準備を進めている可能性がある」と報じたことを悪材料視。為替の円高傾向を嫌気した格好で先物主導で売り物優勢となった。一時は前日比174円安の22736円まで下落した場面もあった。終値ベースでは15日以来、約2週ぶりの安値水準となった。 TOPIXも反落。東証1部の売買代金は1兆7305億円と4営業日連続で2兆円を割り込んだ。

東証1部の値下がり銘柄数は1353と、全体の66%。値上がりは606銘柄。サイボウズ、住友鉱山、物産、石川製、ソフトバンク、信越、ニトリが上昇。任天堂、キャノン、ダイキン、三菱UFJ、板硝子が下落。

29日(金):
NY株式市場は薄商いながら続伸。金融、ハイテク、素材などのセクターが堅調だった。市場は楽観論に包まれた格好。「業績主導の相場だった。業績に勢いがあり、視界も良好だ。来年もこうした状況が続くだろう」という声が聞こえる。
S&P500は今年約20%上昇。年間ベースでは、2013年以降で最大の上昇率となる見通し。「力強い経済成長や好調な企業業績が支援材料となった。税制改革を受けて来年も株価の上昇が続く」との見方だ。

3市場の売買高は42.6億株と低調。新規失業保険申請件数は、前週から横ばいの24.5万件。市場予想の24万件を上回ったが、労働市場は依然引き締まりの状態。米シカゴ地区購買部協会景気指数は67.6と前月の63.9から上昇(市場予想は62.0)。2011年3月以来の高水準をつけた。生産が34年ぶりの高水準を記録したのが目立った格好。新規受注も3年半ぶりの高水準となった。

国債価格は上昇し、10年債利回りは2.407%まで低下。ドルは軟調。ユーロ/ドルは0.55%高の1.1951ドル。一時1カ月ぶり高値をつけた。年初来では約14%値上がりし、2003年以来の大幅な上げとなる勢いだった。 銅は4年ぶり高値。原油価格は堅調。ビットコインは下落。トランプ米大統領は2018年1月中旬にも、経済政策の公約に掲げたインフラ整備の計画を公表する方針。
投資目標は10年間で総額1兆ドル(約113兆円)。少なくとも2000億ドルを連邦政府が支出する方向で検討するとの共同電は効くかも知れない。 12月31日には中国12月製造業PMI。1月3日には米12月ISM製造業景況指数や12月12〜13日のFOMC議事要旨の公表。「主力株は手掛けにくい局面」という声と「買わないリスク」の声の交錯。
昨年大納会終値は19114円37銭。3600円以上上昇した酉年はケッコウだった。イヌの笑いにつながって欲しいもの。「掉尾の一振りは不発」だった大納会。買い先行だったものの失速しての小幅続落。
東証1部の売買代金は25日と並ぶ1兆5000億円台。「参加者が極端に少ない寂しい大納会」という声が聞こえた。

日経平均は週間では約137円の下落、週足は陰線。もっとも日経平均は年間では3650円57銭(19%)高。6年連続の上昇となった。6年連続は1990年のバブル崩壊後では最長記録。大納会の終値としては1991年以来26年ぶりの水準となった。2017年の主要な指数の騰落率は、日経平均△19.1%。TOPIX△19.7%。東証2部指数△39.1%。マザーズ指数△30.7%。日経ジャスダック平均△44.2%。東証REIT指数▲10.4%。「日経平均が上昇しても、まんべんなく株が上がる時代はもう来ないかもしれない。株高で投資家の期待値が上がっている分、来年は選別がよりシビアになる可能性もある」という見方もある。

日経平均株価は19円安の22764円、TOPIXは1.47ポイント安の1817.56ポイントとともに小幅続落。もっとも日経平均は6年連続の上昇。TOPIXは2年ぶりの年間上昇となった。年末水準としては1989年の2881.37ポイント以来28年ぶりの水準。

東証一部の売買代金は1兆5465億円、売買高は8億8915万株と2011年12月30日以来6年ぶりの低水準。値上がり1030銘柄、値下がりは914銘柄。王子、旭硝子、三井住友、住友鉱、ニトリが上昇。JT、トヨタ、ソニー、資生堂が下落。

4日(木):
年末29日のNY株式市場は下落。年明けの2日のNY株式は反発。S&P500とNASDAQは史上最高値を更新。NASDAQは初めて7000ポイント台に乗せた。上昇をけん引したのはハイテクや一般消費財、ヘルスケア、エネルギー、資材などのセクター。アップル、アルファベット、アマゾン。JCペニーなどが上昇した。「昨年末に成立した税制改革法などが後押しとなり、相場は上げが継続する可能性」という声も聞こえる。
3市場の売買高は約66億株。ようやく市場に人が戻って来た。

3日のNY株式市場は3指数揃って史上最高値を更新。S&P500は初めて2700ポイント台に乗せた。ISM製造業景気指数は59.7と市場予想の58.1を上回って着地。建設支出が金額ベースで過去最高を記録したことも好感。FOMC議事要旨は「FRBは今年緩やかな利上げペースを維持する」との見通しで着地。これも好感し終盤に上げ足をやや速めたとの解釈だ。フィラデルフィア半導体指数は1.7%上昇。2日間のパフォーマンスは2016年6月以来の高水準となった。
VIX(恐怖)指数は9.15%と低下。VXV(3ヶ月先の変動)指数は12.32%と低下。WTI原油先物は反発しバレル62ドルに接近。金先物は9日ぶりの下落。

4日日経朝刊の主要30業種の天気図(産業景気予測)。「晴れ」は化学、建設・セメント、産業・工作機械、電子部品・半導体、旅行・ホテル、アミューズメント、人事派遣の7業種。「薄日」が鉄鋼・非鉄、石油、情報通信、家電、通信、食品・飲料、精密機械、リース、ドラッグストア、ネットサービス、広告の11業種。注目は「化学」と「精密機械」と見た。良い材料があっても重要なのはタイミングとリズム。もしも年末の日経平均が25日線から6%もプラス乖離だったらこんなに上昇はしなかっただろう。ほぼ25日線がサポートしていたからこその大幅高。というよりも「そこまで下がっていたから」ということ。大幅高は「株は材料よりも需給とタイミング」という好事例になろうか。「トレンドは上向き。8月までという時間軸。28000円という値幅」。そう決め打ちすればあとはリズムとタイミングだろう。

「1月から4月は小型株優位」というのもアノマリー。
理由は「その年の注目テーマが市場で話題となりやすい」との解釈だ。しかし大きな流れの中では関係ないのかも知れない。一気に上放れた大発会。23000円の壁は登りきってのロケットスタートとなった。「1年の計は発会にアリ。今年1年の強気相場を象徴する」という声も聞こえる。89年以降2017年まで1月相場は15勝14敗。ただ今年の大発会よりも上昇幅が大きかった92年、96年の日経平均は年間で下落している。微妙なアノマリーでもある。変動が大きいのも大発会の特徴。
89年以降、過去30年間で日経平均が1%以上変動したのは18回。そのうち1%を超す上昇となったのは、今年の分を含めると13回となった。

日経平均株価は741円高の23506円と大幅反発し高値ナイトコ引け。後場もジリ高となり200円近く上昇幅を拡大。ザラバ終値ともに昨年来高値を更新した。終値は1992年1月7日以来26年ぶりの高値水準。大発会としての上昇幅は1996年大発会の749円高以来のこと。TOPIXは46.26ポイント高の1863.82ポイントと高値引け。「ベトナムの9連騰、ハンセンの8連騰を見て」と言う声もあるが東京はそんな小さな市場ではない。買い戻しと楽観ムードの台頭に押し上げられたという印象だ。

東証1部の売買代金は3兆2794億円。12月15日以来の3兆円超えとなった。東証1部の値上がり銘柄数は1778銘柄で全体の86%。値下がりは246銘柄で全体の11%。任天堂、ソフトバンク、みずほ、三菱UFJ、SBI、トヨタ、ファナック、コマツ、ソルクシーズ、セレス、DIT、東海カが上昇。ビットコインが目立っている。大東建託、インベスターC、ソースネク、住ゴム、石川製が下落。JPX400は2014年1月以来の算出来高値を更新。東証マザーズ指数は続伸。日経ジャスダック平均は90年7月以来の4000円乗せ。

5日(金):
NY株式市場は連日の史上最高値更新。NYダウは初の25000ドル台乗せとなった。2万ドルから2万5000ドルまで1年弱。この5000ドル突破の時間軸はNYダウの算出が始まった1896年5月以降で最も速いペースとなった。NYダウが初めて24000ドルに乗せたのが昨年11月30日。この間ボーイングとキャタピラーがそれぞれ100ドル超ダウ押し上げに寄与。ゴールドマン、ユナイテッド・テクノロジー、ホーム・デポ、シェブロンも上昇寄与度が高い銘柄。一方値下がりしたのは3M、トラベラーズ、ユナテイッド・ヘルス、インテルの4銘柄だけだった。

ISM製造業景況感などの好調の余韻もあって買い物優勢の展開。ADP全米雇レポートで民間部門雇用者数は25万人増と昨年3月以来の大きな伸び。市場予想の19万人増を上回って着地したことも好材料。労働省が発表した2017年12月30日までの週の新規失業保険申請件数(季節調整済み)。前週比3000件増の25万件。
3週連続で増加した。ただ「複数の州が推計値だった。労働市場の状態が大きく変わったことを示唆しているわけではない」という見方だ。新規申請件数は30万件を切ると労働市場が力強いとされる。148週連続でこの水準を下回って推移している。

日本時間今夜発表予定の12月雇用統計の市場予想は民間部門雇用者数が18.5万人増。前月の22.1万人増からは鈍化、失業率は変わらずの4.1%の見通し。3月の利上げ確率は73%と前日の68%から上昇。

日経平均株価は208円高の23714円と続伸。1992年1月6日以来、連日で約26年ぶりの高値水準を示現した。「米国株高や5日のアジア株高など世界的な同時株高で運用リスクを取りやすくなった投資家からの買いが日本株を押し上げた」との解釈。「株価指数先物が先行して上昇。ファナックやTDKといった指数への寄与度が大きな値がさ株に裁定取引の買いが入った」という見方もある。前場は大幅高の反動で利益を確定売りもあり上値が重い場面もあった。後場は買い優勢の展開。

日経平均は年明け後の2日間で合計949円上昇したことになる。TOPIXも続伸。16.52ポイント(0.89%)高 の1880.34と91年11月1日以来、26年2カ月ぶりの高値。JPX日経インデックス400は連日で算出開始以来の高値を更新。東証1部の売買代金は3兆140億円と連日で3兆円を上回る大商い。

東証1部の値上がり銘柄数は1302と全体の約6割。値下がりは655銘柄。アサヒ、東ガス、大ガス、三菱UFJ、りそなHDが上昇。楽天、任天堂、ソフトバンクが下落。東証2部株価指数は続伸。ファーストリテが大引け後に発表した2017年12月の月次販売動向で、国内の既存店売上高は前年同月比18.1%%増。3連休明けの指数寄与度が注目されよう。


(2) 欧米動向
「サンタクロース・ラリー」という言葉がある。
クリスマスの時期に株価が上昇するわけではなく、新年明けてからの買い戻しのことを指している。
NY株式市場でしばしば見られるクリスマスから新年1月にかけて株価が上昇する現象のことだ。
12月は節税対策など処分売りが出やすいがクリスマス以降はその売り圧力も減少。
1月にかけて買い戻しから株式市場が上昇するアノマリーだ。
「サンタクロースは米金融街にほぼ毎年のようにやってくる。
年内最後の5営業日から1月最初の2営業日にかけて、短いながら甘美でまずまずの相場上昇が見られる」という。
つまり本物の「サンタクロース・ラリー」は年末年始の7営業日ということになる。
過去20年のサンタクロース・ラリーの平均はS&P500が0.9%高、NYダウは0.7%高。
NASDAQは7営業日で1.7%。
ラッセル2000も1.1%上昇している。
「市場関係者の多くが休暇に入っている中での短期の動向としては悪くない」という見方だ。
S&P500は直近5年のうち2年で下落、3年は上昇。
サンタクロース・ラリーが来なかった年はその後に弱気相場が続くか、少なくとも株価の下落が見られた。
ということは、今年はサンタクロース・ラリーに包まれた良い年と予測できようか。

視点を西暦に移すと・・・。
まずはラリーウィリアムズ。
「西暦の末尾8の年は2番目に株価が上昇しやすい。3月買い8月売り」。
西暦の末尾9か0の年は天井になりやすい
西暦の末尾が6の年に買って8の年に売る」。
そしてW.D.ギャン。
「8の年は10年サイクルの中で最も強気の年。
株式市場全体が値を飛ばすことが多い。
9の年は10進法の中で最大の数字であり、通常最後の強気相場を形成する。
ただ9〜10月頃から年末にかけて弱気相場が始まり、暴落相場がスタートすることもある。
一般に年前半の相場が強ければ強いほどその後の急落は厳しいものとなる。
0の年は弱気の年。
戻りが2〜3月頃まで続く事が多い。
その後かなりきつい下げが通常11月または12月まで続く。
早ければ12月に新しいサイクルに突入し、強気サイクルが発生する」。
時間軸を5年程度にすると、壮大な上昇相場の始まりなのかも知れない。

《バイロン・ウィーンのびっくり十大予想2018》

(1)中国が北朝鮮の核武装を許容できなくなる。
核開発は停止しても既存の武器庫を放棄しない北朝鮮に対し、燃料・食料の供給を断つ。
(2)ポピュリズム、民族主義、無政府主義が世界に蔓延する。
コービンが英首相になり、カタルーニャは混乱のまま。
Brexitで欧州大陸の協力は強まり、経済成長が加速する。
(3)ドルがついに息を吹き返す。
3%超の米経済成長とトランポノミクスで、ドル建て資産の人気が高まるほか、レパトリ減税が助けに。
ユーロ/ドルは1.10、ドル円は120円へ。
(4)米経済は改善するも、投機の行き過ぎからS&P 500は10%調整し2,300へ。
調整後は上昇に転じ、企業業績の拡大と4%に迫る経済成長により年末には3,000を超す。
(5)WTI原油価格が80ドル超え。
(6)インフレが懸念事項に。
世界の経済成長がコモディティ価格を押し上げ、先進国のタイトな労働市場は賃上げ圧力をもたらす。
米平均時給上昇率は4%に近付き、CPI上昇率は3%を超える。
(7)インフレ上昇にともない、金利も上昇し始める。
FRBは年内に4回利上げし、米10年債利回りは4%へ。
FRBのバランスシート縮小は極めてゆっくり行われる。
ハイイールド債のスプレッドが拡大、株式市場の不安材料に。
(8)NAFTAとイラン合意が生き残り、トランプ大統領のTPP日判がやむ。
中国のプレゼンス拡大に対抗し、アジアでの2国間交渉が推進される。
(9)11月の中間選挙がトランプ政権への支持を問う国民投票となり、共和党が上下両院で過半数を失う。
国民は大統領の公約が実現しないことに落胆し、ツイートに反発を強める。
(10)中国の習首席が債務問題に本腰を入れ経済や雇用の減速を覚悟した上で事業借入の制限に踏み切る。
中国の実質GDPは5.5%に落ち込むが、世界経済への影響は少ない。

以下はその他の大穴予想。

(1)グローバル投資が機関投資家の間でさらに広まる。
欧州・極東・新興国の利益成長が米国より高いことが認知される。
PERは逆に米国の方が高い。
(2)ロシア・ゲートの捜査で、トランプ家とロシアの関係が証明できずに終わる。
(3)AI普及が加速し、多くの職が自動化される。
米失業率が4%を切っても多くの人が職に就かず政府の支援を必要とすることから、失業率データの重要性に疑問が向けられる。
(4)サイバーアタックが頻発し、消費者信頼感に影響を与え始める。
企業が持つ個人情報がハッキングされ、金融システムのアップグレードが必要とされる。
(5)欧米当局が、ネット関連事業による創造的破壊に懸念を持ち始める。
公取がAmazon、Facebook、Googleを捜査し、公衆もこれら企業の力が過大になったと考え始める。
(6)ビットコインのリスクが大きくなりすぎ、規制当局が取引を制限する。


(3)アジア・新興国動向

原油価格の安定推移による低インフレ環境だが新興国は利下げを実施してきた。
ロシアは17年に累計2.25%の利下げ、ブラジルは同6.75%、南アは同0.25%。
ロシアは3月、ブラジルは10月に大統領選挙。
時折訪れる新興国の話題に一喜一憂しないことが肝要だろう。


【展望】

元旦の日経朝刊のトップの見出しは「溶けゆく境界、もう戻れない」。
「デジタルの翼に解き放たれ境界を溶かしていく。
つながる世界への扉が開いた。
もう誰も後には戻れない」。
もう一つのキーワードは「パンゲアの扉」。
パンゲアはギリシャ語に由来する「すべての陸地」の意。
ひとつにつながる世界への扉。
あらたなグローバリゼーションの誕生ということになる。
そして元旦恒例の経営者アンケート。
日経平均の高値は「25000円以上」というのが結論。
信越化学の金川会長の8〜9月28000円というのが最高値。
平均は25440円。
セコムの中山社長の19500円(6月)というのが最安値だった。
平均は21240円。
個別ではトヨタが5年連続のトップ。
2位が5年連続で信越化学。
以下、忠、ダイキン、日立、フィルム、日電産、大和ハウス、ファナック、
パナソニック、TDK、三菱UFJ、東京エレクトロン、NTTデータ、
コマツ、安川と続く。
TDKと安川は初めてのランクインとなった。

以下は大発会ストップ高銘柄。

Cキャット(2307)
アイスタディ(2345)
バルクHD(2467)
レカム(3323)、
スターティア(3393)
グローバルL(3486)
OK(3808)
ユーザーL(3984)
ソルクシーズ(4284)
ブランジスタ(6176)
不二精機(6400)
SEMITE(6626)
一家ダイニン(9266)
杉村倉(9307)


以下は値上がり上位
東証1部
ソルクシーズ(4234)
SBI(8473)
セレス(3696)
スターティア(3393)
レーザーテック(6920)
サイボウズ(4776)
東証2部
杉村倉庫(9307)
アイスタディ〈2345〉
桜島埠(9353)
ジャスダック
レカム(3323)
NaITO(7624)
不二精機(6400)
マザーズ
ブランジスタ(6176)
ユーザーローカル(3984)
グローバルリンク(3486)
一家ダイニング(9266)
じげん(3679)
カナミック(3939)
共通テーマは「ビットコイン(仮想通貨関連)」、「半導体関連」、「カジノ関連」、
「ゲーム」、「居酒屋」、「介護」と市場関係者。


スケジュールを見てみると・・・

5日(金):マネタリーベース、米雇用統計、貿易収支、製造業受注、ISM非製造業景況感、変化日
8日(月):成人の日で求償、米消費者信用残高
9日(火):毎月勤労統計、
10日(水):米輸出入物価
11日(木):景気動向指数、米生産者物価、財政収支、変化日
12日(金):景気ウォッチャー調査、オプションSQ、米消費者物価指数、小売売上高、中国貿易収支

【1月】

1日(月)つみたてNISA開始、休眠預金活用法施行、NY・ロンドン休場
2日(火)満月
3日(水)天王星順行開始
4日(木)大発会
5日(金〉築地などで初セリ、変化日
8日(月)成人の日で休場、北朝鮮金委員長誕生日
9日(火)世界最大の家電見本市「CES」開幕(ラスベガス)
11日(木〉ソニーが家庭用ロボット「aibo」発売、てんや天丼値上げ、変化日、TOPIX浮動株比率の定期見直し
12日(金)SQ
13日(土)北米自動車ショー
15日(月)NY市場休場(キング牧師生誕記念日)
17日(水)米ベージュブック、変化日
20日(土)トランプ大統領就任から1年
22日(月)通常国会招集、日銀金融政策決定会合、都内で「相乗りタクシー」の実証実験、変化日
23日(火)日銀展望レポート、ダヴォス会議(〜26日)
25日(木)ECB理事会、変化日
26日(金)米GDP速報値、大幅安の日
30日(火)トランプ大統領が一般教書演説、FOMC(〜31日)、TOPIX浮動株比率の見直し実施
31日(水〉満月、皆既月食
銀行の預貯金口座にマイナンバー義務付け
楽天が携帯向け電波の取得申請

(兜町カタリスト 櫻井英明)


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