《マーケットストラテジーメモ》6月第5週
26日(月):
週末のNY株式市場で主要3指数は揃って下落。主要3指数は全て週足でマイナス。NASDAQ総合は2019年3月以来最長となる8週連騰がストップ。S&P500種は21年11月以来最長となる5週連騰が止まった。フィラデルフィア半導体(SOX)指数は1.8%安。3市場の合算出来高は159億3000万株と急増した。
日経平均株価は82円安の32698円と3日続落。前週末のNY株安を受けて朝方は売り先行し一時380円安。次第に押し目買いが優勢となり、上げに転じた場面もあったが引けにかけてマイナス転換。TOPIXも続落。東証プライムの売買代金は3兆2603億円。トヨタ、川船が上昇。レーザーテック、丸紅が下落。
27日(火):
週明けのNY株式市場で主要3指数は揃って続落。NYダウは6日続落。米国の利上げ継続観測などからハイテク株の一角に軟調。一方で、このところ下げが目立っていた景気敏感株や消費関連株には値ごろ感からの買いが入り下落幅は限定的だった。キャタピラーやナイキなどが買われ、相場を下支え。一方エヌビディアは4%安。
日経平均株価は160円安の32538円と3日続落。下落幅は一時400円に迫る場面もあった。「今週は月末で四半期末とあって、年金基金などがリバランス(資産の再配分)による売りを出し需給が悪化する」との警戒感が拡大。一方で大幅下落局面では買いが入り、日経平均は下げ渋る場面もあった。東証プライムの売買代金は3兆4387億円。川船、OLCが上昇。三菱商、住友不が下落。
28日(水):
火曜のNY株式市場で主要3指数は揃って反発。NYダウは7日ぶり、NASDAQとS&P500は3日ぶりの反発。耐久財受注や新築一戸建て住宅販売戸数の増加を好感との解釈。というよりは下落からの反転タイミングだったということだろう。
特に日本時間昨日前場に発表されたエヌビディアとスノーフレイクの提携が呼び水となった。「明日の相場は今日の相場の中にある」の好事例だろう。
日経平均株価は655円高の33133円と高値引けで大幅反発。米主要株価指数が上昇。外国為替市場では1ドル=144円近辺まで円安・ドル高が進むなか幅広い銘柄が上昇。
日経平均は後場寄りから上昇幅を拡大。東証プライムの売買代金は3兆9036億円。NTT、野村が上昇。川崎汽、中外薬が下落。
29日(木):
水曜のNY株式市場で主要3指数はマチマチの動き。NASDAQは続伸。NYダウとS&P500種は続落。FRBのパウエル議長が「米国のインフレ率の2%回帰は2025年以降」とコメント。7月FOMCで追加利上げを実施する可能性を否定しなかった。アップルが場中に最高値を付け、終値も2日連続で最高値を更新。テスラ、マイクロソフト、アルファベットが上昇。ネットフリックスは、オッペンハイマーが目標株価を引き上げたことを受けて3%上昇。一方、エヌビディアは1.8%下落。
日経平均株価は40円高の33234円14銭と続伸。前日の米ハイテク株高や為替の円安進行が追い風。6月権利配当落ちを埋めたプラスながらかろうじてという格好。TOPIXは反落。25分割したNTTの売買高は2億6405株。東証プライムの売買代金は3兆8030億円。レーザーテック、アドバンテストが上昇。そーせい、三菱商事が下落。
30日(金):
木曜のNY株式市場で主要3指数はマチマチの動き。NYダウとS&P500は反発。FRBによる2023年の銀行ストレステスト(健全性審査)で大手23行が合格。銀行株が買われた。一連の米指標が底堅い内容となったことで景気後退懸念が和らぎ景気敏感株が買われた。ただ金利が長期間高水準にとどまるとの見方からグロース株の一角は軟調。景気に敏感な小型株で構成されるラッセル2000は1.2%上昇。NASDAQは小幅反落。
日経平均株価は45円安の33189円と反落。朝方は300円以上下落したが後場下落幅を縮小した。東証プライムの売買代金は3兆7961億円。値上がり655銘柄。値下がり1105銘柄。高島屋、ファーストリテが上昇。東エレ、信越化学が下落。
(2) 欧米動向
ポルトガルのシントラでのECBフォーラム。
FRB議長や日銀総裁が参加した。
パウエルFRB議長などは金融引き締め維持とのスタンスでほぼ一致した。
しかし市場ではこれらの発言を疑問視する声もある。
「欧州の成長鈍化が世界的な金利に対する下押し圧力になり得る。
特にドルがアウトパフォームし米金利が比較的高い水準。
米債に資金が流入しやすく米債がますます魅力的な資産クラスになる」という指摘もある。
(3)新興国動向
スイスのシンクタンクが主催する「夏季ダボス会議」が中国・天津市で開催。
中国・李強首相のコメント。
「経済貿易問題の政治化に断固反対し、共同で世界のサプライチェーンの安定を守らねばならない」。
そして今年の目標であるGDP5%前後の成長にも自信を示した。
【展望】
【7月】(6勝4敗:勝率60%)
小幅に稼ぐとき。戻りを売って安値で利食いのこと。
1日(土) 電動キックボード免許不要に。ECB債券購入プログラムの再投資を完了。
2日(日) 中野サンプラザ閉館
3日(月) 日銀短観、路線価、米ISM製造業景況感、中国製造業PMI、テニスウィンブルドン選手権(→16日)
4日(火) マネタリーベース、独立記念日でNY休場
5日(水) 米製造業受注、FOMC議事録
6日(木) 都心オフイス空室率、米ADP雇用レポート、貿易収支、JOLTS求人件数、ISM非製造業景況感、ゴルフ全米女子オープン(→9日)、下げの特異日、変化日
7日(金) 家計調査、景気動向指数、米雇用統計、ETF分配金基準日G7都市相会合(高松→9日)、株安の日、TOPIX10−12月期決算企業浮動株比率見直し発表
10日(月)景気ウオッチャー調査、ETF分配金基準日、米消費者信用残高、中国消費者生産者物価、株安の日L
11日(火)マネーストック、独ZEW景況感、NATO首脳会議(リトアニア→12日)
12日(水)国内企業物価指数、機械受注、米消費者物価、ベージュブック、変化日
13日(木)米生産者物価、財政収支、中国貿易収支
14日(金)オプションSQ、米輸出入物価、ミシガン大学消費者信頼感、水泳世界選手権(福岡→30日)
17日(月)海の日で休場、米NY連銀製造業景況感、中国各種経済指標
18日(火)第3次産業活動指数、米小売売上高、鉱工業生産、NAHB住宅価格指数、
NY連銀ビジネスリーダーサーベイ、株安の日、変化日
19日(水)羽田空港第2ターミナル国際線再開、米住宅着工、芥川賞・直木賞発表、
イスレムのヒジュラ暦新年
20日(木)貿易統計、首都圏マンション販売、米中古住宅販売、フィラデルフィア連銀製造業景況感、ゴルフ全英オープン(ロイヤルリバプール→23日)、サッカー女子ワールドカップ(豪州、ニュージーランド→8月20日)
21日(金)消費者物価、米ウィッチング 株高の日
23日(日)スペイン総選挙、群馬県知事選投開票、金星逆行(→9月4日)
24日(月)米S&P製造業PMI、水星逆行(→9月16日)
25日(火)米FOMC(→26日)、S&P住宅指数、CB消費者信頼感、独IFO景況感
26日(水)企業向けサービス価格指数、米パウエルFRB議長会見、新築住宅販売、下げの特異日
27日(木)日銀金融政策決定会合(→28日)、米GDP速報値、耐久財受注、ECB理事会、株安の日、変化日
28日(金)植田日銀総裁会見、日銀展望レポート、東京都区部消費者物価、米個人所得、TOPIX、東証REIT指数パッシブ売買インパクト
31日(月)鉱工業生産、商業動態統計、消費動向調査、中国製造業非製造業PMI、ユーロ圏GDP速報値
月内IMF世界経済見通し
(兜町カタリスト 櫻井英明)