コラム
英明コラム 7月第3週 マーケットストラテジーメモ
「英明コラム 7月第3週 マーケットストラテジーメモ」


《マーケットストラテジーメモ一覧へ》


coulumn_06.jpg
《マーケットストラテジーメモ》7月3週

《マーケットストラテジーメモ》 7月第3週
 
【推移】
 
16日(火):
週末のNY株式市場は上昇。NYダウなど主要株価指数が終値でそろって最高値を更新。NYダウは27000ドル台。S&P500は終値ベースで初の3000ポイント台乗せ。背景は根強い利下げ観測。週間ベースではNYダウは1.5%高、3週続伸。NASDAQは1.0%高、3週続伸。S&P500は0.8%高、3週続伸。
 
週明けのNY株式市場は小幅に続伸。NYダウは27ドル高の27359ドルトと4日続伸。3日続けて過去最高値を更新した。NASDAQは14ポイント高の8258ポイントと続伸。連日の過去最高値更新。S&P500は5日続伸し3日連続の過去最高値更新。
4-6月期の中国GDPは実質年率換算で前年同期比6.2%成長。四半期ベースで公表を始めた1992年以降で最低となったが影響薄。
 
日経平均株価は150円安の21535円と3日ぶりの反落。米利下げ観測が円高ドル安につながって売り物優勢の展開に。NYの主要3指数の過去最高値更新は全く関係なし。東証一部の売買代金は10日連続の2兆円割れ。決済期間の短縮の影響を見極めるために一部の投資家が売買見送り姿勢だったとの珍妙な解釈もある。トヨタ、森永が上昇。ファナック、ソニーが下落。
 
17日(水):
NY株式市場は反落。第2四半期決算を発表したJPモルガン・チェースとウェルズ・ファーゴは利益が予想を上回った。ただ「一連の銀行大手の四半期決算を受け、金利低下による業績への影響が意識された」との解釈。
トランプ大統領は「中国との通商合意に向けた道のりはなお長い。必要なら新たに3250億ドル相当の中国製品に関税を課す可能性がある」とコメント。これも株価圧迫要因となった。
 
日経平均株価は66円銭安の21469円と続落。下落幅は一時150円超まで拡大したが引けにかけて下落幅を縮小した。東証一部の売買代金は11日連続の2兆円割れ。ソニー、アスクルが上昇。SBG、ファーストリテが下落。「参院選の結果が気になる、決済期間短縮の影響が気になる、長梅雨・冷夏の影響が気になる」。相変わらず「気になる症候群」満載だ。
 
18日(木):
NY株式市場は続落。鉄道輸送大手CSXの冴えない決算を悪材料視。「米中貿易摩擦が米企業業績に悪影響を及ぼすとの懸念が高まった」との解釈でユニオン・パシフィックも6.1%安。ダウ輸送株指数の3%近い下落の背景となった。
 
日経平均株価は422円安の21046円と大幅に3日続落。日足は4日連続陰線。下落幅は令和最大で3月25日以来約4カ月ぶりの大きさ。欧米株安を受け朝方から売りが先行。午前10時すぎから下落幅を拡大。時間外取引での米株価指数先物が下落。上海市場も3日続落と海外市場もさえない動きで手控えムードが拡大。大引け間際に475円安の20993円と安値を付け取引時間中としては6月18日以来、1カ月ぶりに心理的なフシ目の2万1000円を割り込んだことになる。
東証1部の売買代金は2兆1777億円で7月1日以来12日ぶりの2兆円超え。ブレーキ、イオンファンが上昇。キャノン、パソナが下落。空売り比率は51.2%で88日連続40%超。直近での最大値を更新した。
 
19日(金):
NY株式市場は小反発。ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁が「金利がゼロ近辺にある場合でも低インフレに対応するため早期に刺激策を打つ必要がある。景気が悪化するまで待つべきではない」とコメント。
月末の利下げ観測が強まったとの解釈となった。下落していた株式市場はこの発言でプラ転。フィラデルフィア連銀業況指数が21.8と1年ぶりの高水準。市場予想の5.0を大幅に上回った。ドルは対円で一時107.210円と3週間ぶりの安値を記録。
 
日経平均株価は420円高の21466円と4日ぶりの大幅反発。「下げなきゃ株は上がらない」の格好となった。木曜の下落はほぼ帳消し。海外ヘッジファンドの買いという根拠なき推論が聞こえた。TOPIXは5日ぶりの反発。東証一部の売買代金は1兆9189億円と2兆円割れ。デンソー、フィルムが上昇。ファーストリテ、東芝が下落。
 
(2) 欧米動向
 
地区連銀経済報告(ベージュブック)では「通商問題が輸送企業や製造業への重しとなっている」との指摘。
ただ「米経済が過去数週間、引き続き緩やかに拡大。貿易摩擦による影響にかかわらず全般的な見通しはおおむね明るい」という認識だ。
IMFが年次の「対外部門の安定性に関する報告書」を公表。
「ドルについて短期のファンダメンタルズに基づき6─12%過大評価」とのコメント。
 
(3)アジア・新興国動向
 
先週の世界の株式相場は主要25の株価指数のうち13指数が上昇。
 
上位1位トルコ週間騰落率4.89%、2位南アフリカ1.79%、3位スイス1.78%、
4位フィリピン1.58%、5位インドネシア1.31%。
下位25位ロシア▲2.68%、24位メキシコ▲2.44%、23位イタリア▲2.44%、
22位インド▲1.03%、21位日本▲1.01%、19位米国▲0.65%。
 
【展望】
 
スケジュールを見てみると・・・
 
22日(月):コンビニ売上高、米シカゴ連銀全米活動指数、上海市場での「科創板」取引再開
23日(火):百貨店売上高、米中古住宅販売、FHFA住宅価格指数
24日(水):東京五輪まであと1年、米新築住宅販売件数
25日(木) :企業向けサービス価格指数、米耐久財受注、製造業受注、ECB理事会(ドラギ総裁会見)、独IFO景況感
26日(金):米4→6月期GDP速報値、変化日、鬼宿日
 
水曜日経マーケット面では「1→6月期に日経平均(6%)をアウトパフォームした投信の運用担当者」へのヒアリング。
結論は「世界景気が減速する懸念がある中で独自技術やサービスを武器に成長を維持できる企業への選別投資が進む」。
各論では・・・。
秋に2万円割れの可能性もありそうだ。
夏にはいったん22000円台前半まで高くなる場面もありそう。
本格的な上昇が見込めるのは年末。23000円をメドに上値を追いそうだ。
あるいは・・・。
年末にかけては19000円→23500円で推移。
企業業績の下振れ懸念が高まれば10月前に2万円割れの可能性もある。
年末にかけて25000円を試す可能性もある。
などなど。
天底を当てるのは難しい。

(兜町カタリスト 櫻井英明)

戻る
 
サイトTOPへ

株式投資は全て自己責任でお願いします。このサイトの情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。当サイトの掲載事項において損失をされた場合も当方は一切の責任を負いかねます。

(C)ilogos / Eimei.tv