《マーケットストラテジーメモ》05月 第1週
30日(火):
週明けのNY株式市場で主要3指数は揃って続伸。テスラが15.3%上昇した。中国での自動運転ソフトウエア展開に向けた規制上の重要なハードルをクリアしたことを好感。アップルが2.5%高。オープンAIの人工知能(AI)技術利用について協議を再開したとの報道を好感。バーンスタインは同社の投資判断を「アウトパフォーム」に引き上げた。
日経平均株価は470円高の38405円と続伸。上昇幅は一時600円を超えた。連休中に円相場は乱高下。再び157円台まで下落するなど、円の先安観は根強かった。東証プライムの売買代金は5兆6678億円。東エレ、日立が上昇。アドテスト、日東電が下落。EPSが低下し、PER17倍台。
1日(水):
火曜のNY株式市場で主要3指数は揃って3日ぶりの大幅反落。FOMCの結果発表を翌日に控えての売り物優勢の展開。1─3月期の米雇用コスト指数は前期比1.2%上昇。市場予想は1.0%上昇だった。4月の消費者信頼感も低下し、約1年半ぶり低水準。巨大テック7社「マグニフィセント・セブン」の大半が下落。
日経平均株価は131円安の38274円と3日ぶりに反落。幅広い銘柄に売りが出た格好。ただ、売り一巡後は株価指数先物に買い戻しが入り、上昇に転じる場面もあった。東証プライムの売買代金は4兆7091億円。レーザーテク、双日が上昇。日揮、川崎汽が下落。日足は3日連続で陽線。
2日(木):
水曜のNY株式市場で主要3指数はマチマチの展開。FOMCは予想通り金利を据え置きで通過。次の動きは利下げになる可能性が高いことを示唆。パウエル議長は「利上げが間近に迫っている」との見方を否定した。AMDが9.0%下落。フィラデルフィア半導体指数(SOX)は3.5%下落。スターバックスは売上高見通しの下方修正を受けて15.9%下落。アマゾンは2.2%上昇。クアルコムが時間外取引で上昇。
日経平均株価は37円安の38236円と反落。米株式市場で米ハイテク株が下落した流れを引き継いだ売りが先行。朝方に下落幅は300円を超え一時38000円を下回る場面があった。その後は小幅ながら上げに転じた場面もあったが結局小幅に続落。東証プライムの売買代金は4兆2061億円。Jフロント、関西電が上昇。TDK、サイバーが下落。
(2)欧米動向
4月のISM製造業景気指数は49.2。
3月の50.3から低下した。
市場予想はほぼ横ばいの50だった。
ADP全米雇用報告で民間部門雇用者数の増加数が19万2000人。
市場予想の17万5000人を上回った。
3月分は20万8000人増と、当初発表の18万4000人増から上方修正。
3月の雇用動態調査(JOLTS)で求人件数は32万5000件減の848万8000件。
2021年2月以来約3年ぶりの低水準となった。
市場予想は868万6000件だった。
(3)新興国動向
5月4日日本経済新聞朝刊では「中国企業、5年ぶり減益」の報道。
上場約5200社の2023年12月の純利益は前々期比3%減だった。
背景は不動産不況の影響が鉄鋼や建材などに波及したことだという。
(兜町カタリスト 櫻井英明)