《マーケットストラテジーメモ》11月週第3週
13(月):
週末のNY株式市場で主要3指数は揃って大幅反発。ナスダック総合は2%超の上昇で1日としては5月26日以来の大幅高。S&P500も終値としては9月19日以来の高値。エヌビディアが3%高、メタが2.6%高、マイクロソフトが2.5%高。週間ではNYダウが0.7%高、S&Pが1.3%高、ナスダック総合が2.4%高。ドル円は151円台半ば。
日経平均株価は17円高の32585円と小幅反発。一時上昇幅は300円を越えた場面があった。33000円の壁に跳ね返された格好。東証プライムの売買代金は3兆7410億円。三井金、アサヒが上昇。資生堂、ニトリが下落。
14日(火):
週明けのNY株式市場で主要3指数はCPI待ちで方向感のない展開。ボーイングが4%上昇。NYダウの上昇要因となった。テスラは4%超上昇。一方アップルやマイクロソフトは下落。
日経平均株価は110円高の32685円と続伸。NYダウの上昇と円安基調が支えだったが上値を追う動きは限られた。東証プライムの売買代金は3兆5448億円。みずほFG、東エレが上昇。セコム、リクルートが下落。SQ値32454円に対して2勝。空売り比率は38.9%と22日ぶりに40%割れ。
15日(水):
火曜のNY株式市場で主要3指数は大幅上昇。S&P500とナスダック総合は2%程度上昇し4月27日以来の大幅な上昇率。小型株で構成するラッセル2000指数は5.4%高。10月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比3.2%上昇。伸びは前月の3.7%から縮小。市場予想の3.3%も下回った。
日経平均株価は823円高の33519円と大幅続伸。「前日の米市場で長期金利が大幅に低下し、株式の相対的な割高感が薄れた」との珍妙な解釈。7ー9月期の国内総生産(GDP)速報値は、物価変動の影響を除く実質で前期比年率2.1%減。3四半期ぶりのマイナス成長となり、国内長期金利が一時低下したことも株式相場の支えとなった。東証プライムの売買代金は4兆6357億円。出光興産、テルモが上昇。電通グループ、丸井Gが下落。日経平均採用銘柄のEPSは2257円と過去最高を更新。
16日(木):
水曜のNY株式市場で主要3指数は続伸。卸売物価指数(PPI)統計を受けFRBの利上げが終了した可能性があるとの見方が強まった。ターゲットの第4四半期利益見通しがアナリスト予想を上回ったことを受けて17.8%急伸。2019年8月以来の大幅な上昇率を記録。メーシーズやコールズなど他の小売株も買われた。
米下院が政府機関閉鎖回避のためのつなぎ予算案を可決したことも好材料視された。
日経平均株価は95円安の33424円と4日ぶりに反落。「短期的な過熱感を意識した売りが優勢」との解釈。一時下落幅は200円を超えたが下落幅は限定的だった。東証プライムの売買代金は3兆7183億円。リクルート、三菱UFJが上昇。アドテスト。東エレが下落。
17日(金):
木曜のNY株式市場で主要3指数はマチマチ。シスコシステムズやウォルマートが軟調。10月の鉱工業生産指数で製造業の生産指数は0.7%低下。市場予想(0.3%低下)を超えて低下した。フィラデルフィア地区連銀製造業業況指数はマイナス5.9。10月のマイナス9.0から改善した。
日経平均株価は160円高の33585円と小幅反発。年初来高値まであと300円の水準に位置しており高値警戒感が漂ったがプラス転換した。7月4日(33753円)以来の高値水準。東証プライムの売買代金は3兆7192億円。信越化、日立が上昇。ファーストリテ、資生堂が下落。
(2) 欧米動向
米財務省が16日公表した9月の対米証券投資統計。
海外勢の米国債保有額は7兆6050億ドル。
前月の7兆7070億ドルから減少した。
4カ月ぶりの減少となり、5月以来の低水準となった。
ただ、前年同期の7兆2520億ドルからは増加した。
日本の保有額は1兆0880億ドル。
前月の1兆1160億ドルから減少。
引き続き最大の保有国であることに変わりはない。
中国の保有額は7781億ドル。
2009年以来最低水準となった。
(3)新興国動向
週末の香港株式市場は続落。アリババ・グループ・ホールディングの10%急落が背景。
中国株式市場は方向感に欠ける展開。
週間ではハンセン指数が1.5%高、CSI300指数が0.5%安。
「米中首脳会談に失望感が広がった」という声もある。
【展望】
【11月】(過去10年は9勝1敗、勝率90%)
押し目買い人気と戻り売り人気の競合から下旬安。
アノマリーは「11月は中間決算ラッシュで大化け銘柄多数出現」。
20日(月)変化日
21日(火)景気先行指数、株高の日L
22日(水)米中古住宅販売、中古住宅販売件数、耐久財受注、株高の日L、11月最強の日
23日(木)勤労感謝の日で東京休場 、米感謝祭
24日(金)全国消費者物価、米製造業PMI、サービス業PMI、コンポジットPMI。
ブラックフライデー、独IFO景況感 株安の日L
27日(月)11月最終日を含む週は株高アノマリー、米新規住宅販売、サイバーマンデー
28日(火)ケースシラー住宅価格、株高の日L
29日(水)国際ロボット展(ビッグサイト→12月2日)、CCB消費者信頼感、実質GDP改定値、株高の日L
30日(木)鉱工業生産、住宅着工件数、米ベージュブック、個人所得、PCEデフレーター、シカゴ購買部協会景気指数、COP28(UAE→12月12日)、変化日、MSCI日本株パッシブ売買インパクト
(兜町カタリスト 櫻井英明)