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英明コラム 3月第2週 マーケットストラテジーメモ
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《マーケットストラテジーメモ》3月第2週


6日(月):
週末のNY株式市場で主要3指数は揃って1%超の大幅高。NASDAQは2%近く上昇した。FRBが金利高政策を予想以上に長期的に維持するとの見方が後退。国債利回りの低下が追い風になった。週間では3指数とも上昇。S&P総合500が4週間ぶりの上昇。50日移動平均線と200日移動平均線を上抜けた。NYダウは週間で1月下旬以来の上昇。ISM非製造業総合指数(NMI)は55.1と1月の55.2からわずかに低下。新規受注と雇用が1年超ぶりの高水準となった。
 
日経平均株価は310円高の28237円と続伸。前週末の米株式相場昇を受けて、グロース(成長)株をはじめとして幅広く買い物優勢の展開。昨年12月15日以来約2カ月半ぶりに28000円台を回復した。東証プライムの売買代金は2兆7449億円。ソニー、SBGが上昇。出光興産、コンコルディアが下落。ボリンジャーのプラス3σ(28180円)を上抜けた。
 
7日(火):
週明けのNY株式市場で主要3指数はマチマチの動き。NYダウは4日続伸。S&P500は小幅続伸。GSが「買い」としたアップルが一時3%超上昇し相場を支えた。ただパウエルFRB議長の議会証言を控えて様子見ムードが強かった。NASDAQ総合株価指数は3日ぶりに反落。1月の製造業新規受注は前月比1.6%減少。
 
日経平均株価は71円高の28309と3日続伸。先高観を背景にした断続的な買いが株価指数先物に入り、相場を押し上げた。TOPIXも上昇。2022年1月5日に付けた昨年来高値(2039)を上回った。東証プライムの売買代金は2兆7872億円。神戸鋼、オークマが上昇。日清粉G、三菱重が下落。
 
8日(水):
火曜のNY株式市場で主要3指数は揃って1%超の下落。NYダウが1.7%安、S&P500が1.5%安、NASDAQが1.3%下落。背景はパウエルFRB議長の議会証言。「インフレ抑制に向けてより強い措置が必要であることがデータで示されれば、利上げのペースを加速する用意がある」。
 
これを受けて今月のFOMCで0.5%利上げ観測が高まった。短期金利先物市場が織り込む0.50%利上げ確率は70%超。前日の約31%から上昇した。2年債利回りが10年債利回りを上回る「逆イールド」が加速。マイナス幅は一時0.105%と1981年以来40年超ぶりの水準に拡大。10年国債利回りは3.969%。2年国債利回りは5.014%。2007年7月以降初めて5%台に上昇した。ドル円は137円台前半。
 
日経平均株価は136円高の28444円と4日続伸。前日の米株安を引き継ぎ、朝方は売りが先行。円安・ドル高が進んでいることが背景のほどなく上昇に転じた。東証プライムの売買代金は2兆7202億円。ファストリテ、高島屋が上昇。住友鉱、日産自が下落。
 
9日(木):
水曜のNY株式市場で主要3指数はマチマチの動きながら下げ止まり。テスラが下落。バークシャー・ハザウェイ株式保有比率を22.2%に引き上げたことが材料。地区連銀経済報告(ベージュブック)は「2023年初に全体的な経済活動はわずかに増加した」。「インフレ圧力は引き続き広範囲に及んでいるが、多くの地区で緩やかになった」と指摘。2年国債と10年国債のイールドギャップはマイナス0.109%。1981年以来最も大きくなった。
 
日経平均株価178円高の28623円と5日続伸。2022年8月26日以来約6カ月半ぶりの高値水準を回復した。TOPIXは5日続伸。21年9月28日以来、およそ1年5カ月ぶりの高値で終えた。東証プライムの売買代金は2兆8807億円。アドテスト、信越化が上昇。ファストリ、東レが下落。
 
10日(金):
木曜のNY株式市場で主要3指数は揃って大幅下落。NASDAQ総合が2%超、S&P500とNYダウも2%近い下落。「雇用統計発表を翌日に控え、大幅な賃金上昇でインフレ懸念が高まるとの警戒感が強かった」との解釈。バイデン米大統領東部ペンシルベニア州を訪問し2024会計年度の予算教書を発表した。歳出総額は6兆8000億ドルに増加する見込み。中国に対抗するためインド太平洋地域の経済強化やパートナー国支援に向け20億ドルの支出要求が盛り込まれた。ロシアによるウクライナ侵攻などを踏まえ、国防費も増額。年収40万ドル以上の富裕層に対する増税。
 
日経平均株価は479円安の28143円と6日ぶりに反落。SQ値28377万円は一時上回った場面があった。東証プライムの売買代金は4兆1566億円。積水ハウス、大日印昇が上昇。セブンアイ、ソニーが下落。
 
(2) 欧米動向
 
BofAセキュリティーズの7付の顧客フローリポート.
同社の顧客は先週(2月17日〜3月3日)の1週間に米株を7億1000万ドル買い越した。
4週ぶりに買い越しに転じた。
主体別動向ではヘッジファンドが10億5800万ドル買い越し。
4週ぶりに買い越しに転じた。
機関投資家は8億8600万ドル買い越。
週ぶりに買い越しとなった。
個人投資家は15億7600万ドルの売り越し。
2週続けて売り越しだった。
企業の自社株買いは11億4100万ドル。
S&P500の時価総額に占める自社株買い額は年初来で0.444%。
昨年同時点(0.049%)に引き続き肉薄。
「自社株買いは過去5週間、典型的な季節的傾向を下回っている。
新たな自社株買いの発表は少ない」という。
 
(3)新興国動向
 
週末の中国・香港株式市場は大幅続落。
上海総合指数終値は46.0171ポイント(1.40%)安の3230.0766。
週間では2.95%下落し2カ月超ぶりの下げ幅となった。
ハンセン指数終値は605.82ポイント(3.04%)安の19319.92。
11週間ぶりの安値を記録した。
週間では6%安と約4カ月ぶりの大幅な下落。
 
 
【展望】
 
【3月】(5勝5敗:勝率50%:7位)《後半高》
戻りはただちに売り直せ。月末小高い。
 
12日(日)米夏時間入り
13日(月)法人企業景気予測調査、マスクは個人の判断に方針変更、中国全人代閉幕株安の日、変化日
14日(火)米消費者物価
15日(水)訪日外客数、春闘集中回答日、米小売売上高、生産者物価、NY連銀製造業景気指数、対米証券投資、NAHB住宅価格、国際貿易委員会(対中追加関税による影響報告書、中国各種経済指標、株高の日、3月最強の日
16日(木)貿易収支、機械受注、首都圏マンション販売、日韓首脳会談、米輸出入物価、住宅着工件数、NY連銀ビジネスリーダーズサーベイ、フィラデルフィア連銀製造業景況感、ECB理事会、3月最弱の日
17日(金)第三次産業活動指数、米クァドラプル・ウィッチング、鉱工業生産、 ミシガン大学消費者信頼感、FTSE日本指数指半期リバランス発表
18日(土)東急・相鉄が新横浜駅開業、オフピーク定期券導入
20日(月)日銀副総裁就任予定、上げの特異日、FTSE半期リバランス実施
21日(火)春分の日で休場、米FOMC(→22日)、中古住宅販売、独ZEW景況感、
22日(水)パウエルFRB議長会見、フィギアスケート世界選手権(さいたまス─パーアリーナ→26日)、バンコク国際モーターショー、ラマダン入り(→4月21日頃)、株高の日L
23日(木)熊本空港新ターミナル開業、EU首脳会議(ブリュッセル→24日)、変化日
24日(金)消費者物価、米耐久財受注
26日(日)欧州が夏時間入り
27日(月)企業向けサービス価格指数、文化庁京都へ移転、パスポート更新の電子化開始、独IFO景況感、3月最弱の日
28日(火)米CB消費者信頼感、S&P住宅価格指数、FHFA住宅価格指数
29日(水)3月権利付き最終日、米中古住宅販売仮契約、株安の日L
30日(木)プロ野球開幕、米GDP確定値、変化日
31日(金)東京都区部消費者物価、失業率、鉱工業生産、商業動態統計、米個人所得、中国各種PMI、株安の日


(兜町カタリスト 櫻井英明)

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