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英明コラム 10月第3週 マーケットストラテジーメモ
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《マーケットストラテジーメモ》10月 第3週
 
15日(火):
週末のNY株式市場で主要3指数は揃って反発。S&P500とNYダウは終値ベースの過去最高値を更新。銀行大手の堅調な四半期決算が追い風。週明けのNY株式市場で主要3指数は揃って続伸。債券市場が休場で市場参加者が少なく薄商い。3市場の売買高は95,5億株(過去20日平均120,5億株)。エヌビディアが2.4%上昇して終値として最高値を更新。SOX指数も1.8%上昇して2カ月ぶりの高値水準。
 
日経平均株価は304円高の3万9910円と4日続伸。取引時間中には7月19日以来およそ3カ月ぶりに4万円台をつける場面があった。9月27日の直近高値(39829円)も上回って推移。ただ上昇幅を600円超まで拡大した後は伸び悩み、プラス水準ながら安値引けとなった。日経平均の25日移動平均からの上方乖離は「買われすぎ」を示す5%を超える場面があり、短期的な過熱感も意識されやすかった。東証プライムの売買代金は4兆4380億円。三菱UFJ、東京海上が上昇ENEOS、INPEXが下落。
 
16日(水):
火曜のNY株式市場で主要3指数は揃って3日ぶりに反落。ハイテク株中心のナスダック総合が下落を主導。需要低迷への懸念から半導体株が軟調。原油価格の下落に伴いエネルギー株も下落。「結局は週末の水準に戻っただけ」という声も聞こえる。前日終値で過去最高値を記録したエヌビディアは4.7%安。蘭ASMLが低調な売上高見通しを示し半導体株に売りが拡大。ASMLの米上場株は16%安。フィラデルフィア半導体指数(SOX)は5.3%安。9月初旬以来最大の下げとなった。
 
日経平均株価は730円安の3万9180と大幅反落。朝方に一時850円ほど下げて3万9000円に接近。東エレクは下落率が10%に達する場面もあった。東証プライムの売買代金は3兆9155億円。フジクラ、大林組が上昇。ファストリ、TDKが下落。
 
17日(木):
水曜のNY株式市場で主要3指数は揃って反発。NYダウは過去最高値を更新した。小型株の上昇と銀行大手の好業績が追い風。「投資家は大手ハイテク企業から大手金融へと資金をシフトしている」との見方だ。モルガン・スタンレーが6.5%高。第3四半期決算は投資銀行部門が好調で利益が予想を上回ったことを好感。ラッセル2000指数は1.6%、S&P小型株指数は1.4%と上昇。2021年11月以来の高値水準。
 
日経平均株価は269円安の3万8911円と安値引けで続落。日経平均が3万9000円を終値で下回るのは8日以来およそ1週間ぶり。TSMCが発表した7-9月期決算は生成AI向け先端半導体の販売が好調で良好な内容だった。ただ市場では織り込み済みとの見方も多く、積極的に買い材料視する動きは限られた。東証プライムの売買代金は3兆7538億円。トヨタ、三菱UFJが上昇。ディスコ、フジクラが下落。
 
18日(金):
木曜のNY株式市場で主要3指数はマチマチの展開。NYダウは続伸。過去5営業日のうち4営業日で終値ベースの過去最高値を更新。「半導体が復活し、金融セクターは決算好感」の格好。TSMCの米上場株は9.8%高と急伸。エヌビディアが0.9%上昇。フィラデルフィア半導体株指数(SOX)は1%高。
 
日経平均株価は70円高の3万8981円と3日ぶりに反発。もっとも、アドテストやレーザーテクなど半導体関連の一角は前日に続き売りもの優勢。上値を追う雰囲気は乏しかった。後場は下落した場面もあった。日足は8日連続の陰線。2019年12月16日―25日(8日連続)以来の長さ。東証プライムの売買代金は3兆6276億円。ファストリ、ディスコが上昇。TDK、村田製が下落。
 
(2)欧米動向
 
9月の米小売売上高(季節調整済み)は前月比0.4%増。
市場予想の0.3%増を若干上回った。
「ガソリン価格の下で消費者が飲食店での支出を増やした」との観測。
9月の鉱工業生産指数(季節調整済み)は前月比0.3%低下。
「ボーイングのストライキや大型ハリケーンに相次いで襲われたことが響いた」との解釈。
市場予想は0.2%低下だった。
 
(3)新興国動向
 
週末の上海・香港市場は堅調。
GDPなどの中国経済指標はまちまちな内容だったが、中国人民銀行(中央銀行)の資本市場支援を巡る発表が支援した。
人民銀と証券監督当局は10月16日に銀行や証券、ファンド会社との会合を開催。
UBSは「当局が投資家心理の悪化を十分認識していることを改めて示唆した」とコメント。
 
 


(兜町カタリスト 櫻井英明)

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