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英明コラム 7月第3週 マーケットストラテジーメモ
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《マーケットストラテジーメモ》 7月 第3週
 
19日(月):
週末のNY株式市場で主要3指数は揃って下落。アマゾンやアップルなどのハイテク大手の下げが相場を圧迫した。
背景は「新型コロナ変異ウイルスデルタ株の拡大」という解釈。「コロナが昨夏以来初めて、相場に影響し始めている」という見方だ。クルーズ船運航大手カーニバルとノルウェージャン・クルーズ・ラインは約5%下落。アマゾンとアップルは1%超下落。エヌビディアが4.2%安。
一方、医薬品モデルナは10.3%高で最高値を更新。21日からS&P構成銘柄に採用される予定。
 
日経平均株価は350円安の27652円と4日続落。28000円を下回り、5月13日(27448円)以来約2カ月ぶりの安値水準。下落幅は一時500円を超えた場面があった。東証1部の売買代金は2兆666億円と66日以来の低水準。東証1部の値上がり217銘柄、値下がり1912銘柄。エーザイ、バンナムが上昇。昭電工、荏原が下落。
 
20日(火):
週明けのNY株式市場で主要3指数は揃って続落。背景は新型コロナウイルスのデルタ変異株の感染拡大。米疾病対策センター(CDC)によると米国の1日あたりの新規感染者数は前週末に3万人(7日平均)に迫った。1万人台で推移した6月から増加基調。「飲食店の営業制限の再導入や学校再開の遅れなどの可能性が意識された」という見方だ。
 
NYダウの下落率は昨年10月以降で最大。NASDAQとS&P500の下落率は5月中旬以来で最大となった。ただ引け際には買いが入り安値引けとはならなった。
VIX(恐怖)指数は4.1ポイント上昇の22.50と3月下旬以来の高水準。終値ベースで2カ月ぶりの高水準となった。合算売買高は120.2億株(前日93億株、過去20日平均は101.7億株)。
 
日経平均株価は264円安の27388円と昨年10月5日以来の5日続落55日続落は今年初。1月6日以来の安値水準となった。NY株安に4連休控えで売り物優勢の展開東証一部の売買代金は2兆3941億円。キャノン、キッコーマンが上昇。ファナック、ファーストリテが下落。
 
 
21日(水):
火曜のNY株式市場で主要3指数は揃って反発。前日とは一転して「企業の好決算と景気を巡る楽観的な見方が再び強まった」との解釈。NYダウが上昇の中核となり主要株価3指数がいずれも1%超の上昇。S&P500は4日ぶりに反発し3月以来の大幅な上昇率となった。NASDAQは6日ぶりの反発。
石油サービス会社ハリバートンが3.7%高。21日からS&P500構成銘柄に採用されるモデルナは2%下落。7─9月期の契約件数の増加見通しが市場予想を下回った ネットフリックスは時間外取引で3%超下落。
 
日経平均株価は159円高の27548円ちょうどと6日ぶりに反発、4連休控えの割には後場しっかりとした格好。東証一部の売買代金は2兆1486億円。エレ、信越が上昇。キャノン、エーザイが下落。週間では455円下落。週足は4週連続で陰線。高値は27882円だったので週末→月曜のマドは埋めた。
 
22日(木):
水曜のNY株式市場で主要3指数は揃って続伸。いずれも終値ベースの過去最高値まであと1%弱に迫った。「好決算および市場の回復と新型コロナウイルスに起因する経済鈍化懸念との間のシーソー。
ただ良好な業績見通しが発表されておりデルタによる影響は対応可能」との見方。メキシコ料理チェーン大手のチポトレ・メキシカン・グリルは11.5%上昇。S&P500構成銘柄で上昇率トップとなった。四半期連続の赤字となったユナイテッド航空は売上高の前年同期比4倍を好感。3.8%上昇した。売上高および利益の通期予想を上方修正したコカ・コーラは1.3%高。2021年の売上高予想を上方修正したJ&Jは0.6%上昇。合算出来高は91億3000万株と低下。東京市場は海の日で休場。
 
 
23日(金):
木曜のNY株式市場で主要3指数は揃って3日続伸。マイクロソフト、アマゾン、アップル、フェイスブック、アルファベットが軒並み上昇。グロース株は0.8%高。
 
一方、バリュー株は0.5%安。「経済成長はほぼピークに達した。ハイテクのように自ら成長する株を買う必要があるという見方。経済成長が続くので循環・バリュー株を買うべきだという見方。
この間で市場は揺れ動いている」という見方だ。通期売上高予想を上方修正したインテルは時間外取引で1%強下落。週間失業保険申請件数(季節調整済み)は前週比5万1000件増の41万9000件。予想外に増加し、5月半ば以来約2カ月ぶりの高水準。「新型コロナウイルスのデルタ変異株の感染が拡大する中、労働市場が依然危機を脱していない」との解釈だ。東京市場はスポーツの日で休場。
 
(2) 欧米動向
 
6月の小売売上高(季節調整済み)は、前月比0.6%増加。
市場予想の0.4%減に反して増加した。
消費が引き続きサービスにシフトする中、モノの売り上げも底堅かった。
ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)は80.8。
6月確報値の85.5から大幅に低下し2月以来5カ月ぶりの低水準。
 
(3)新興国動向
 
上海証券取引所は8月16日に「SSEスター(STAR)次世代IT指数」を導入。
ハイテク企業専門市場「科創板」に上場する次世代IT企業50銘柄で構成。
新指数に選ばれる50銘柄は、インターネットやクラウドコンピューティング、ビッグデータのサービスや人工知能(AI)など幅広い領域をカバーするという。
 
 
【展望】
 
スケジュールをみてみると・・・。
 
【7月】6勝4敗、(勝率60%、7位)
    気学では「初め高く中旬に安値をつけるも、月末は高し」
 
26日(月)製造業・サービス業PMI、米新築住宅販売、独IFO景況感、下げの特異日
27日(火)企業向けサービス価格指数、米FOMC(→28日)、耐久財受注、S&P住宅価格指数、CB消費者信頼感、株安の日、変化日
29日(木)米GDP速報値、中古住宅販売仮契約、上げの特異日
30日(金)失業率、鉱工業生産、米個人所得、株高の日L
31日(土)中国製造業・非製造業PMI
 
1984年ロスからリオまで9回。
開催期間中の当事国の株価は7勝2敗。
負けは北京(▲11.5%とシドニー(▲1,3%)だったという。
2000年はITバブル崩壊、2008年はリーマンショック。
リオは盛り上がらなかったが△0.3%。
NYダウは2008年△1.7%、2000年▲4%。
開催期間中平均は・・・
当事国△0.4%
NYダウは△1.57%
 
因みに・・・
開催前、とくに開催までの1か月間の株価。
騰落率を平均してみると▲1.9%。
「直前の株価は弱含む」というのもアノマリーだ。


(兜町カタリスト 櫻井英明)

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