《マーケットストラテジーメモ》08月第3週
12日(火):
週末のNY株式市場で主要3指数は揃って上昇。「FRBの新人事構想を背景に年内の利下げ期待が高まりハイテク株が上昇」との解釈。ナスダック総合は2日連続で過去最高値を更新。週間ではS&Pが2.4%、NYダウが1.3%、ナスダック総合が3.9%上昇。アップルが4.2%高。製薬のギリアド・サイエンシズが8.3%高。週明けのNY株式市場で主要3指数は揃って反落。
エヌビディアとAMDが不安定な値動きで、それぞれ0.35%、0.28%下落。両社はAI半導体の中国向け販売から得る売上高の15%を米政府に支払うことに同意した報道。またトランプ大統領は中国に課す関税措置の一部停止措置を90日間延長する大統領令に署名。
延長されなければ米国が中国製品に課す関税率は145%、中国が米国製品に課す関税率は125%に引き上げられていた。マイクロン・テクノロジーが4%上昇。インテルは3.5%上昇。
大引けの日経平均株価は897円高の4万2718円と5日続伸。過去最高値を1年1カ月ぶりに更新。上昇幅は一時1100円を超えた。TOPIXも5日続伸,終値は42ポイント高の3066と過去最高値を連日で更新。東証プライムの売買代金は6兆8640億円,SBG、アドテストが上昇。ニトリ、セブンアイが下落、
13日(水):
火曜のNY株式市場で主要3指数は揃って1%超反発。ナスダック総合とS&P500は過去最高値を更新。7月CPI通過で「9月利下げ」期待感が高まったとの解釈。アルファベットが1.2%高。インテルが5.6%高。中小型株で構成するラッセル2000指数は約3%上昇。航空運賃が7月に4%上昇したというデータを好感し航空株は8.9%大幅高。S&P500銀行指数は2.1%。7月の消費者物価指数(CPI)は前年比2.7%上昇。伸びは前月から横ばい。市場予想の2.8%を下回った。前月比は0.2%上昇。伸びは前月の0.3%上昇から鈍化。コア指数は前月比0.3%上昇。コア指数は前年比では3.1%上昇。VIX指数は14.73(前日16.25)。
日経平均株価は556円高の4万3274円と6日続伸し連日で最高値を更新。TOPIXも6日続伸。東証プライムの売買代金は6兆3336億円。アドバンテスト、サンリオが上昇。花王、イオンが下落。信用倍率は3.88倍と低下。
14日(木):
水曜のNY株式市場で主要3指数は揃って続伸。S&P500とナスダック総合は2日連続で最高値を更新。ただ、前日大きく上昇した一部の大型ハイテク株は軟調。エヌビディア、アルファベット、マイクロソフトが下落。一方今年軟調となっていたヘルスケアは1.6%上昇。ラッセル2000指数は約2%上昇し6カ月ぶりの高値水準。NASDAQは2日連続過去最高値更新ながらやや息切れ感。
日経平均株価は625円安の4万2649円と7日ぶりに反落。前日までの6日続伸で3000円近く上昇。連日で過去最高値を更新しており、短期的な過熱を警戒した利益確定売りが優勢だった。TOPIXも77日ぶりに反落。東証プライムの売買代金は5兆4482億円。SBG、ニトリが上昇。ソシオネクス、良品計画が下落。8月8日時点の信用評価損率は▲5.41%(前週▲6.25%)。
15日(金):
木曜のNY株式市場で主要3指数はマチマチの動き。卸売物価指数(PPI)の伸びが予想を上回ったことを受け、インフレへの警戒感が再拡大との解釈。インテルが7.4%高。トランプ米政権が同社株取得の可能性について協議していると伝わった。前日に四半期決算を発表したシスコシステムズが1.6%下落。農機大手のディアが6.8%安。高級ブランド「コーチ」などを手がけるタペストリーが15.7%急落。7月の卸売物価指数(PPI、最終需要向け財・サービス)は前月比0.9%上昇。2022年6月以来、約3年ぶりの大幅な伸び。市場予想は0.2%上昇。6月は横ばいだった。前年同月比では3.3%上昇。6月は2.4%上昇だった。
日経平均株価は729円高の4万3378円と反発。8月13日の過去最高値を更新。一1ドル=147円台後半と前日夕に比べて円安・ドル高が進んだことを好感。輸出関連や株価指数先物の買いにつながったとの解釈。4-6月期の国内GDP速報値は物価変動の影響を除く実質で前期比0.3%増、年率換算では1.0%増。プラスは5四半期連続。市場予想(年率0.3%%増)を上回ったことも好材料。TOPIXも反発し過去最高値を更新。東証プライムの売買代金は5兆6113億円。SBG、三菱UFJが上昇。川重、電通グループが下落。
(2)欧米動向
8月のミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)は58.6。
市場予想は7月確報値の61.7から62.0への上昇を見込んでいた。
1年先の期待インフレ率は4.9%。
7月の4.5%から上昇。
5年先も前月の3.4%から3.9%に上昇した。
(3)新興国動向
香港の第2四半期のGDP改定値は前年同期比3.1%増。
米国の関税措置が一時的に緩和され、駆け込み輸出が急増した。
7月下旬に発表された速報値から修正はなかった。
堅調な輸出と内需の回復を背景に10四半期連続のプラス成長。
香港政府は2025年通年の経済成長予測を2─3%で据え置いた。
第1・四半期のGDPは前年同期比3.0%増だった。
(兜町カタリスト 櫻井英明)