《マーケットストラテジーメモ》8月第4週
22日(月):
週末のNY株式市場で主要3指数は揃って反落。「10年国債利回りが一時3%になり大型株を中心に幅広く売られた」との解釈。アマゾン、アップル、マイクロソフトなどが下落。生活雑貨販売のベッド・バス・アンド・ビヨンドが40.5%急落。農業機械メーカーのディアは通期利益見通しを引き下げたが小幅高。週間でS&P500は1.2%、NASDAQは2.6%、NYダウは0.2%下落。S&P500とNASDAQは5週ぶりに反落。日経平均株価は135円安の28794円と3日続落。売り物優勢の展開で下落幅は300円を超えた場面もあったが、その後下落幅を縮小した。東証プライム市場の売買代金は2兆1255億円。日野、サイバーが下落。
23日(火):
週明けのNY株式市場で主要3指数は揃って続落。FRBが金融引き締めに積極的な姿勢を維持するとの観測が改めて強まり幅広い銘柄に売りが出た。26日からのジャクソンホール会議を控えて警戒感台頭という印象。長期金利が1カ月ぶりに3%台に乗せたのも投資家心理の重荷。高PERのハイテク株に売りが目立ちセールスフォースが大幅安。
日経平均株価は341円安の28452円と4日続落。6月10ー15日の4日続落以来。4日間で1880円(今回は771円)下落。米10年国債金利の3%乗せを経過してハイテククローズセクターに売り物が増加した。ジャクソンホール前の持ち高調整となる見方もある。東証プライムの売買代金は2兆3244億円。郵船、花王が上昇。日野、ソニーが下落。
24日(水):
火曜のNY株式市場で主要3指数は揃って小幅に3日続落。S&Pグローバルが発表した8月の米総合購買担当者景気指数(PMI)速報値は45。7月改定値の47.7から低下し、2020年5月以来2年3カ月ぶりの低水準となった。2020年半ば以来の低水準。市場予想(サービス業で49.2、製造業で52)を下回った。
日経平均株価は139円安の28313円と5日続落。5日続落今年最長だった2月24日以来。東証プライム市場の売買代金は2兆2916億円。重工、東電が上昇。東エレ、バンナムが下落。
25日(木):
水曜のNY株式市場で主要3指数は揃って小幅に4日ぶりに反発。エネルギー株が上昇。税務・会計ソフトのインテュイットが上昇し2023年度の売上高見通しを好感して4%上昇。フィットネス機器のペロトン・インタラクティブは20%超上昇。百貨店のノードストロームは約20%急落。ジャクソンホール会合を控えて商いは低調。3市場の合算売買高は89億株(前日94億株。過去20日平均は109億株)。
日経平均株価は165円高の28479円と6日ぶりに反発。過去5日で900円超下落していたことからの自律反発との解釈。東証プライムの売買代金は2兆222億円。4月18日以来およそ4カ月ぶりの低水準。日製鋼、第一三共が上昇。大日印、東ガスが下落。
26日(金):
木曜のNY株式市場で主要3指数は揃って1%程度続伸。10年国債利回りが低下。「金利低下がグロースセクターの一部を下支えした」との見方だ。エヌビディアが4%高。四半期業績は市場予想を下回ったが「売上高低迷が最悪期を脱する可能性がある」との声もある。良いとこ取りの動きに見える。フィラデルフィア半導体(SOX)指数は3%超の上昇。ジャクソンホールでのパウエルFRB議長発言を警戒している割にはつじつまの合わない動きだ。
日経平均株価は162円高の28641円と続伸。ハイテクセクターなどを中心に買い物優勢の展開。東証プライムの売買代金は2兆548億円。コマツ、アドバンテストが上昇。リクルート、富士通が下落。
(2) 欧米動向
米労働統計局(BLS)の発表。
「今年3月までの1年間の非農業部門雇用者の増加数。
従来の発表を46万2000人上回っていた可能性が高い」。
民間部門の増加数は従来発表を57万1000人上回った。
一方、政府部門は10万9000人下回ったとの観測。
最終的な基準改定は、来年1月の雇用統計と共に来年2月に発表される。
「46万2000人の上振れはある程度注目に値する。
しかし月平均では3万9000人にすぎない」と言う見方。
民間部門の増加数は従来発表を57万1000人上回った。
一方、政府部門は10万9000人下回ったとの観測。
(3)新興国動向
中国長江流域が記録的な猛暑と水不足に見舞われた。
農産物は甚大な被害。
農業省は農家に対してコメを収穫・貯蔵するとともに、今後数週間は穀物の生育を強化する対策をとるよう呼びかける緊急の通達を出した。
農業省は猛暑が秋の穀物生産に「深刻な脅威」をもたらすと警鐘を鳴らしている。
【展望】
スケジュールを見てみると・・・。
【8月】5勝5敗、(勝率50%、10位)
気学では「戻り売り方針一貫のとき。新安値は買い。下旬より上昇傾向」。
8月29日(月)株高の日L
8月30日(火)失業率、米CB消費者信頼感、FHFA住宅価格、CS住宅価格、JOLT求人件数、JPX400・JPX中小型定期銘柄入れ替え実施
8月31日(水)鉱工業生産、消費動向調査、中国製造業非製造業PMI、MSCI日本株指数パッシブ売買インパクト
【9月】8勝2敗、(勝率80%、2位)
気学では「初め高きは中旬にかけて下押し。月末小波乱か」。
9月 1日(木)法人企業統計、米ISM製造業景況感、中国財新製造業PMI
9月 2日(金)マネタリーベース、米雇用統計、製造業受注
9月 5日(月)レイバーデーでNY休場、東方経済オーラム(ロシア)、天然ガスLNG国際会議「ガステック」(ミラノ)変化日
9月 6日(火)家計調査、毎月勤労統計、米ISM非製造業、JPモルガンコンポジットPMI、株安の日
9月 7日(水)景気動向指数、米貿易収支、ベージュブック、中国貿易収支、アップルのイベント(予定)
9月 8日(木)景気ウォッチャー調査、GDP改定値、都心オフィス空室率、米消費者信用残高、ECB理事会
9月 9日(金)メジャーSQ、マネーストック、中国生産者・消費者物価
9月10日(土)中国中秋節(→11日)、水星逆行開始
9月11日(日)沖縄県知事選、ロシア統一選挙
9月12日(月)変化日
9月13日(火)法人企業景気予測調査、国内企業物価指数、米消費者物価、財政収支、国連総会 株高の日
9月14日(水)機械受注、米生産者物価、
9月15日(木)貿易統計、第三次産業活動指数、米小売売上高、鉱工業生産、NY連銀製造業景気指数、フィラデルフィア連銀製造業景況感、輸出入物価、上海協力機構サミット(ウズベキスタン)、上げの特異日
9月16日(金)米ミシガン大学消費者信頼感、中国各種経済指標、FTSE日本株パッシブ売買インパクト
9月19日(月)敬老の日で休場、米NAHB住宅市場指数
9月20日(火)消費者物価、首都圏マンション販売、米FOMC(→21日)、住宅着工件数、建設許可件数、国連総会一般討論開始 株安の日
9月21日(水)日銀金融政策決定会合(→22日)、訪日外客数、米パウエルFRB議長会見、中古住宅販売
9月22日(木)黒田日銀総裁会見、米4−6月期経常収支、 株安の日、変化日
9月23日(金)秋分の日で休場、デリバティブの祝日取引解す、動かない日
9月25日(日)イタリア総選挙
9月26日(月)アジア開発銀行年次総会(→30日)、独IFO景況感 株安の日L
9月27日(火)企業向けサービス価格指数、米耐久財受注、CB消費者信頼感、FHFA住宅価格、新築住宅販売、 株高の日L
9月28日(水)日銀金融政策決定会合議事要旨、米中古住宅販売仮契約、変化日
9月29日(木)日中国交正常化50周年、米GDP改定値、 株高の日L
9月30日(金)失業率、鉱工業生産、消費動向調査、米個人所得・支出、中国PMI、株安の日L、日経平均パッシブ売買インパクト
(兜町カタリスト 櫻井英明)