《マーケットストラテジーメモ》7月第4週
24日(月):
週末のNY株式市場で主要3指数はマチマチの動き。NYダウは2022年3月以来、約1年4カ月ぶりの高値で年初来高値を更新。10日続伸は2017年8月以来約6年ぶり。ダウは年初来で約6%上昇。S&P500種は同期間に18%上昇している。週末の不安定な地合いはウィッチングと数兆ドル規模のナスダック100のリバランスによるものとの解釈。
日経平均株価は396円高の32700円と反発。一時1ドル=141円台後半まで下落。日銀の政策修正を見込んで株価指数先物を売り建てていた海外短期筋の買い戻しが増加したとの解釈。一方、銀行株は逆行安となり相場の上値を抑えた。東証プライムの売買代金は2兆9747億円。三菱自、東エレが上昇。三井住友、川船が下落。
25日(火):
週明けのNY株式市場で主要3指数は揃って上昇。NYダウは11日続伸で2017年2月以来最長の連騰記録。昨年2月以来およそ1年5カ月ぶりの高値水準まで上昇した。7月のS&Pグローバル製造業購買担当者景気指数(PMI、速報値)は49.0。市場予想(46.7を上回った。日経平均株価は18円安の32682円と小幅反落。
日銀の金融政策決定会合や主要企業の4〜6月期決算発表を控え、直近上昇の目立っていたハイテク株を中心に持ち高整理や利益確定の売りがやや優勢となった。東証プライムの売買代金は3兆877億円。ダイキン、オリンパスが上昇。ファストリ、KDDIが下落。古来の格言は「七夕天井・天神底」。
26日(水):
火曜のNY株式市場で主要3指数は揃って続伸。NYダウは小幅ながらも12日続伸。2017年2月9日−27日日以来となる12連騰。約6年半前の時の上昇率は3.9%。今回は5%。NASDAQ総合が上昇し全体の上げをけん引。「人工知能(AI)関連に対する投資家の期待が高まった」との解釈。アルファベットが0.6%高。
日経平均株価は14円安の32668円と続落。「FOMCの結果発表を前に買い手控えムードが強かった」との解釈。下落幅は一時200円に迫ったが、前日終値を小幅に上回る場面もあり
東証プライムの売買代金は2兆7807億円。東エレク、大塚HDが上昇。トヨタ、アドテストが下落。
27日(木):
水曜のNY株式市場で主要3指数はマチマチの動き。NYダウは1987年7月以来の13連騰。NASDAQは反落した。6月の新築一戸建て住宅販売戸数は年率換算で前月比2.5%減の69万7000戸。減少は4カ月ぶり。FRBはインフレはなお高水準にあるとしFF金利の誘導目標を5.25─5.50%に引き上げた。パウエルFRB議長は会見で「データで裏付けられれば9月の政策決定会合で利上げを行う可能性は確かにある」と表明。
日経平均株価は222円高の32891円と3日ぶりに反発。25日線を上回った。東証プライムの売買代金は3兆2267億円。ファーストリテ、東エレが上昇。日東電工、アドテストが下落。
28日(金):
木曜のNY株式市場で主要3指数は下落。NYダウは14日ぶりに反落。1897年(採用11銘柄時代)以来126年ぶりとなる14連騰とはならなかった。背景は長期金利の上昇との解釈。第2四半期のGDPは年率換算で2.4%増。市場予想の1.8%増を上回った。
日経平均株価は131円安の32759円と反落。イールドカーブ・コントロールに日銀が柔軟な姿勢を示したことが背景。為替も1ドル138円まで進んだのが重かった。下落幅は一時850円超まで拡大した場面があった。東証プライムの売買代金は5兆7000億円。富士電機、日清粉が上昇。日野自、キヤノンが下落。
(2) 欧米動向
IMFの世界経済見通しが発表された。
2023年の世界の実質国内総生産(GDP)伸び率予想は3.0%。
4月時点の予想値から0.2%ポイント引き上げた。
「インフレ率は鈍化し、銀行セクターの深刻なストレスは後退している。
ただ世界経済が直面するリスクのバランスは依然として下方に傾いており信用は逼迫している」との見方。
24年の成長率予想も3.0%。
4月の見通しを据え置いた。
(3)新興国動向
IMFの世界成長見通し。
中国の成長率予想は23年が5.2%、24年は4.5%で据え置いた。
23年のドイツ成長率は0.3%のマイナス。
4月の予想(マイナス0.1%)を引き下げた。
【展望】
【7月】(6勝4敗:勝率60%)
小幅に稼ぐとき。戻りを売って安値で利食いのこと。
31日(月)鉱工業生産、商業動態統計、消費動向調査、中国製造業非製造業PMI、ユーロ圏GDP速報値
【8月】(5勝5敗:勝率50%)
突っ込みを買って吹き値で利食いすること。
1日(火)失業率、米ISM製造業景況感、JOLTS求人件数、中国財新PMI
2日(水)マネタリーベース、米ADP雇用レポート
3日(木)米ISM非製造業景況感、製造業受注、英金融政策委員会、株安の日
4日(金)米雇用統計、天赦日、株安の日、変化日
7日(月)景気動向指数、米消費者信用残高、8月最弱の日、JPX400・JPX中小型定期入れ替え発表
8日(火)景気ウォッチャー調査、家計調査、米貿易収支、中国貿易収支
9日(水)マネーストック、中国生産者消費者物価
10日(木)国内企業物価、都心オフィス空室率、オプションSQ、米消費者物価、財政収支、ゴルフ全米女子オープン(→13日)、変化日
11日(金)山の日で休場、米生産者物価、ミシガン大学消費者信頼感、英国GDP
14日(月)株高の日、MSCI日本指四半期リバランス発表
15日(火)4−6月GDP、米小売り売上高、輸出入物価、NY連銀製造業景況感、対米証券投資、NAHB住宅価格指数、独ZEW景況感、中国各種経済指標
16日(水)訪日外客数、米NY連銀ビジネスリーダーサーベイ、鉱工業生産、住宅着工件数
17日(木)貿易統計、機械受注、第3次産業活動指数、首都圏マンション発売、米ウィッチング、フィラデルフィア連銀製造業景況感、変化日
18日(金)消費者物価、天赦日
19日(土)世界陸上選手権(ブラペスト→27日)
22日(火)米中古住宅販売件数、大幅高の特異日
23日(水)AUじぶん銀行製造業PMI、米S&P米国製造業PMI、新築住宅販売件数
24日(木)米耐久財受注、水星逆行(→9月16日)、
カンザスシティ地区連銀年次経済シンポジウム(ジャクソンホール→26日)、変化日
25日(金)東京都区部消費者物価、企業向けサービス価格指数、独IFO景況感
バスケットボール男子ワールドカップ(日本など→9月10日)
28日(月)テニス全米オープン(→9月10日)
29日(火)失業率、米JOLTS求人件数、FHFA住宅価格指数、コアロジックCS住宅価格指数、株高の日L
30日(水)消費動向調査、米ADP雇用レポート、JPX400・JPX中小型パッシブ売買インパクト
31日(木)鉱工業生産、商業動態統計、米個人所得支出、中国製造業PMI、非製造業PMI、MSCI日本指数パッシブ売買インパクト
(兜町カタリスト 櫻井英明)