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英明コラム 7月第3週 マーケットストラテジーメモ
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《マーケットストラテジーメモ》7月第3週

【推移】
 
13日(月):
週末のNY株式市場で主要3指数はそろって上昇。ギリアドのコロナ感染症治療薬「レムデシベル」が治験で良好なデータを示したことを材料視。NASDAQは3日連続の史上最高値更新。もっとも「買い一巡の動きとなった。
ここ1週間で上昇銘柄と下落銘柄の差は拡大しており、決算シーズンをにらみ、一部利益確定売りが出た」という声もある。
週間ではNYダウが1%、S&Pが1.8%それぞれ上昇。NASDAQは4%急伸。
 
日経平均株価は493円高の22784円と高値引け。後場上昇幅を拡大しTOPIXも高値引け。「米国での新型コロナウイルスの治療薬開発への期待や一時2%超の上昇となった中国・上海株式相場の上昇が引き続き相場の支え」との解釈。
 
ただ「都内の感染者数を見極めたい」との声もある。SQ値は「幻」脱却。25日線も5日線も上回った。東証1部の売場代金は2兆1386億円。SBG、ソニーが上昇。東エレ、SHIFTが下落。高島屋は一時800円を割り込み17年8カ月ぶりの安値。
 
14日(火):
週明けのNY株式市場で主要3指数はまちまちの動き。NYダウは10ドル高と続伸。今週から本格化する主要企業の決算発表を前にハイテク株などに業績期待の買いが入った場面もあった。
 
もっとも一時563ドル高から引けにかけて急速に伸び悩んだ格好。カリフォルニア州のニューサム知事が米東部時間午後3時から会見。「コロナ感染の再拡大を受けてレストランの店内飲食や劇場などの閉鎖を命じたことが嫌気された」との見方だ。
ただ売りが目立ったのは本来なら業績がコロナウイルスの影響を受けにくいとされるハイテクセクター。悪材料をきっかけに投資家心理が悪化。「PERが割高な水準にあったハイテク株にいったん利益確定売りが出た」という声が聞こえる。
 
日経平均株価は197円安の22587円と反落。後場は下落幅を拡大した。東証一部の売買代金は1兆9778億円と低調。三井不が上昇。SBG、ファーストリテイリングが下落。グロース軟調、バリュー堅調の展開。
 
15日(水):
火曜のNY株式市場で主要3指数はそろって上昇。「新型コロナウイルス感染拡大を巡る懸念は大きく意識されなかった」という株高の日のお定まりの解釈。これが下落の日だと「コロナ懸念拡大」となるだけのことで意味はない。
「カリフォルニア州の経済は停止。フロリダでは感染者が記録的に急増。それでもエネルギーセクターが上昇をけん引した」という見方。
 
日経平均株価は358円高の22945円と反発。約1ヶ月ぶりの高値水準。上海総合指数の2%下落などものともしなかった。東証一部の売買代金は2兆2092億円。日産、ファナックが上昇。エーザイ、アドバンテストが下落。
 
16日 (木):
水曜のNY株式市場で主要3指数はそろって上昇。バイオ医薬大手モデルナが開発中の新型コロナウイルスワクチンの初期段階の研究での安全性確認。また健康なボランティア45人全員に免疫反応が見られたとする報告書を好感。
モデルナ株は6.9%高。連想からクルーズ船運航のカーニバル、ロイヤル・カリビアン・クルーズ、ホテル大手マリオットが上昇。「新型ウイルス感染拡大が永遠に続くわけではないとの見方が再び拡大。トンネルの先に光が見えたことで景気敏感株に買いが入った」との解釈。
 
日経平均株価は175円安の22770円と反落。東京都で新型コロナウイルスの1日あたりの新規感染者数が、これまでで最多の280人台になると報じられたことを嫌気。感染拡大による行動制限などを警戒し下落幅を200円以上に拡大した場面もあった。
「ワクチン開発期待から上昇していた景気敏感株も、上げ幅を縮小するものが目立つ」という声が聞こえる。東証1部の売買代金は2兆4595億円。日産、ソニーが上昇。SBG、キーエンスが下落。
 
17日(金):
木曜のNY株式市場で主要3指数は反落。新型コロナに対する警戒感が勝った形。マイクロソフトやアップルなどのハイテク株中心に売り物優勢となった。アップルは1.2%安、マイクロソフトは2%安。
過去1週間ではS&P500がNASDAQを約3ポイントアウトパフォーム。上昇をけん引してきたハイテク株から資金がシフトしているとの見方だ。週間新規失業保険申請件数は130万件。前週の131万件から減少。市場予想の125万件までには改善せず引き続き高止まり。
一方6月最終週の時点で何らかの失業手当を受けていた人は約3200万人。「新型コロナ感染第2波が経済回復の重荷」という解釈だ。
 
日経平均株価は73円安の22696円と続落。前場はもみあいだったが後場はマイナススタート。東京都内で新たに新型コロナウイルスに感染していると確認された人が293人と報じられ下落幅を一時100円超に拡大した。「6月以降のレンジ相場の上限付近で行き詰まり。週末要因に加え来週以降の、日本企業の決算の本格化を警戒」という声もある。
週足は陰線。東証1部の売買代金は1兆8023億円と低調。SBG、日電産が上昇。ファーストリテ、ダントー、が下落。
 
(2) 欧米動向
 
GSのレポートの予測。
「S&P500は今後10年間、2030年までに年率6%のリタ─ン」。
そのうち25%が配当、75%がキャピタルゲインであるという。
換算すれば債券をアウトパフォーム。
過去10年間のパフォーマンスは年率13.6%。
その背景は「景気拡大、営業利益率の向上、法人税率引き下げ、自社株買い」。
「機関投資家の債券優位の投資姿勢が変化してきている。
ひょっとすると自分たちの投資シナリオは間違っているのかもしれない」。
そういう声があると著名なストラテジスト氏。
この誤解と錯誤の修正が今起きているのかも知れない。
 
(3)アジア・新興国動向
 
中国国家統計局が発表した第2四半期の国内総生産(GDP)は前年同期比3.2%増加。
記録的な落ち込みとなった前期(▲6.8%)からプラスに転換した。
史上予想の2.5%を上回った。
6月の鉱工業生産は前年同月比4.8%増加。
増加は3カ月連続。
伸び率は市場予想の4.7%を上回った。
5月は4.4%増、4月は 3.9%増だった。
ただ・・・。
小売売上高は前年比1.8%減少。
市場予想は0.3%増加だった。
商業施設や飲食店などの閉鎖により、小売売上高は5カ月連続で減少。
厳しい感染抑制策は緩和されているものの、客足の戻りは鈍い。
 
 
【展望】
 
スケジュールを見てみると・・・。
 
【7月】陽線確率5勝5敗、(陽線確率50%)、過去15年7勝8敗(10位)
    気学では「悪目買い。買い方針にて下旬戻り売り方針」
 
20日(月):コンビニ売上高
21日(火):消費者物価、米週間小売り売上高、シカゴ連銀全米活動指数
22日(水):Go Toキャンぺーン開始予定、米中古住宅販売、下げの日
23日(木):海の日で休場、米CB景気先行指数
24日(金):スポーツの日で休場、米新築住宅販売、鬼宿日・天恩日
27日(月):米耐久財受注、独Ifo景況感
28日(火):企業向けサービス価格指数、米FOMC(→29日)、CB消費者信頼感、週間小売り売上高、S&P住宅価格指数、変化日
29日(水):株高の特異日
30日(木):商業動態統計、米GDP速報値
31日(金):失業率、鉱工業生産、米個人所得、中国製造業PMI、ユーロ圏GDP速報値
 
東証1部全体の時価総額は10日時点で約580兆円。
前年末の650兆円から縮小した。
5月末時点でニューヨーク証券取引所は2200兆円、ナスダックは1400兆円。
世界で上位の時価総額、
1位サウジアラムコ(サウジアラビア)1兆7328億ドル
2位米アップル 1兆5811億ドル
3位米マイクロソフト 1兆5433億ドル
4位米アマゾン 1兆3760億ドル
5位米アルファベット 9864億ドル
6位米フェイスブック 6474億ドル
7位テンセント(騰訊控股 中国)6146億ドル
8位アリババ集団(中国)5804億ドル
9位米バークシャー・ハザウェイ 4334億ドル
10位米VISA 4112億ドル
 
(兜町カタリスト 櫻井英明)

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