《マーケットストラテジーメモ》12月第1週
2日(月):
週末のNY株式市場は感謝祭の翌日で短縮取引。S&P500とNYダウは過去最高値を更新。エヌビディアが2%、テスラが3.7%上昇。ブラックフライデーの大幅値引きでオンライン購入額は過去最高の108億ドル。前年比9.9%増加する見通し。
日経平均株価は304円高の3万8513円と反発。午後に年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が運用利回りを引き上げると伝わると、株式の組み入れ比率の上昇に伴って株式の需要が増すとの思惑で買いが優勢となった。東証プライムの売買代金は3兆9896億円。アドテスト、リクルートが上昇。資生堂、オリンパスが下落。日経VIは18.72。
3日(火):
週明けのNY株式市場で主要3指数はマチマチの展開。NYダウは反落。「前週末に最高値を更新した反動」との解釈。NYダウは11月に3000ドルあまり上昇。月間の上昇幅は2022年10月以来の大きさ。テスラが上昇しナスダック総合株価指数は続伸。11月11日以来の過去最高値更新。S&P500続伸し連日の過去最高値更新。
日経平均株価は735円高の3万9248円と続伸。3万9000円台を回復したのは11月12日以来、3週間ぶり。日経平均は後場に上げ幅を900円以上に広げる場面があった。 東証プライムの売買代金は概算で5兆748億円。ファストリ、TDKが上昇。トレンド、ソシオネクが下落。信用倍率は9月20日時点以来の5倍台。プラス2σが39699円で上値を抑えられた格好。
4日(水):
火曜のNY株式市場で主要3指数はマチマチの展開。ナスダックとS&P総合500は終値ベースの過去最高値を更新。米雇用統計の発表を控え、ハイテク株が引き続き買われた。NYダウは小幅下落。10月の雇用動態調査(JOLTS)で求人件が37万2000件増の774万4000件。市場予想は747万5000件だった。日経平均株価は27円高の3万9276円と4日続伸。日銀が12月の金融政策決定会合で政策を据え置く可能性について一部通信社が報じたことが材料視されたとの観測。東証プライムの売買代金は4兆2927億円。ファストリ、リクルートが上昇。KDDI、日東電が下落。
5日(木):
水曜のNY株式市場で主要3指数は揃って上昇。ハイテク株主導で主要3株価指数が終値ベースの最高値を更新した。FRBパウエル議長は「経済について非常に楽観的で、インフレに関しては進展がみられる」とコメント。これは好感された格好。セールスフォースが11%高。半導体指数(SOX)は1.7%上昇。エヌビディアも3.5%高。S&P500のサイコロは11勝1敗。
日経平均株価は119円高の3万9395円と4日続伸。前日の米株式市場で主要3指数が過去最高値を更新。東京市場でも主力株を中心に買いが優勢となった。朝方には上げ幅を350円あまりに拡大する場面があった。東証プライムの売買代金は4兆2150億円。リクルート、TDKが上昇。第一三共、信越化は下落。2日連続で日足陰線。
6日(金):
木曜のNY株式市場で主要3指数は揃って反落。ユナイテッドヘルス・グループが5.2%安。同社保険部門の幹部が4日朝、マンハッタンのホテル近くで胸部を撃たれ、死亡したことが悪材料視。11月の雇用統計では非農業部門雇用者数が20万人増加するとの予想。
日経平均株価は304円安の3万9091円と5日ぶりに反落。韓国株や韓国ウォンが売られ、リスク回避の円買いで朝方に1ドル149円台まで上昇。心理的節目の3万9000円を下回る場面があった。 東証プライムの売買代金は概算で3兆5595億円。 楽天、オムロンが上昇。ファストリテ、フジクラが下落。
(2)欧米動向
11月のISM製造業景気指数は48.4。
2023年7月以来の低水準だった10月の46.5から上昇。
市場予想は47.5。
拡大・縮小の分岐点となる50は8カ月連続で下回った。
先行指標となる新規受注は50.4と前月の47.1から上昇。
50を上回るのは8カ月ぶり。
11月のISM非製造業総合指数は52.1。
前月の56.0から低下し市場予想の55.5も下回った。
指数は10月に2022年8月以来の高水準を付けるなどここ数カ月は大幅に伸長していた。
(3)新興国動向
12月11日から中国の最高指導部が11日から非公開の中央経済工作会議を開催する予定と報じたのはブルームバーグ。
2025年の経済目標と景気刺激策を策定するという。
具体的な数値は来年3月の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)まで明らかにされない見込み。
(兜町カタリスト 櫻井英明)