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英明コラム 3月第1週 マーケットストラテジーメモ
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《マーケットストラテジーメモ》 3月 第1週

28日(月):
週末の主要3指数は揃って大幅続伸。NYダウの上昇率は2020年11月以来最大となった。原油価格が1バレル=100ドルを割り込んだことを好感。「今回の調整局面での売り疲れだ。経済のファンダメンタルズと企業の健全性は依然良好だ」という声も聞こえる。
 
週間ではNYダウは0.1%安、S&P500は0.8%高、NASDAQは1.1%高。1月の個人消費支出(PCE)価格指数は前年同月比6.1%上昇。1982年2月以来の高い伸び。食品とエネルギーを除いたコアPCE指数は前年同月比5.2%上昇。
前月の4.9%上昇から加速。83年4月以来の高い伸び。
日経平均株価は50円高の26526円と続伸。ウクライナとロシアの停戦協定を控えて売り物が減って買い物が増加した格好。東証一部の売買代金は3兆4497億円。MSCIの銘柄入れ替えの影響でやや膨らんだ。鉄、郵船が上昇。物産、JTが下落。
 
1日(火):
週明けの主要3指数はマチマチの展開。NYダウとS&P500は反落。ただNYダウは一時500ドル超の下落場面から下落幅を縮小した。引けにかけてハイテク株に押し目買いが入りNASDAQは反発。
長期金利が1.8%台前半に低下。高PER(株価収益率)銘柄が多いハイテク株には追い風となった。防衛関連、サイバーテロ関連銘柄が上昇した。NASDAQとニューヨーク証券取引所ではロシアを拠点する企業の銘柄の取引が一時停止された。1月の財(モノ)の貿易収支(速報値)は赤字額が7.1%増の1076億ドル。過去最高を更新した。
 
日経平均株価は317円高の26844円と3日続伸。一時27000円台に乗せた場面もあった。東証一部の売買代金は3兆344億円。商船三井、三菱重工が上昇。物産、ANAが下落。
 
2日(水):
火曜の主要3指数は揃って下落。4年ぶりに3月初日安となった。ウクライナ情勢を背景にした「質への逃避」で10年債利回りが低下。金融セクターが大幅安となった。
AMDが7.7%急落しフィラデルフィア半導体(SOX)指数は3.6%安。ズームが7.4%安。
一方、原油価格の急伸を受けてシェブロンは過去最高値を更新。ターゲットは9.9%急伸。ロッキード・マーチンとノースロップ・グラマンは3%超上昇ISM製造業景気指数は2020年11月以来の低水準だった前月の57.6から上昇した。ただ市場の視点と感情はウクライナに向かっており見えないフリ。「ウクライナ紛争の時間軸に関係なく物価上昇が懸念」という思考だ。
 
日経平均株価は451円安の26393円と4日ぶりに反落。下落幅は一時500円を越えた場面もあった。背景は合いかわずウクライナ懸念。東証一部の売買代金は3兆1119億円。コナミ、住友鉱が上昇、東エレ、ブリヂストンが下落。日経平均採用銘柄の予想PERは12.62倍(前日12.86倍)。6日連続12倍台。EPSは2091円(前日2087円)。
 
3日(木):
水曜の主要3指数は揃って急反発。上昇率は前日の下落率とほぼ一緒。昨日の下げがなかったことになった印象だ。FRBパウエル議長のコメント。「今月のFOMC0.25%の利上げを支持する方向に傾いている」。より大幅な利上げへの懸念が後退したとの解釈。ようやく視点がウクライナから米金利に戻った格好だ。市場が織り込む3月の0.25%利上げ確率は95%。0.5%の利上げの可能性5%。数週間前は50%を超えていた。
 
日経平均株価は184円高の2万6577円27銭と反発。NY市場で金融引き締めを一気に進めるとの見方が後退。NY株式市場では主要3指数がそろって上昇。東京市場でも幅広い銘柄に買いが入った。東証1部の売買代金は2兆7561億円。3日ぶりに3兆円を下回った。出光興産、郵船が上昇。ファストリ、ZHDが下落。
 
4日(金):
木曜の主要3指数は不安定な展開で主要3指数は反落。「ロングポジションを取る理由は見当たらない」という刹那的通りすがりの声もある。テスラが4.6%、アマゾンが2.7%下落。S&P500グロース指数は1.1%安。バリュー指数は0.1%高。
 
スーパーマーケットチェーン大手のクローガーは12%近く急伸。ISM非製造業景気指数は56.5に低下。1月の製造業新規受注は前月比1.4%増と市場予想(0.7%増)を上回った。週間新規失業保険申請件数は前週比1万8000件減の21万5000件。
減少は2週連続で1月1日までの週以来の低水準。ただ市場予想(22万5000件)以上に改善した。
 
日経平均株価は591円安の25985円と大幅反落。下落幅は一時800円を越えたが戻した。背景はウクライナのザポロジエ原発での攻防。火災の報道と鎮火の報道で右往左往した格好。東証一部の売買代金は3兆6277億円。商船三井、リコーが上昇。ホンダ、板硝子が下落。
 
(2) 欧米動向
 
ISM製造業景気指数は58.6。
2020年11月以来の低水準だった前月の57.6から上昇した。
市場予想は58.0だった。
ISM非製造業景気指数は56.5に低下。
2021年2月以来、1年ぶりの低水準。
1月は59.9だった。
3ヶ月連続での低下。
市場予想は61.0。
新規受注指数は56.1。
1年ぶりの低水準。
雇用指数は48.5で1年2カ月ぶりの低水準。
 
3月最初の営業日の米株アノマリー。
S&P500は2001年以降、勝率71.4%。
NYダウは61.9%。
平均上昇率はNASDAQが0.74%と最も大きい。
ラッセル200が0.54%、S&P500が0.455%、NYダウが0.38%。
過去3年は連続して上昇していたが今年は大幅安だった。
 
 
(3)新興国動向
 
中国の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)が開幕。
李克強首相は2022年の国内総生産(GDP)成長率目標について、昨年を下回る5.5%前後に設定するコメント。
昨年は8.1%成長。
6%以上としていた政府目標を上回っていた。
消費者物価指数(CPI)の目標は、昨年と同じ3%前後とした。
 
 
【展望】
 
スケジュールを見てみると。
 
【3月】5勝5敗、(勝率50%。10位)
 
気学では「初旬は戻り売り。一進一退で続かず。後半に下げ」。
 
3月4日(金) 失業率、有効求人倍率、米雇用統計、北京パラリンピック開幕、株高の日
3月5日(土) 中国全人代開幕
3月6日(日) 東京都等まん延防止期限、東京マラソン
3月7日(月) 米消費者信用残高、エネルギー国際会議(ヒューストン)、中国貿易収支、株安の日L
3月8日(火) 景気動向指数、景気ウオッチャー調査、米貿易収支、株高の日L
3月9日(水) マネーストック、米JOLT求人件数、中国生産者消費者物価、株安の日L
3月10日(木)企業物価指数、都心オフィス空室率、米消費者物価、財政収支、ECB定例理事会、
        株安の日L、変化日
3月11日(金)法人企業景気予測調査、家計調査、メジャーSQ、米ミシガン大学消費者信頼感、株高の日
3月13日(日)NY市場サマータイム入り(→11月7日)
 

(兜町カタリスト 櫻井英明)

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