コラム
英明コラム 10月第3週 マーケットストラテジーメモ
「英明コラム 10月第3週 マーケットストラテジーメモ」


《マーケットストラテジーメモ一覧へ》


coulumn_06.jpg
《マーケットストラテジーメモ》10月 第3週


17日(月):
週末のNY株式市場で主要3指数は揃って大幅反落。ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)で家計のインフレ期待は1年先、5年先ともに上昇。ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)は59.8と9月の58.6から上昇。6月に付けた過去最低値を9.8ポイント上回った。市場予想は59.0だった。9月の小売売上高(季節調整済み)は前月比横ばい。市場予想は0.2%増だった。
 
日経平均株価は314円安の2万6775円79銭と反落。指数先物主導で日経平均は朝方に400円超下落した。売り一巡後は新規の手掛かりが乏しく、一方的に日本株の下値を探る動きにはなりづらかった。東証プライムの売買代金は2兆4239億円。三越伊勢丹、シャープが上昇。ファストリテ、ダイキンが下落。
 
18日(火):
週明けのNY株式市場で主要3指数は揃って反発。英政権が大型減税を含む経済対策を撤回したことを好感。またNYダウ採用銘柄ではないが、バンク・オブ・アメリカの第3四半期決算を好感。9%の減益となったものの1株利益は市場予想を上回った。同社株は6.06%高。
 
日経平均株価は380円高の27156円と反発。フィナンシャルタイムズが英国の金融引き締めの開始時期を再延期する見通しと報じたことを好感。東証プライムの売買代金は2兆7486億円。ファーストリテ、リクルートが上昇、キリン、東ガスが下落。25日線(27085円)からは△0.26%。22日ぶりに上回った。
 
19日(水):
火曜のNY株式市場で主要3指数は揃って続伸。ゴールドマン・サックスとロッキード・マーチンは堅調な四半期決算で通過。「企業業績を巡る懸念が和らいだ」との解釈だ。ゴールドマンは2.33%高。鉱工業生産指数は製造業生産指数が前月比0.4%上昇。市場予想を上回った。
 
日経平均株価は101円高の277527円と続伸。200日移動平均を終値で上回った。もっとも戻り待ちの売りで上値は重かった。東証プライムの売買代金は2兆3727億円。東電、SBGが上昇。クレセゾン、コナミが下落。
 
20日(木):
水曜のNY株式市場で主要3指数は揃って3日ぶりに反落。10年国債利回りが約14年ぶりの高水準に上昇。
不動産など金利敏感株やマイクロソフト、アマゾンなどが下落。ただネットフリックスは13.1%高。「債券が株価の大きな障害。好決算に影を落としている」との見方だ。テスラは0.84%高で通常取引を終えたが引け後に発表した第3四半期決算で売上高が市場予想を下回り時間外取引で3.94%下落。
 
日経平均株価は250円安の2006円と3日ぶりに反落。米株式先物の下落を嫌気して売り物優勢の展開。ただ下落幅は縮小した。東証プライムの売買代金は2兆5453億円。NTTデータ、ブリヂストンが上昇。ファーストリテ、東エレが下落。
 
21日(金):
木曜のNY株式市場で主要3指数は揃って続落。取引序盤は四半期決算が予想を上回ったIBMなどが主導して上昇。IBMが4.73%高。通期利益見通しを引き上げたAT&Tが7.72%上昇。ただ週間新規失業保険申請件数の予想外の減少やFRB当局者のタカ派的な発言を警戒。結局続落となった。10年国債利回りは4.232%。一時4.228%まで上昇し2008年6月以来の高水準。2年国債利回りは4.612%。
 
日経平均株価は116円安の2万6890円と続落。「幅広い銘柄で売りもの優勢に展開。ただ下値を模索する動きは限定的。半導体関連の一角が上昇して相場を支えた」との解釈。
日経平均の日中値幅は116円と昨年12月24日以来およそ10カ月ぶりの狭いレンジだった。東証プライムの売買代金は2兆5950億円。ディスコ、東エレが上昇。ダイキン、住友鉱が下落。週足3週連続で陽線。
 
(2) 欧米動向
 
バンク・オブ・アメリカの機関投資家調査(7ー13日実施)。
世界の景気と企業業績について弱気見通しを維持している。
運用資産に占める現金の比率は21年ぶりの高さに上昇した。
今後1年の世界の景気が「改善する」と予想した投資家の比率から「悪化する」と予想した比率を引いた値はマイナス72%。
7月の過去最低(マイナス79%)近辺にとどまった。
世界の企業収益が「改善する」と回答した比率から「悪化する」とした比率を引いた値もマイナス91%。
過去最低だった9月(マイナス92%)とほぼ同水準。
株保有を当初設けた配分を上回る「オーバーウエート」にした投資家の比率から、下回る「アンダーウエート」にした投資家の比率を引いた値はマイナス49%。
過去最低だった前月(マイナス52%)近辺を維持した。
運用資産に占める現金の比率は前月比0.2ポイントト高い6.3%。
2001年4月以来の高水準に達した。
 
(3)新興国動向
 
中国国家統計局は17日、18日に予定していた7−9月期の国内総生産(GDP)発表を延期。7−9月期の成長率の市場予測は3.5%前後。
年間成長率も3%台にとどまるとの見方。
共産党大会が開催中に「不都合な数字の公表を控えたのではないか」との見方もある。
中国政府が3月に掲げた年間目標「5.5%前後」の達成は困難との見方が支配的。
 
【展望】
 
スケジュールを見てみると・・・。
 
【10月】6勝4敗、(勝率60%、4位)
     気学では「弱象月。中旬以降押し目買い。吹き値は利食いして押し目で買い戻す」。
 
10月25日(火)全国百貨店売上高、米CB消費者信頼感、S&P住宅価格指数、FHFA住宅価格指数、独IFO景況感
10月26日(水)企業向けサービス価格指数、米新築住宅販売、変化日
10月27日(木)日銀金融政策決定会合(→28日)、米第3四半期GDP速報値、耐久財受注、ECB理事会、ECB総裁記者会見
10月28日(金)黒田日銀総裁会見、日銀展望レポート、失業率、東京都区部消費者物価、TOPIXパッシブ売買インパクト、米個人所得、中古住宅仮契約、大幅高の特異日
10月30日(土)APEC首脳閣僚会議(バンコク)
10月31日(月)鉱工業生産、商業動態統計、シカゴ購買部協会景気指数、ユーロ圏GDP速報値、中国コンポジットPMI、製造業・非製造業PMI、TOPIX浮動株比率見直し適用
 
金曜日経1面トップは「円150円台、32年ぶり」。
1990年8月以来の150円台で「人材・資本、日本離れ招く」という論調だ。
比較は・・・。
貿易収支1990年7.6兆円の黒字→14.3兆円の赤字。
原油  1990年バレル28.44ドル→85.55ドル。
購買力 1990年103.97→57.96。
海外生産比率1990年4.6%→22.4%。
そもそも通貨が売られて?栄した国はない。
通貨が売られてつぶれそうになった国はあるが通貨が買われてつぶれた国はない。
だから円高でなければ良くないと言ってきたのだが、当時は異端として理解されなかった。
円安株高論はいつの間にか影を潜めてしまった。
この円安というか投機的世界の為替の理不尽を止めるためにはFXのレバレッジを5倍程度にすることも一考だろう。


(兜町カタリスト 櫻井英明)

戻る
 
サイトTOPへ

株式投資は全て自己責任でお願いします。このサイトの情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。当サイトの掲載事項において損失をされた場合も当方は一切の責任を負いかねます。

(C)ilogos / Eimei.tv