《マーケットストラテジーメモ》 1月第3週
17日(月):
週末のNY株式市場で主要3指数はマチマチの動き。大手銀行の第4四半期決算が失望され金融株が大幅安。これを受けてNYダウは続落。一方、NASDAQとS&P500種は反発。週間ではNYダウが0.9%、S&P500が0.3%、NASDAQ総合が0.3%下落。キング牧師生誕日の祝日で週明け17日は休場。
ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)は68.8。12月確報値の70.6から低下し、過去10年間で2番目の低水準。市場予想は70.0だった。12月の小売売上高(季節調整済み)は前月比1.9%減少。11月の0.2%増からマイナスに転じ10カ月ぶりの大幅な落ち込み。12月の輸入物価は前月比0.2%下落と市場予想(0.3%上昇)に反して下落。下落は8月以来。12月の鉱工業生産指数は、製造業生産指数が前月比0.3%低下。市場予想は0.5%上昇だった。
日経平均株価は209円高の28333円と3日ぶりに反発。SQ値28266.57円は上回り1勝1敗。追加の材料が乏しく、値動きも限定的。前場28449円まで上昇したものの上値は重かった。東証1部の売買代金は2兆3178億円。三菱UFJが上昇。鉄、レーザーテックが下落。
18日(火):
週明けのNY株式市場はキング牧師生誕祭で休場。ロンドン株式市場は反発しFTSE100は約2年ぶりの高値。製薬大手グラクソ・スミスクライン(GSK)などヘルスケア株が上昇。グレンコア、BP、ロイヤル・ダッチ・シェルが指数を押し上げた。独クセトラDAX、仏CAC40も上昇。
日経平均株価は76円安の28257円と反落。米金利が上昇。金利変動への警戒感が高まり売り物に転じたとの解釈だが理解しにくい。下落率は一時200円を超えた場面もあった。前場は逆に300円以上上昇した場面もあった。東証一部の売買代金は2兆8125億円。ファーストリテ、キーエンスが上昇。鉄、ヤマハが下落。
19日(水):
3連休明け火曜のNY株式市場で主要3指数は大幅下落。ゴールドマン・サックスの決算が振るわず金融株の下落をけん引。国債利回りの上昇を受けてハイテク株が売られた。ゴールドマン・サックスの第4四半期決算は利益が約13%減少。市場予想を下回った。
これを受け株価は一時8%超下落。NASDAQ総合の下落率は2%超。昨年11月19日高値から約9.7%下落。調整局面入りとなる10%下落に迫った。200日移動平均線を割り込んだのは2020年4月以来。ゲームソフト開発のアクティビジョン・ブリザードは約26%急伸。マイクロソフトが687億ドルで買収すると発表したことが材料。一方でマイクロソフトは2.4%安。ニューヨーク連銀製造業業況指数はマイナス0.7。
日経平均株価は790円安の27467円と続落。終値ベースで昨年8月20日以来約5ヶ月ぶりの安値水準に沈んだ。下落幅は一時9000円を超えた場面もあった。背景は金利上昇を警戒した米国株安。終始売り物優勢の展開で後場下落幅を拡大した。東証一部の売買代金は3兆5277億円と昨年11月末以来の高水準。値上がり58銘柄、値下がり2111銘柄。ほぼ全面安で東エレ、ソニーなどの下げがきつかった。
20日(木):
水曜のNY株式市場で主要3指数は続落。引け際に下落幅を拡大した。NASDAQ総合は2日続けて200日線割れ。調整局面に入りとされる11月19日最高値からの下落率は10.7%。調整局面入りは昨年初め以来。昨年は2月12日から3月8日にかけて10%超下落。ラッセル2000は1.6%安。アップルが2.1%安。テスラ、アマゾンなどが軟調。P&Gが3.4%高。モルガンスタンレーが1.8%上昇。
日経平均株価は305円高の27772円と3日ぶりに反発。前日に800円近く下げたあとで、値ごろ感が出てきたとの見方。日経平均の上昇幅は一時400円を超えた場面があった。東証1部の売買代金は3兆1657億円。伊藤忠、ファストリが上昇。郵船、アドテストが下落。
21日(金):
木曜のNY株式市場で主要3指数は続落。ほぼ終日プラス圏で推移していたが連日で引け際に下落幅を拡大。ほぼ終日プラス圏で推移していたが連日で引け際に下落幅を拡大。ネットフリックスの第4四半期の新規契約者数は市場予想を下回った。株価は時間外取引で約10%下落。フィラデルフィア連銀製造業景気指数は23.1と前月の15.4から上昇。市場予想は20だった。
週間新規失業保険申請件数(季節調整済み)は前週比5万5000件増の28万6000件。昨年10月半ば以来3カ月ぶりの高水準。増加は3週連続で昨年7月以来の大幅増。市場予想は22万件だった。10年国債利回りは1.811%。
日経平均株価は250円安の27522円と反落。高値は引け際の27586円。安値は27129円。寄り付きは27404円だったので日足は陽線。27200円水準では押し目買いといった印象。東証1部の売買代金は2兆9873億円。野村、伊藤忠が上昇。トヨタ、東エレが下落。
(2) 欧米動向
NASDAQ総合は昨年6月以来の安値で最高値を約12%下回る水準。
過去約2年間で4回目の調整局面を迎えた。
1995年以降、最高値から10%以上下落したのは16回。
最近の下落で12カ月予想利益に基づく株価収益率(PER)は約31倍。
1年前と比べると低下している。
過去12カ月間で見ると指数は約10%の上昇。
20年3月最安値から2倍以上に上昇している。
(3)新興国動向
香港の投資銀行CLSAの風水に基づく2022年の相場予想。
ハンセン指数は年後半にかけて上昇する見通し。
注目の著名人の1人は日本の岸田文雄首相。
「任期の始まりは順調になるはずだ」と指摘
1957年生まれで干支は「丁酉(ひのととり)」。
CLSAは「日本のための長期的な計画を制定し、自民党内での地位を固める余裕がある」としている。
2022年の干支は「壬寅(みずのえとら)」。
「水」に関連する業種の株価が好調に推移するという。
「トップピックセクター」は貿易や海運、観光関連。
教育や衣料などの「木」も堅調な展開の見通し。
一方で「金」は相性が悪い。
建設や不動産、金融が含まれる。
不動産業界は21年と同様に低迷見通し。
ハンセン指数は2ー3月に一進一退の展開。
春先から堅調に推移する見込み。
8月にいったんのピークを付け、秋口には大きく下落。
10月以降は再び上昇基調。
年末に上昇幅を拡大するとの予想。
【展望】
スケジュールを見てみると・・・。
【1月】6勝4敗、(勝率60%、4位))
気学では「新甫から買い方針。その後は戻り売り。目先に迷わず売り」。
1月24日(月)株高の日L
1月25日(火)首都圏マンション販売、FOMC(→26日)、米CB消費者信頼感、IMF世界経済見通し、CS住宅価格指数、独IFO景況感、株高の日L
1月26日(水)企業向けサービス価格指数、米新築住宅販売、FOMC政策金利発表、パウエルFRB議長会見、大幅安の日L、変化日、TOPIXパッシブ売買インパクト
1月27日(木)米第4四半期GDP速報値、耐久財受注、中古住宅販売
1月28日(金)東京eスポーツフェスタ、米個人所得、ミシガン大学消費者信頼感
1月30日(日)中国製造業PMI、非製造業PMI
1月31日(月)鉱工業生産、米シカゴ購買部協会景気指数、ユーロ圏GDP速報値、中国春節(→2月6日)
(兜町カタリスト 櫻井英明)