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英明コラム 2月第4週 マーケットストラテジーメモ
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《マーケットストラテジーメモ》02月4週

【推移】

18日(月):
週末のNY株式はプレジデンツデーの3連休を控えていたが3指数がそろって上昇。NYダウとNASDAQは8週間連続の上昇。S&P総合500は4週連続で200日移動平均線を上回った。米中政府は北京で行っていた閣僚級貿易協議を終了。米中双方とも「協議で進展があった」と主張。「米中が貿易摩擦解消に向け通商合意にこぎ着けるとの期待が株価への追い風」という解釈。「貿易問題の解消は世界成長を下支えする可能性がある」という見方も出てきた。

VIX指数は14.91に低下。株価最高値更新への条件15%割れ水準を達成した。トランプ米大統領は議会の承認を得ずにメキシコ国境の壁建設費を確保するため国家非常事態を宣言。ただ市場への影響は限定的だった。

週明けの日経平均は3日ぶりの反発。寄り付き371円高、一時400円高があって終値381円高。15日金曜の下落分(239円安)を埋める上昇パターンは先週と同じ。75日移動平均線(21153円)を回復。ファーストリテ、安川電が上昇。オリンパス、太陽誘電が下落。

19日(火):
週明けのNYはプレジデンツデーで休場。欧州市場で主要指数は高安まちまち。STOXXヨーロッパ600指数は続伸。終値ベースで昨年10月9日以来、4カ月ぶりの高値水準を回復。「米国市場がプレジデントデーで休場の中、主要指数は狭い値幅で様子見ムードの強い展開」との見方だ。

日経平均株価は20円高の21302円と小幅に続伸。ザラ場、終値ともに今年の最高値を更新した。もっともNY市場の休場を受けて商いは低調。東証一部の売買代金は1兆8570億円と約1カ月ぶりの低水準。NTTデータ、セコムが上昇。ソフトバンクG、安川電機が下落。

20日(水):
3連休明けのNY株式市場で主要3指数はいずれも小幅続伸。NASDAQは7日続伸。米中通商協議がワシントンで再開。ウォールマートの好決算を背景に買い物優勢の展開。ただニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁が「バランスシートの縮小をしばらく継続する」とコメント。上昇幅を縮小した。
「日経平均の高値は21344円。24カ月線(21446円)が射程圏内に入ってきた」という見方もある。空売り比率は43.0%で50日連続40%超。

日経平均株価は128円高の21431円と3日続伸。12月17日以来およそ2カ月ぶりの高値水準を回復。一時24か月移動平均を上回った場面もあった。「NY株式相場が上昇した流れを引き継ぎ、当面の株高を見込んだ海外投資家が株価指数先物に買いを入れた」との解釈だ。ソフトバンGグループとソニーが上昇。東エレとTDKが下落。日経平均は3日続伸で3日連続日足陽線。今年の水曜は3勝3敗の5分に戻し、残るは木曜の1勝5敗が目立つ。「先々週と先週は週の前半が強かった一方で、後半は失速。金曜には大きく売られた。今週もここまでは同様の展開」という声も聞こえる。

21日(木):
NY株式市場は小幅続伸。S&P500は昨年12月の安値から約18%上昇。9月下旬に付けた過去最高値を約5%下回る水準。NASDAQは8日続伸。VIX(恐怖)指数は14.03に低下した。
日経平均株価は32円高の21464円と4日続伸。日足は4日連続陽線。取引時間中には約2カ月ぶりに2万1500円台を回復。終値ベースで24ヶ月線も回復。後場から先物主導で上昇に転じた。戻り待ちの売りも多く上値は抑えられた。ファーストリテの上昇寄与度が27円。東エレ、ソニーが上昇。ソフトバンクG、トヨタが下落。今年初の4日続伸。

今年初の4日連続日足陽線。終値ベースで24ヶ月線を上回った。「4日連続高した相場は強い」というジンクスも持ち出されて来た。1月7日〜9日、1月30日〜2月4日と3日続伸は今年2回。「次は昨年11月22日〜12月3日の7日続伸」という勇ましい声もある。

22日(金):
NY株式市場は反落。背景は買い疲れと軟調だった経済指標。耐久財受注統計は、民間設備投資の先行指標とされるコア資本財(非国防資本財から航空機を除く)の受注が前月から0.7%減。市場予想の0.2%増に反して落ち込んだ。フィラデルフィア連銀業況指数はマイナス4.1と、1月の17.0から大幅に低下。16年5月以来のマイナス。
1月の中古住宅販売も約3年ぶりの水準に落ち込んだ。コンファレンス・ボード(CB)が発表した1月の米景気先行指数は前月比0.1%低下。

日経平均株価は38円安の21425円51銭と5日ぶりの反落。世界的な景気後退懸念が復活したとの解釈。ソフトバンクG、資生堂が上昇。東エレ、ダイキンが下落。日足は5日連続陽線。昨年11月26日以来の5日陽線だ。ボリンジャーのプラス2σが21485円。プラス3σが21788円。少しずつ拡大してきている。月足陽線基準は21781円。

(2) 欧米動向

「NYダウとNASDAQは8週連続上昇。
VIX指数は8週連続で下落。
過去9週連続はNYダウは1回、NASDAQは2回、VIXはゼロ。
確率的には今週の9週連続の上昇(VIXの下落)はない可能性が高い」という声もある。

(3)アジア・新興国動向

先週の世界の株式相場は主要25の株価指数のうち24指数が上昇。

上位1位中国週間騰落率4.54%、2位ベトナム4.00%、3位香港3.28%、
4位南アフリカ2.66%、6位日本2.51%。
下位25位英国▲0.80%、24位インド0.17%、23位イタリア0.25%、
22位ブラジル0.37%、21位トルコ0.46%、20位米国0.57%。


【展望】

スケジュールを見てみると・・・

25日(月):企業向けサービス価格指数、米シカゴ連銀活動指数。携帯電話見本市「モバイル・ワールド・コングレス」(スペイン)
26日(火):米CS住宅価格指数、住宅着工件数、CB消費者信頼感、パウエルFRB議長議会証言
27日(水):国際水素・燃料電池展、米朝首脳会談(ベトナム)、英議会EU離脱案採。米製造業受注、パウエル議長下院サービス委員会証言
28日(木):鉱工業生産、米10〜12月GDP、シカゴ購買部景気指数、中国製造業PMI
1日(金):失業率、法人企業統計、米ISM製造業景況感、米中貿易協議期限、法定債務上限の運用停止期限、ユーロ圏失業率、台湾休場

2月15日時点の信用買い残は前週比689億円減の2兆4316億円。
同信用売り残は同647億円増の8525億円。
信用倍率は2.85倍に低下(12月14日4.00倍、10月26日4.37倍)。
9月21日時点の2.62倍(買い残2兆4245億円、売り残1兆673億円)以来の水準だ。

2月15日時点の裁定買い残は1943億円増の7617億円。
同裁定売り残は1528億円増の4822億円。
ただ3月限だけだと買い残は1065億円増の6739億円。
同売り残は419億円減の2874億円。
翌限以降が買い残は877億円増、売り残は1947億円増という形だ。
前週までゼロだった翌限以降の残が増加してきた。
ということは3月のメジャーSQを睨んだロールオーバーが進み始めたということ。
数字だけを見ていると間違う可能性がある。
特に売り残の2000億円近い増加には要注意だ。

火曜の衆議院予算委員会。
黒田日銀総裁のウィットに富んだコメント。
「必要になれば追加緩和策を検討する」。
金利はまたマイナス状態で未来に希望は少ない水準。
それでもまだ追加金融緩和を考える姿勢。
教科書的には悪くはないが・・・。

(兜町カタリスト 櫻井英明)

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