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英明コラム 3月第3週 マーケットストラテジーメモ
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《マーケットストラテジーメモ》3月第3週
 
14日(月):
週末のNY株式市場で主要3指数は揃って続落。視点はFOMCとの解釈。プーチン大統領がウクライナ協議で一定の進展があったと発言。株価は上昇して推移したがインフレ金利上昇懸念が台頭した。大型グロース株が下落。アップルが2.4%安、テスラは5.1%安。メタ・プラットフォームズが3.9%下落。週間でS&P500が2.9%安と続落。NYダウは5週続落。
 
日経平均株価は145円安の25307円と反発。米株価指数先物が堅調に推移したことを好感。バリュー(割安)株を中心に断続的に買いが入った。東証1部の売買代金は2兆6680億円。2月21日の2兆3068億円以来の低水準。トヨタ、三菱UFJが上昇。SBG、ソニーが下落。昨年9月14日高値期日通過。3月権利配当分約237円程度が逆ザヤ。
 
15日(火):
週明けのNY株式市場で主要3指数はマチマチの動き。NYダウは小幅高。原油安を好感しNYダウは午前中は451ドル高まで上昇。買い一巡後は長期金利上昇が嫌気され午後は一時126ドル安まで下落。NASDAQとS&P500は続落。「FOMCで利上げが見込まれハイテク株やグロース株の売りが膨らんだ」。取ってつけたような声が聞こえる。
 
日経平均株価は38円高の25346円と小幅に続伸。FOMCを控えて方向感のない展開となった。東証一部の売買代金は2兆7976億円。日産自、サッポロが上昇。ファーストリテ、大平金が下落、
 
16日(水):
火曜のNY株式市場で主要3指数は大幅上昇。原油価格の続落を好感。2月卸売物価指数(PPI、最終需要向け財・サービス)の伸びは市場予想を下回った。「投資家のインフレ懸念が和らいだ」との日替わり解釈だ。マイクロソフトが3.87%高、アップルが2.97%高。デルタ航空は8.7%高、ユナイテッド航空は9.19%高。市場の関心はFOMC。そして中国での新型コロナウイルス感染拡大とウクライナとロシアの停戦に向けた協議。
 
日経平均株価は415円高の25782円と3日続伸。3月メジャーSQ値25457円をようやく上回った。東証一部の売買代金は3兆1947億円。大引けで6000億円の売買で膨らんだ。東レ、トヨタが上昇。第一三共、NTTが下落。
 
17日(木):
水曜のNY株式市場で主要3指数は不安定な動きながらも大幅続伸。S&P500は2%超、NASDAQは4%近く上昇した。FRBはFOMCでFF金利の誘導目標を0.25%ポイント引き上げ。年末時点での金利見通しは1.75─2.00%。ややタカ派的となった。株価指数はFOMC声明発表後に上昇幅を大きく縮小。S&P500とNYダウは一時マイナス圏も。ただパウエルFRB議長の会見を受けて上昇した。2月の小売売上高は前月比0.3%増加。市場予想は0.4%増だった。前年同月比では17.6%増加した。
 
日経平均株価は890円高の26652円と4日続伸。25日線を回復した。節目の26000円台を回復したのは3月1日以来。東証一部の売買代金は3兆5544円。ファナック、東エレが上昇。JR東、丸紅が下落。
 
18日(金):
木曜のNY株式市場で主要3指数は続伸。ロシアのデフォルト(債務不履行)の可能性を巡る懸念が後退。過去3日間の上昇率が昨年11月上旬以来の大きさとなった。S&P500は3日連続で1%超上昇。
 
週間新規失業保険申請件数は21万4000件と前週比1万5000件減少。市場予想は22万件。週間の継続受給件数は7万1000件減の141万9000件。1970年2月以来約52年ぶりの低水準となった。フィラデルフィア連銀業況指数は27.4と2月の16.0から上昇。昨年11月以来の高水準となった。市場予想は15.0だった。2月の鉱工業生産指数は、製造業の生産指数が前月より1.2%上昇。市場予想の0.6%上昇を上回った。
 
日経平均株価は174円銭高の28627円と5日続伸。3連休控えの割には底堅かった。5日続伸は昨年9月以来。TOPIXは1900ポイント台に乗せた。東証一部の売買代金は4兆1427億円。昨年11月30日以来の高水準。FTSEの銘柄入れ替えの影響もあった。大平金、トヨタが上昇。日産自、小田急が下落。
 
(2) 欧米動向
 
ミシガン大消費者信頼感指数(速報値)は59.7と2月確報値の62.8から低下。
2011年9月以来の低水準となった。
ガソリン価格が過去最高値を付けたことが影響し予想以上の落ち込み。
1月の貿易収支は、輸入の増加に伴い赤字が前月比9.4%増の897億ドルに拡大。
過去最大となった。
市場予想は871億ドル。
昨年12月の赤字は820億ドル。
 
(3)新興国動向
 
ロシア中央銀行は政策金利を20%で据え置いた。
中銀は、ウクライナ侵攻を受けた西側諸国の制裁で発動でルーブルが急落したため、2月28日に9.5%から20%の緊急利上げを実施。
当面ロシアはドル建て国債の利払いを行いデフォルト(債務不履行)は回避している。
 
【展望】
 
スケジュールを見てみると・・・。
 
【3月】5勝5敗、(勝率50%。10位)
 
気学では「初旬は戻り売り。一進一退で続かず。後半に下げ」。
 
3月21日(月)春分の日で休場、まん延防止法期限
3月22日(火)22年度予算成立、株高の日L、FTSE日本株指数半期リバランス実施
3月23日(水)米新築住宅販売
3月24日(水)全国百貨店売上高、じぶん銀行PMI、米耐久財受注、経常収支、EU首脳会議、上げの特異日、変化日
3月25日(金)企業向けサービス価格指数、米中古住宅仮契約、独Ifo景況感、株高の日
3月27日(日)香港行政官選挙、欧州各国が夏時間入り
3月29日(火)失業率、有効求人倍率、3月権利付き最終日、米CB消費者信頼感、CS住宅価格指数、FHFA住宅価格指数、JOLT求人件数、株安の日L
3月30日(水)商業動態統計、米ADP雇用レポート、
3月31日(木)鉱工業生産、3G携帯サービス終了、米個人所得、シカゴ購買部協会景気指数、中国製造業非製造業PMI、株安の日
4月1日(金) 日銀短観、自動車販売台数、米雇用統計、ISM製造業景況感、中国製造業PMI、イスラムラマダン入り
 
「今日の株はなぜ高い?」。
「買いたい人が多いから」。
「今日の株はなぜ安い?」。
「売りたい人が多いから」。
この問答は単純軽薄すぎてよくバカにされる。
しかし事の本質はついている。
ではなぜ買いたい人が多いのか、となって初めて材料が登場する。
当たり前すぎる問答なので省略されるが、実は大切な問答だ。
ひょっとすると経理上のためになくなく売っている人が多い場合。
市場関係者はウクライナとか金利上昇とかさまざまな下げの理由を見つけようとする。
しかし実態は益出しの売りに押された、だとしたら実に滑稽極まりない。
これもまた市場の論理なのである。


(兜町カタリスト 櫻井英明)

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