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英明コラム 6月第3週 マーケットストラテジーメモ
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《マーケットストラテジーメモ》6月 第3週
 
9日(月):
週末のNY株式市場で薄商いながら主要3指数は1%超の反発。5月の米雇用統計が堅調で景気懸念が和らいだ。
前日急落したテスラが上昇に転じたことも好感。S&P500は2月21日以来の6000ポイント台乗せ。トランプ米大統領は米中が9日にロンドンで通商問題を協議する会合を開くと表明。これも好材料視された。5月の雇用統計で非農業部門雇用者数は13万9000人増加と前月から減速。失業率は3カ月連続で4.2%。
 
日経平均株価は346円高の38088円と続伸。終値で3万8000円台に乗せるのは5月29日以来。米雇用統計で非農業部門の雇用者数や平均時給の伸びが市場予想を上回り、米景気を巡る懸念が後退したとの解釈。ただ上値は重かった。TOPIXは続伸。東証プライムの売買代金は3兆4616億円。大塚HD、アドテストが上昇。エムスリー、トレンドが下落。日経平均は上向きの200日線(37889円)から△0.52%(前日▲0.35%)。
 
10日(火):
週明けのNY株式市場で主要3指数はマチマチの展開。S&P500とナスダック総合は続伸。S&P500は2月に付けた史上最高値まで約2%。ナスダックは昨年12月に付けた史上最高値まで約3%。アマゾンとアルファベットがそれぞれ1%超上昇。アップルは1.2%下落。9日に年次ソフトウエア開発者会議を開催したが「目新しさに欠けた」との解釈。
 
日経平均株価は122円高の38211円と3日続伸。「前日の米ハイテク株高や円安・ドル高を支えに買いが優勢だった」との解釈。午後は利益確定売りが膨らみ上昇幅を縮小した。TOPIXは3日続伸。東証プライムの売買代金は4兆661億円。信越化、第一三共が上昇。東エレク、フジクラが下落。信用買い残は9週ぶりに4兆円台。
 
11日(水):
火曜のNY株式市場で主要3指数は揃って上昇。「関税を巡る対立解消を目指す米中貿易協議の進展に期待」との解釈。テスラが5.6%上昇。アルファベットが1.4%上昇。マイクロソフトが0.4%下落。SOX指数は3日続伸。
 
日経平均株価は209円高の38421円銭と4日続伸。上げ幅は一時300円を超えたが、買い一巡後は戻り待ちの売りや利益確定目的の売りが出て上値を抑えた。東証プライムの売買代金は4兆483億円。ソシオネクス、スクリンが上昇。三菱電、ダイキンはが下落。
 
12日(木):
水曜のNY株式市場で主要3指数は揃って反落。「中東情勢の緊迫化に圧迫された」という解釈。上げ下げに何か理由を求めざるを得ない市場解釈の宿命だろうか。確かに在イラク米大使館は地域的な安全保障上のリスクが高まっているとして避難命令を出す準備を進めている。一方で米中はロンドンで2回目の閣僚級通商協議を実施。中国のレアアース(希土類)輸出規制を解消する枠組みなどで合意。「最悪のシナリオはおそらく過ぎ去った。双方にとって少しは面目が保てるだろう」という声も聞こえる。5月の消費者物価指数(CPI)は前年比2.4%上昇。伸びは4月の2.3%からやや加速した。
 
日経平均株価は248円安の38173円と5日ぶりに反落。米関税政策を巡る不透明感が再燃。株価指数先物への売りに押され、日経平均の下落幅は300円を超える場面があった。TOPIXは5日ぶりに反落。東証プライムの売買代金は3兆7650億円。任天堂、良品計画が上昇。ファストリ、リクルートが下落。海外投資家は日本株を10週連続買い越し
 
13日(金):
木曜のNY株式市場で主要3指数は揃って反発。ソフトウエア大手オラクルの通期売上高見通しの上方修正を受けてAIを巡る楽観的な見方が拡大。「中東情勢緊迫化に対する懸念やボーイング株の下落を相殺した」との解釈。オラクルが13.3%上昇し過去最高値を更新。マイクロソフト、エヌビディア、ブロードコムも1%以上上昇。エヌビディアは終値ベースで戻り高値更新。インド西部の都市アーメダバードでエア・インディアのボーイング機が墜落。ボーイングは約5%下落。3市場の合算売買高は235億株(前日189億株、過去20日平均は180億株)。異常に増加。
 
日経平均株価は338円安の37834円と続落。イスラエルがイランの核関連施設を攻撃したことを悪材料視。「低リスク通貨」とされる円が1ドル142円台まで円高・ドル安に振れたことも影響した。下落幅は一時600円を超えた。TOPIXは続落。東証プライムの売買代金は5兆1899億円。アドテスト、重工が上昇。東エレク、トヨタが下落。6月メジャーSQ値38172円は上回れず「幻のSQ値」。
 
(2)欧米動向
 
☆第71回ビルダーバーグ会議は2025年6月12日から15日まで、スウェーデンのストックホルムで開催。
 
今年の議論のトピックは次のとおり。
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大西洋を越えた関係
ウクライナ
米国経済
ヨーロッパ
中東
権威主義的な枢軸
防衛イノベーションとレジリエンス
AI、抑止力、国家安全保障
増殖
エネルギーと重要鉱物の地政学
過疎化と移住
 
 
(3)新興国動向
 
 中国の李強首相は北京を訪問しているECBのラガルド総裁と面談。
「国際通貨システムの改革を含むECBとの協力を強化する用意がある。
中国とEUは開かれた協力を推進し、多国間的な協調を維持しなくてはならない。
中国はEUとの市場の連結性のほか、産業の相乗効果を強化する用意がある」とコメントした。
 


(兜町カタリスト 櫻井英明)

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