《マーケットストラテジーメモ》3月 第1週
26日(月):
週末のNY株式市場で主要3指数は小動き。S&P500とNYダウは連日で終値ベースの最高値を更新。週間ベースで主要3指数はそろって上昇。エヌビディアは0.4%高。取引時間中に時価総額が初めて2兆ドルを突破した。「FRBの利下げ観測の後ずれへの懸念はある。しかしエヌビディアを中心とするハイテク大手に極めて強い集中」という解釈だ。
日経平均株価は135円高の39233円と続伸。連日の史上最高値更新。上昇幅は一時300円近くになった場面もあったが一方的な上値追いとはならなかった。東証プライムの売買代金は5兆1119億円。信越化、ファナックが上昇。ソニー、OLCが下落。
27日(火):
週明けのNY株式市場で主要3指数は小幅安。「個人消費支出(PCE)価格指数、耐久財受注、消費者信頼感待ち」との解釈。もっともS&P500は過去17週のうち15週上昇。ドイツ銀行によると、これは過去50年間で1989年の一度しか起きていないという。マイクロン・テクノロジーが4.02%上昇。フィラデルフィア半導体指数(SOX)は1.05%上昇。一方グーグル親会社アルファベットは4.44%下落。バークシャー・ハザウェイは1.94%安。
日経平均株価は5円高の39239円と3日続伸。東証プライムの売買代金4兆9907億円。日立造船、哲が上昇。住友不動産、資生堂が下落。信用残は4兆円台乗せ。
28日(水):
火曜のNY株式市場で主要3指数は小動き。過去最高値水準をキープしながら1月の個人消費支出(PCE)価格指数待ちの展開。市場が織り込む6月の0.25%利下げ確率は59.1%。利下げがほぼ確実視されていた1月末時点から低下している。1月の耐久財受注は前月比6.1%減と2020年4月以来最大の落ち込みとなった。市場予想は4.5%減だった。
日経平均株価は31円安の39208円と反落。バリュー株や出遅れ株を物色する流れは続き下値を支えた格好。投資家心理は楽観に傾いているなかで売り圧力は限られ、引けにかけて下落幅を縮める展開。TOPIXは反落。東証プライムの売買代金は4兆7762億円。リクルート、ファナックが上昇。オムロン、信越化が下落。信用評価損率は▲4.77%(前週▲5.57%)。
29日(木):
水曜のNY株式市場で主要3指数は揃って下落。「個人消費支出(PCE)価格指数発表を控え失速」との解釈。目印がないと動けない人たちの相場観に過ぎない。医療保険・医療サービス大手ユナイテッドヘルス・グループが4.93%下落。半導体製造装置メーカーのアプライド・マテリアルズが2.62%下落。一方、植物由来の代替肉を製造・販売するビヨンド・ミートbは30.72%急伸。日経平均株価は41円安の39166円と続落。前日の米株安を受けて価指数先物に売り物優勢の展開。
日経平均の下落幅は一時300円を超えた。日銀による早期の金融政策正常化への思惑も相場の重荷となった。もっとも後場は下落幅を縮小し一時プラスに転じた場面もあった。東証プライブの売買代金は6兆403億円。セブンアイ東エレ、が上昇。リクルート、ファナックが下落。
30日(金):
木曜のNY株式市場で主要3指数は揃って上昇。株高の日に登場するのは「利下げへの期待が高まった」というお決まりの文句だ。エヌビディアやAMD、デル・テクノロジーズが上昇。ナスダックは2021年11月19日に付けた過去最高値の1万6057.44ポイントを上回った。S&Pは前週に更新していた最高値の5088.80を上回った。月間ではS&Pは5.17%高、ナスダックは6.12%高、ダウは2.22%高。主要3指数はいずれも4カ月連続の上昇。小型株で構成されるラッセル2000は2月に5.45%上昇。
日経平均株価は744円高の39110円と3日ぶりに反発。3日ぶりに最高値を更新。大引け間際には心理的節目の4万円にあと10円程度まで迫る場面があった。東証プライムの売買代金は5兆1146億円。中外薬、トヨタが上昇。イオン、サッポロが下落。今年の金曜は7勝1敗。
(2)欧米動向
1月の個人消費支出(PCE)価格指数は前年同月比2.4%上昇。
伸びは前月の2.6%から縮小。
2021年2月以来の低さとなった。
前月比では、サービス価格の上昇を背景に0.3%上昇。
昨年12月は0.1%上昇と、従来の0.2%上昇から下方修正。
1月は前年同月比と前月比が共に市場予想と一致した。
変動の大きい食品とエネルギーを除いたコアPCE価格指数は前年同月比2.8%上昇。
伸びは12月の2.9%から縮小。
21年3月以来の低さとなった。
前月比では0.4%上昇。
昨年2月以来の大幅な伸びとなった。
(3)新興国動向
中国で5日から全国人民代表大会(全人代、国会に相当)が開かれる。
成長を安定させる緩やかな景気刺激策を発表する見通し。
李強首相は今年の経済目標を発表し、政府活動報告を行う。
【展望】
【3月】(5勝5敗:勝率50%)
買い方針のとき。銘柄を選別し、長期戦の構えで進め。
4日(月)法人企業統計、マネタリーベース、米トランプ元大統領初公判、株高の日、変化日
5日(火)ISM非製造業景況感、製造業受注、スーパーチューズデー、中国全人代開幕、株高の日L
6日(水)米ADP雇用レポート、JOLTS求人件数、パウエルFRB議長下院証言
7日(木)都心オフイス空室率、米ベージュブック、貿易収支、ECB理事会、中国貿易収支、株安の日L
8日(金)景気ウオッチャー調査、家計調査、メジャーSQ、米雇用統計、
カルチャーテクノロジーの「SXSW(サウス・バイ・サウスウェスト米オースティン→16日)
メジャーSQ、株高の日L
9日(土)中国生産者消費者物価
10日(日)米国夏時間(→11月8日)、アカデミー賞授賞式
11日(月)マネーストック、実質GDP(二次速報)、ラマダン入り(→4月11日) 株高の日
12日(火)国内企業物価指数、法人企業統計、米消費者物価指数、財政収支
13日(水)株安の日、変化日
14日(木)米小売売上高、生産者物価、
15日(金)第三次産業活動指数北陸新幹線延伸、NY連銀製造業景況感、鉱工業生産、ミシガン大学消費者信頼感速報値
ジブリパーク「魔女の谷」オープン、FTSE日本株パッシブ売買インパクト、
3月最強の日、天赦日、株高の日
16日(土)北陸新幹線金沢-敦賀開業
17日(日)自民党大会、ロシア大統領選挙
18日(月)日銀金融政策決定会合(→19日)、機械受注、米NY連銀ビジネスリーダースサーベイ、NAHB住宅指数、CERAウイーク(米ヒューストン→22日)
19日(火)FOMC(→20日)、独ZEW景況感、変化日
20日(水)春分の日で休場 上げの特異日
21日(木)貿易統計、首都圏マンション発売、米フィラデルフィア連銀製造業景気指数、経常収支、S&Pグローバル米製造業PMI、株高の日
22日(金)消費者物価、独IFO景況感、株高の日L
24日(日)日本維新の会党大会
25日(月)米耐久財受注、新築住宅販売、CB消費者信頼感、株高の日、変化日
26日(火)企業向けサービス価格指数、米ケース・シラー米住宅価格指数、耐久財受注、CB消費者信頼感、株高の日、満月(ウルフムーン、ワームムーン)
27日(水)ニューヨーク国際自動車ショー(→4月4日)3月末権利付き最終日
28日(木)米シカゴ購買部協会景気指数
29日(金)東京都区部消費者物価、失業率、鉱工業生産、米個人所得、聖金曜日、日経平均定期入れ替えパッシブ売買インパクト、プロ野球開幕、株安の日L
30日(土)フォーミュラE世界選手権、第7戦東京 E-Prix(東京大会)
(兜町カタリスト 櫻井英明)