《マーケットストラテジーメモ》 4月第1週
28日(月):
週末のNY株式市場でS&P500とNYダウは続伸。債券利回りが約3年ぶりの水準に急伸し金融セクター株が上昇。一方、ハイテク株や大型グロース株が軟調。NASDAQは引け前に下落幅を縮小したものの小幅反落。週間ではNASDAQは2%、S&Pは1.8%、NYダウは0.3%上昇。
日経平均株価は205円安の27943円と10日ぶりに反落。「9日続伸のあとの利益確定売り」との解釈。下落幅は一時300円を超えた。「ウクライナ問題、米国の金融引き締めといった悪材料が横たわるなかでも戻してきた日経平均。年度末特有の需給要因も加わり、世界の主要指数のなかで顕著な上げ。
ただ、連騰の後の急落劇を昨年9月に経験したばかりだ」という声もある。円相場が1ドル=123円台まで下落。輸出関連に追い風になるとの見方から株価指数先物に買いが入って下げ渋った場面もあった。TOPIXは続落。東証1部の売買代金は2兆5820億円。トヨタ、INPEXが上昇。郵船、三井住友が下落。
29日(火):
週明けのNY株式市場で主要3指数は揃って上昇。NYダウは午前は売りが先行。昼ごろに309ドル安まで下げた場面があった。S&P500は一時0.6%下落する場面もあったが持ち直してプラス圏で引けた。テスラが株式の分割を巡り承認を要請すると表明。株価は8.03%急伸。10年国債利回りは2.465%。一時2.55%と19年4月以来の高水準まで上昇。
2年国債利回りは2.336%。一時19年4月中旬以来の高水準まで上昇した。5年債と30年債の利回り差は一時マイナスとなり06年2月以降で初めてゼロを下回った。ドル円は1ドル=123円台後半。
日経平均株価は308円高の28252円と高値引けで反発。1月18日以来およそ2カ月ぶりの高値となった。米原油先物相場の下落や円安・ドル高基調を材料に朝方から買いが優勢だった。3月期末の配当権利付き最終売買日で配当再投資に絡んだ先物買い期待も相場を押し上げた。東証1部の売買代金はで3兆2489億円。ファストリ、エムスリーが上昇。塩野義、三井不が下落。
30日(水):
火曜のNY株式市場で主要3指数は揃って上昇。「ロシアとウクライナの停戦交渉で紛争解決に向け進展。これが追い風」との解釈。不動産セクターは3%上昇。フェデックスは3.70%高。原油先物格が1%超下落したことからエネルギーセクターが軟調。2月の雇用動態調査(JOLTS)で求人件数は1万7000人減の1126万6000人。2カ月連続で減少。ただ昨年12月に付けた過去最高(1144万8000人)に近い水準。市場予想は1100万人だった。1月のS&Pコアロジック・ケース・シラー住宅価格指数(主要20都市)は前年同月比19.1%上昇。
日経平均株価は225円安の20827円と反落。配当落ち分を考慮すると実質は小幅にプラスだった。東証一部の売買代金は3兆4315億円。東電、資生堂が上昇。郵船、出光興産が下落。
31日(木):
水曜のNY株式市場で主要3指数は揃って反落。ロシアとウクライナの停戦交渉に進展の兆しが見られないこと。FRBの積極的利上げに対する警戒感。これらが嫌気されたとの解釈。S&P500は1、2月に月間で下落した後、3月は5%超上昇。
ADP全米雇用レポートで民間部門雇用者数は45万5000人増。市場予想は45万人増だった。2月の雇用者数は48万6000人増。当初発表の47万5000人増から上方修正された。2021年第4四半期の実質GDP確定値は年率換算で前期比6.9%増。2月に発表された改定値の7.0%増からやや下方修正された。
日経平均株価は205円の安の27821円と続落。中国の経済指標の悪化を懸念したとの解釈。日銀短観、米雇用統計などを明日に控え様子見モードも台頭した。東証一部の売買代金は3兆2438億円。郵船、東エレが上昇。リクルート、野村が下落。
1日(金):
木曜のNY株式市場で主要3指数は揃って続落。ウクライナとロシアの和平交渉への期待が後退したとの解釈。市場は常に無理やり材料求めるが実際は四半期末の調整と考えられよう。四半期でS&P500は4.9%安。約2年ぶりの大幅下落となった。
NYダウは4.6%安、NASDAQは9.1%安。月間では、S&Pは3.6%高、NYダウは2.3%高、NASDAQは3.4%高。週間の新規失業保険申請件数は20万2000件。前週より1万4000件増。市場予想は19万7000件増だった。雇用統計で非農業部門雇用者数が前月より49万人増の予想。失業率は3.7%と、約2年ぶりの低水準に改善するとの見方。2月の個人消費支出(PCE)価格指数は前年同月比6.4%。前月の6.0%から加速し1982年以降で最も高くなった。
日経平均株価は155円安の27665円と3日続落。日銀短観で大企業製造業の景況感を示す業況判断指数(DI)は3ポイント悪化しプラス14、悪化は2020年6月調査以来7四半期ぶり。日経平均の下落幅は一時400円を超えたが円安トレンドなどから下げ渋り。東証1部の売買代金は2兆3935億円。値上がり1080銘柄。値下がり1002銘柄。コナミ、TDKが上昇。郵船。塩野義が下落。
(2) 欧米動向
米予算教書で使役されたのは「自社株買いへの課税の提案」。
自社株買いに治しての1%の課税。
そして企業幹部が数年間持ち株を売却できない規制。
自社株買いへの課税は史上初のことだ。
因みに1%課税だと今後10年間で1240億ドルの税収が見込めるという。
年間で1兆ドルもの自社株買いは確かに派手だ。
余剰資金を自社株買いでなく賃金や開発資金に回せというのはわかる。
だからといって課税というのは早急だろう。
税金は取れそうなところから取るというのは古今東西不変のようだ。
(3)新興国動向
財新/マークイットが1日発表した3月の中国製造業購買担当者景気指数(PMI)は48.1。
2020年2月以来約2年ぶりの低水準。
国内の新型コロナウイルス感染拡大やウクライナでの戦争による経済への影響で生産と需要が急激に落ち込んだ。
【展望】
スケジュールを見てみると・・・。
【4月】6勝4敗、(勝率60%、4位)
気学では「初旬に波乱あり。静観して見送りが良い」。
4月1日(金)日銀短観、成人延齢を18歳に引き下げ、使い捨てプラの使用量削減義務化、米雇用統計、ISM製造業景況感、中国製造業PMI、ラマダン入り、上げの特異日
4月3日(日)中国清明節(→5日)
4月4日(月)東証が新3市場に移行、マネタリーベース、米製造業受注、中国・台湾休場
4月5日(火)家計調査、TDLにトイ・ストーリーホテル開業、米貿易収支、ISM非製造業景況感、中国清明節、変化日
4月6日(水 FOMC議事録、株安の日L
4月7日(木)トシンオフィス空室率、景気動向指数、米消費者信用残高、株高の日L、TOPIX7ー9月決算企業浮動株比率見直し
4月8日(金)オプションSQ、景気ウォッチャー調査、国際収支
4月10日(日)フランス大統領選第1回投票
4月11日(月)忠後k生産者・消費者物価、株安の日L
4月12日(火)企業物価指数、米消費者物価指数、独ZEW景況感
4月13日(水)機械受注、マネーストック、米生産者物価、貿易収支
4月14日(木)米小売売上高、ミシガン大学消費者信頼感、ECB理事会、ECB総裁会見
4月15日(金)米市場休場(グッドフライデー)、鉱工業生産、米財務省為替報告書、変化日
4月19日(火)米住宅着工件数
4月20日(水)貿易収支、米ベージュブック
4月21日(木)米フィラデルフィア連銀製造業景況感、変化日
4月22日(金)千葉市でXゲーム国際大会開催、IMF世銀春季総会(ワシントン)
4月26日(金)米耐久財受注、新築住宅販売件数、消費者信頼感
4月27日(水)日銀金融政策決定会合(→28日)、変化日。TOPIXパッシブ売買インパクト
4月28日(木)日銀展望レポート、米第2四半期GDP速報値、東証REITCORE指数年次リバランス基準日
4月29日(金)米シカゴ購買部協会景気指数、ミシガン大学消費者信頼感、ユーロ圏GDP速報値、昭和の日で休場
4月30日(土)ラマダン明け 中国労働節(→5月2日)
イスラム圏では4月末までラマダン入り。
3日(日)が中国清明節。
4日(月)は東証が新3市場に移行。
東証1部の呼称が消え、プレミア・スタンダード・グロースになる。
新指数は新スタートだからヒストリカルはなくなり新たなスタート。
誕生を見届ける気分だ。
日経系の指数は残るので従来通りだが・・・。
(兜町カタリスト 櫻井英明)