《マーケットストラテジーメモ》08月 第4週
21(月):
週末のNY株式市場で主要3指数はマチマチの動き。ディフェンシブセクターとエネルギー株は上昇。ただ大型グロース株が下落した。アルファベットが1.9%、テスラが1.7%安。エヌビディアは0.1%安となったが週間では上昇。VIX(恐怖)指数は約3カ月ぶりの高値水準。NASDAQ総合は週間で2.6%安。過去3週間で7.2%下落し昨年12月下旬以来の大幅な下げ。S&P500は4.6%安。3月10日までの3週間以来最大の下げ。
日経平均株価は114円高の31565円と4日ぶりに反発。「米長期金利の上昇が一服したことをきっかけに、海外投機筋などによる日経平均先物への買い戻しが優勢」との解釈。東証プライムの売買代金は2兆5854億円。ファストリ、東エレクが上昇。ダイキン、安川電が下落。
22日(火):
週明けのNY株式市場で主要3指数はマチマチの動き。23日週内に四半期決算を発表する半導体大手エヌビディアが8.5%高と急伸。NASDAQ総合は1%超高。SOX(半導体株)指数は2.8%上昇した。一方、NYダウは小反落。一時下
2年国債と10年国債の利回り格差はマイナス0.656%。
日経平均株価は291円高の31858円と続伸。前日の米株式市場でハイテク株が上昇。値がさの半導体関連株などに買いが波及した。東証プライムの売買代金は2兆7279億円。SBG、トヨタが上昇。ファーストリテ、エーザイが下落。
23日(水):
火曜のNY株式市場で主要3指数はマチマチの動き。NYダウとS&P500は小幅に反落。S&Pグローバルが複数の米銀の格付けを引き下げたことから金融セクターは0.9%安。「ジャクソンホールとエヌビディアの決算待ち」という雰囲気だ。エヌビディア株は一時過去最高値の481.87ドルを付けたが引けは2.8%安。百貨店大手のメーシーズが14.1%安。年末商戦時期の個人消費が軟調になるとの見方を示した。3市場の合算出来高は93.8億万株(直近20日は109.7億株)と低調。
日経平均株価は153円高の32020円と3日続伸。32000円台を回復した。「海外短期筋とみられる日本株の先物買いが優勢となった」との解釈。東証プライムの売買代金は2兆5093億円。4日連続3兆円割れで4月25日以来の薄商い。ファストリ、ダイキンが上昇。東エレク、アドテストが下落。日足は5日連続で陽線。
24日(木):
水曜のNY株式市場で主要3指数は揃って上昇。エヌビディアへの期待を背景にテクノロジー株に買い物優勢。マイクロソフトは約2%高。エヌビディアの第2四半期の売上高は135億1000万ドル。市場予想は112億2000万ドルだった。人工知能(AI)向け半導体の需要急増が追い風。市場予想の76億9000万ドルを20億ドル以上上回った。第3四半期の売上高予想は約160億ドルプラスマイナス2%。市場予想は126億1000万ドルだった。
日経平均株価は276円高の32287円と4日続伸。東証プライムの売買代金2兆9084億円。東エレ、レーザーテックが上昇。第一生命、アステラスが下落。
25日(金):
木曜のNY株式市場で主要3指数は揃って大幅反落。ジャクソンホールの不透明感が背景との解釈。前日に好決算を発表したエヌビディアは小幅高。一時史上最高値を更新した。7月の耐久財受注統計で航空機を除く非国防資本財(コア資本財)受注は0.1%増加。市場予想と一致した。週間新規失業保険申請件数(季節調整済み)は23万件と前週から1万件減少。減少は2週連続。市場予想は24万件だった。フレディマック)によると期間30年の住宅ローン固定金利は平均7.23%と先週の7.09%から上昇。2001年以来20年超ぶりの高水準となった。
日経平均株価は662円安の3万1624円28銭と大幅反落。下落幅は今年2番目。東証プライムの売買代金は2兆7987億円。6日連続3兆円割れ。川船、オリンパスが上昇。アドバンテスト、イビデンが下落。
(2) 欧米動向
毎年8月のワイオミング州ジャクソンホールという避暑地での金融風物詩は通過。
パウエル議長は「一段の金融引き締めを実施すべきかどうかの決定は慎重に進める。
しかしFRBは依然としてインフレが目標の2%に回帰するために政策金利が十分に高いとは結論付けていない」。ことばはあるが何も言ってないのと一緒。しかし事前に振り回され事後は忘却の好事例になるのだろう。
(3)新興国動向
ゴールドマン・サックスはMSCIアジア太平洋株指数(除く日本)の12カ月目標を580から555に引き下げた。
中国の成長低迷と不動産部門不振が波及する可能性が背景。
同指数は現在504ポイント前後で、年初から0.3%近く下落。
ゴールドマンは今週すでにMSCI中国株指数の通年1株利益伸び率予想を14%から11%に引き下げ。
12カ月目標を70から67に引き下げた。
【展望】
【8月】(5勝5敗:勝率50%)
突っ込みを買って吹き値で利食いすること。
28日(月)テニス全米オープン(→9月10日)
29日(火)失業率、米JOLTS求人件数、FHFA住宅価格指数、コアロジックCS住宅価格指数、株高の日L
30日(水)消費動向調査、米ADP雇用レポート、JPX400・JPX中小型パッシブ売買インパクト
31日(木)鉱工業生産、商業動態統計、米個人所得支出、中国製造業PMI、非製造業PMI、MSCI日本指数パッシブ売買インパクト
【9月】(7勝3敗:勝率70%)
初旬買い方針。後半波乱相場あり。
1日(金)法人企業統計、米雇用統計、ISM製造業、中国財新製造業PMI、変化日
2日(日)ASEAN首脳会議(→5日、インドネシア)
4日(月)マネタリーベース、米レーバーデーでNY休場、株安の日、9月最弱の日、金星順行
5日(火)家計調査、米製造業受注、国連総会、東方経済フォーラム(ウラジオストック→8日)
6日(水)米貿易収支、ISM非製造業景況感、ベージュブック、株安の日
7日(木)景気動向調査、都心オフィス空室率、中国貿易収支、変化日
8日(金)景気動向調査、GDP2次速報値、毎月勤労統計、メジャーSQ、ラグビーワールドカップ開幕(フランス→10月28日)
9日(土)G20サミット(ニューデリー→10日)、中国消費者生産者物価
10日(日)ウクライナ東南部4州地方選挙
11日(月)マネーストック、アドベンチャートラベル・ワールドサミット(北海道→14日)
12日(火)独ZEW景況感
13日(水)法人企業景気予測調査、国内企業物価、米消費者物価、財政収支、北米国際自動車ショー(デトロイト→24日) 株高の日、変化日、9月最強の日
14日(木)機械受注、米小売売上高、生産者物価、ECB理事会
15日(金)第三次産業活動指数、米クアドラプル・ウィッチング。鉱工業生産、輸出入物価、NY連銀製造業景況感、ミシガン大学消費者信頼感、中国各種経済指標、上げの特異日、FTSE日本指数パッシブ売買インパクト
16日(土)水星順行
18日(月)敬老の日で東京休場、米NY連銀ビジネスサーベイ、NAHB州宅価格、対米証券投資
19日(火)首都圏マンション販売、米FOMC(→20日)、住宅着工、SDGsに関する国連サミット(ニューヨーク→20日)、株高の日、変化日
20日(水)貿易統計、訪日外客数、パウエルFRB議長会見、株安の日
21日(木)日銀金融政策決定会合(→22日)、米経常収支、中古住宅販売、フィラデルフィア連銀製造業景況感
22日(金)消費者物価、米S&Pグローバル製造業PMI、株安の日
23日(土)秋分の日、動かない日
25日(月)金融庁主催「ジャパンウイークス」初開催(→10月6日)、独IFO景況感
26日(火)企業向けサービス価格、米S&P住宅価格、FHFA 住宅価格、新築住宅販売、CB消費者信頼感、株安の日L、
27日(水)権利付き最終日、米耐久財受注、株高の日L
28日(木)米GDP確定値、中古住宅販売仮契約、ゴルフ日本女子オープン(→10月1日)変化日
29日(金)インボイス登録受付終了、中国製造業非製造業、PMI中国中秋節(→10月6日)、株高の日L、日経平均パッシブ売買インパクト
(兜町カタリスト 櫻井英明)