《マーケットストラテジーメモ》 10月 第4週
18日(月):
週末のNY株式市場で主要3指数は揃って続伸。NYダウの週間上昇率は1.6%と6月25日終了週以来の高さ。S&P500も週間で7月23日終了週以来の大幅高。ゴールドマンが3.8%高。第3四半期決算は利益が66%増加。市場予想を大幅に上回った。四半期決算が予想を上回ったアルミ大手アルコアは15.2%急伸。S&P500採用企業の第3四半期利益は前年同期比32%増加すると見通し。小売売上高は前月比0.7%増。市場予想は0.2%減だった。
日経平均株価は43円安の29025円と3日ぶりに反落。朝方はやや買いが先行したものの続かず。マイナス圏に沈み、その後はプラス圏に再浮上する場面もあったが売り直された。「売買材料が乏しく値動きは限定的」との解釈。中国GDPの軟調も影響薄。東証1部の売買代金は2兆5295億円。トヨタ、ファーストリテが上昇。SBG、レーザーテックが下落。
19日(火):
週明けのNY株式市場で主要3指数はマチマチ。NYダウは3日ぶりに小反落。ディズニーの下落を重荷として下落幅は一時260ドルまで拡大。
一方S&P500とNASDAQが4日続伸。中国のGDPの軟調を嫌気し売りもの優勢のスタートだった午前の取引終盤に買いが加速。フェイスブック、アップル、アマゾン・ドット・コム、ネットフリックス、アルファベットの「FAANG」銘柄。マイクロソフトが上昇。アップルは1%高。フェイスブックは3%超上昇。
鉱工業生産統計は、製造業生産指数が予想に反し0.7%低下。世界的な半導体不足が続く中、自動車生産が落ち込んだ。市場予想は0.1%上昇だった。
日経平均株価は190円高の29215円と反発。上昇幅は一時200円を超え25日線を上回った場面もあったが終値では10円ほど下回った。東証一部の売買代金は2兆4409億円。東エレ、ファーストリテが上昇。アステラス、トヨタが下落。
20日(水):
火曜のNY株式市場で主要3指数は揃って上昇。S&P500は5日続伸し9月初旬に付けた終値での最高値までわずか0.4%の水準に迫った。NYダウは8月半ばに付けた最高値にあと0.5%の水準。調整後1株利益予想を上方修正したJ&Jが2.3%高。トラベラーズも四半期利益が予想を上回り1.6%高。アップル、フェイスブック、マイクロソフトが上昇。ネットフリックスは0.2%高で終了後、時間外取引でさらに上昇。住宅着工件数(季節調整済み)は年率換算で前月比1.6%減の155万5000戸。市場の増加予想(162万戸)に反し減少し4月以来の低水準となった。
日経平均株価は40円高の29255円と続伸。約3週間ぶりの高値を回復し15日ぶりに25日線を上回った。結局は売り物に押された印象。東証一部の売買代金は2兆7099億円。SBG、京セラが上昇。富士フイルム、ダイキンが下落。
21日(木):
水曜のNY株式市場で主要3指数はマチマチ。NYダウは8月半ばに付けた過去最高値を上回り取引時間中の高値を更新。S&Pは一時、9月初旬に付けた最高値まで5ポイント以内の水準に迫った。ナスダック総合はテクノロジー株の上昇が一服したことから小幅に下落した。S&P500採用企業の第3四半期利益は前年同期比33%増加する見通し。これまでに決算を発表した企業は全体の約14%。利益が予想を上回った企業の割合は85%超となっている。
日経平均株価は546円安の28708円と3日ぶりに大幅反落。後場下落幅を拡大。米株価指数先物が軟調に推移したことで、海外短期筋などによる日経平均先物への売りが膨らんだ。株安と歩調を合わせるように円が上昇。「これが輸出関連株の下げを加速させた面もあった」との解釈。下落幅は一時550円を超えた。
衆院選をめぐって与党の自民党が議席数を減らし衆院定数の過半数を維持できるかどうかの攻防だと一部の報道も警戒された。東証1部の売買代金は2兆4488億円。KDDI、富士フイルムが上昇、東エレ、レーザーテックが下落。騰落レシオは73.60まで低下した。
22日(金):
木曜のNY株式市場で主要3指数はマチマチ。軟調な四半期決算を発表したIBMが9.6%下落しNYダウは反落。一方でNASDAQは反発しS&P500は7日続伸で過去最高値を更新した。週間新規失業保険申請件数(季節調整済み)は前週比6000件減の29万件。2020年3月半ば以来、1年7カ月ぶりの低水準となった。
中古住宅販売戸数(季節調整済み)は年率換算で前月比7%増の629万戸。1月以来の高水準。市場予想の609万戸も上回った。
日経平均株価は96円高の28804円と反発。中国恒大集団の利息支払い方向を好感したが上値は重かった。東証一部の売買代金は2兆4303億円。エムスリー、コナミが上昇。ファーストリテ、東邦鉛が下落。
(2) 欧米動向
米アマゾン・ドット・コムは年末商戦に備え、米国で15万人を臨時雇用する計画。
臨時雇用する従業員に対し最大3000ドルの一時金を支給。
シフトによっては時間当たり3ドル、割り増し人材確保を目指すという。
昨年の年末商戦では10万人の臨時雇用を発表していた。
(3)新興国動向
中国国家統計局が発表した7?9月のGDP)は、物価の変動を調整した実質で前年同期比4.9%増。
4?6(7.9%増)から減速。
市場予想は5.0%増だったからわずかなが下回っての着地。
先進国のように前期比の伸びを年率換算した成長率は0.8%程度になる。
「回復トレンドがいったん緩んだ形」との解釈だ。先進国のように前期比の伸びを年率換算した成長率は0.8%程度になる。
名目GDPは前年同期から9.8%拡大した。
もっともマーケットインパクトは限定的。
【展望】
スケジュールを見てみると・・・。
【10月】7勝3敗、(勝率70%、2位)
気学では「往来相場。底値鍛錬につき高下を繰り返す。売り買い注意月」
25日(月)独IFO景況感、
26日(火)企業向けサービス価格指数、米CB消費者信頼感、新築住宅販売、S&P住宅価格指数、FHFA住宅価格指数、変化日
27日(水)日銀金融政策決定会合(→28日)、米耐久財受注、天赦日
28日(木)黒田日銀総裁会見、日銀展望レポート、商業動態統計、米GDP速報値、中古住宅販売、ECB定例理事会、TOPIXパッシブ売買インパクト、大幅高の特異日
29日(金)失業率、鉱工業生産、消費動向調査、米個人所得、日経平均パッシブ売買インパクト
30日(土)G20サミット(ローマ→31日)
31日(日)衆議院選挙投開票(仏滅)、中国製造業・非製造業PMI、COP26(→12日)
世界銀行の商品市場見通し。
エネルギー価格は2021年に80%超の高騰。
22年もさらに小幅上昇する見通し。
「短期的に世界のインフレに著しいリスクをもたらす恐れがある」との解釈だ
22年下期には、供給制約が和らぐにつれ、エネルギー価格は低下し始めるとも予想。
ただ現在の在庫不足や供給のボトルネック継続からエネルギー価格が短期的に一段高となる可能性があると警告。
原油価格について、21年は1バレル=70ドル、22年は74ドルに上昇。
23年は65ドルに下落すると予想した。
(兜町カタリスト 櫻井英明)