《マーケットストラテジーメモ》11月第4週
22日(月):
週末のNY株式市場はマチマチの動き。NASDAQは連日で終値の最高値を更新。初めて終値ベースで1万6000ポイント台に乗せた。一方NYダウは続落。週間ではNASDAQが1.2%、S&P500が0.3%上昇。NYダウは1.4%安と2週連続で下落。欧州で新型コロナウイルスの感染拡大抑制に向けたロックダウン(都市封鎖)が再導入。これを警戒し銀行やエネルギー、航空株が下落。
一方でFAANG銘柄はおおむね上昇。ネットフリックスや他の「巣ごもり」関連銘柄が上昇した。エヌビディアは4.1%上昇し3日連続で終値の最高値を更新。SOX指数は0.3%高で最高値を更新。
日経平均株価は28円高の29774円と小幅続伸。米株価指数先物が時間外取引で持ち直したのも支えになった。翌日は祝日で休場となることから様子見姿勢。積極的な上値追いは限られた。塩野義やアステラスなど医薬品株の上昇が相場の押し上げ役。「景気変動の影響を相対的に受けにくいという位置づけ」との解釈だ。29800円から上は重かった。東証1部の売買代金は2兆3720億円と約1カ月ぶりの少なさだ。ファーストリテ、ダイキンが上昇。デンソー、SBGが下落。
24日(水):
火曜のNY株式市場もマチマチの動き。NYダウとS&P500は反発。NASDAQは続落。国債利回りが上昇。テスラは4%超、マイクロソフトは0.6%下落。S&Pグロース指数は0.3%安、バリュー指数は0.8%高。ズーム・ビデオ・コミュニケーションズは15%近く下落。ベスト・バイは12%安。「金利上昇は将来的な利益の現在価値を低下させる傾向がある。バリュエーションが最高水準にあるテクノロジー株が最大の打撃を受けやすい。
ハイテク銘柄中心のNASDAQが22日最高値水準から1.2%下落したことがその証左」。そういう見方だ。
日経平均株価は471円安の29302円と3日ぶりに反楽。下落幅は10月21日の546円安以来の大きさ。東証一部の売買代金2兆7804億円。日産、三井住友が上昇。SBG、エムスリーが下落。
25日(木):
水曜のNY株式市場はマチマチの動き。NYダウは反落。NASDAQとS&P500は反発。エヌビディアなどのハイテク株が上昇。ギャップとノードストロームは軟調な決算を受けて大幅安。テスラは0.6%高。イーロン・マスクCEOは93万4091株を追加売却した。HPとデル・テクノロジーズは10%、4.8%それぞれ上昇。
日経平均株価は196円高の29499円と反発。前日の下落の半値は戻した格好。ただ上値は重かった。東証一部の売買代金は2兆1145億円と低水準。米国市場の休場を気にした印象。旭化成、塩野義が上昇。スズキ、味の素が下落。
26日(金):
木曜のNY株式市場は感謝祭で休場。日経平均株価は747円安の28751円と大幅に反落。約1カ月ぶりの安値。下落幅は6月21日以来およそ5カ月ぶりで今年4番目の大きさ。一時900円安に迫る場面もあった。「南ア発の変異ウイルスはこれまでに比べて異質で感染力が強いとも伝わる。
もし現状のワクチンや治療薬が効かないなどの続報が出た場合は週明け以降の相場がもう一段下げる可能性があり、持ち高調整の売りのほか、損失覚悟で売りを出している投資家もいるようだ」という見方だ。
「MSCIが30日に構成銘柄の入れ替えを実施。日本株は13銘柄の純減で資金流出が見込まれる。これも日本株の下げを加速させた要因の1つ」という珍妙な解釈まで登場した。「原因不明」の方がまだスッキリする。「解体弱気に乗っちゃった」みたいな印象だろうか。
東証1部の売買代金は2兆9993億円と4日以来3週間ぶりの大きさ。値上がり152銘柄、値下がり1992銘柄。シチズン、スノーピークが上昇。ANA、SBGが下落。
(2) 欧米動向
IHSマークイットの総合購買担当者景気指数(PMI)速報値は56.5。
10月の57.6から低下した。
10月の個人消費支出は前月比1.3%増と9月の0.6%増から伸びが加速。
市場予想の1.0%増も上回った。
週間の新規失業保険申請件数(季節調整済み)は前週比7万1000件減の19万9000件。
1969年11月中旬以来52年ぶりの低水準となった。
(3)新興国動向
中国の規制当局は安全保障上の懸念を理由に、配車サービス大手、滴滴出行(ディディ)の経営陣に対し、米市場からの上場廃止計画を策定するよう要求した。
検討されている案には株式非公開化や、香港市場への上場後に米上場を廃止する案などが含まれる。
同社への出資比率はソフトバンクグループの「ビジョン・ファンド」が21.5%。
米配車大手ウーバー・テクノロジーズが12.8%、テンセントが6.8%となっている。
【展望】
重要なのは相場でも銘柄でも「その本質」を知ること。
アルゴだ、外国人だと言っても所詮些末。
マネーの大きな流れと企業の本質を探ることは重要になる。
例えば・・・。
波乗りサーファーにとっては次の波が大きいのか小さいのかは問題かも知れない。
しかしなぜ波が起こるのかを探ることも重要だろう。
波は風で起こる。
それが遠くの場所で吹いた風でも岸には波が常に押し寄せる。
地球上のどこかで必ず風が吹いているからだ。
あるいは満潮干潮。
釣り人にとってその時間は大切だろう。
しかし潮の満ち引きはなぜ起きるのか。
地球と月のいつ関係によって必ず毎日起こる。
これは自然の摂理。
些末にこだわることは波乗りサーファーや釣り人にとっては大切かも知れない。
しかしその原理原則を知っていることの方がもっと大切だろう。
公明党の税調改良は「金融所得課税、来年中に結論」と日経でのインタビュー。
自民党税調は「21年の税制改正で結論を出すのは難しい。
22年以降に方向性を出す」と言っているのに公明党は急いでいる。
本当に「格差の是正」につながるのかどうか。
市場をいじめてまで格差の是正を求める姿勢は正しいのかどうかは疑問。
スケジュールを見てみると・・・。
【11月】9勝1敗、(勝率90%、1位)
気学では「前月と同じ底値。政局をよく見て売り買いを判断するのが良い」
26日(金)米ブラックフライデー、株安の日L
29日(月)商業動態統計、米サイバーマンデー、株高の日L
30日(火)失業率、鉱工業生産、米ケースシラー住宅価格指数、シカゴ購買部協会景気指数、CB消費者信頼感、中国製造業PMI、変化日、MSCI日本株指数半期リバランスインパクト
【12月】7勝3敗、(勝率70%、2位)
気学では「政局次第で不況相場に。来春に夢を見る相場で納会」
1日(水)OECD世界経済見通し、米ISM製造業景況感、ADP雇用レポート、ベージュブック、中国製造業PMI、上げの特異日
2日(木)マネタリーベース、消費動向調査、ユーロ圏失業率、OPECプラス会合
3日(金)米雇用統計、ISM非製造業景況感、製造業受注、株高の日L
6日(月)臨時国会召集(予定)
7日(火)景気動向指数、家計調査、毎月勤労統計、米消費者信用残高。貿易収支、独ZEW景況観、中国貿易収支
8日(水)景気ウオッチャー調査、GDP確報値、米JOLT求人件数
9日(木)10?12月期法人企業景気予測調査、マネーストック、都心オフィス空室率、中国消費者生産者物価、
10日(金)メジャーSQ、国内企業物価指数、米消費者物価、ミシガン大学消費者信頼感、財政収支、株安の日、変化日、鬼宿日
13日(月)日銀短観、機械受注
14日(火)米FOMC(→15日)、株安の日L
15日(水)第3次産業活動指数、米NY連銀製造業景況感、小売売上高、輸出入物価、債務不履行の回避期限
パウエル議長会見、株安の日L
16日(木)日銀金融政策決定会合(→17日)、貿易統計、首都圏マンション新規販売、米住宅着工件数、フィラデルフィア連銀製造業景況感、ECB定例理事会、変化日
17日(金)黒田日銀総裁会見、独IFO景況感
19日(日)香港立法会選挙投開票
21日(月)米経常収支、
22日(水)米GDP確報値、中古住宅販売、上げの特異日、変化日
23日(木)米個人所得・支出、耐久財受注、新築住宅販売、
24日(金)消費者物価、企業向けサービス価格指数、株安の日、米クリスマス
27日(月)商業動態統計、各国クリスマスの振り替え休場、株高の日L
28日(火)失業率、鉱工業生産、年内受け渡し最終日、米CB消費者信頼感、S&P住宅価格指数、変化日、ボクシングデー
29日(水)米中古住宅販売件数
30日(木)大納会、
31日(金)大晦日、中国製造業非製造業PMI
(兜町カタリスト 櫻井英明)