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英明コラム 8月第4週 マーケットストラテジーメモ
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《マーケットストラテジーメモ》 8月 第4週
 
23日(月):
週末のNY株式市場で主要3指数は揃って大幅上昇。「FRBによるテーパリングの早期着手を巡る懸念が後退した」との日替わり解釈。S&P500採用銘柄のうち476社が発表済み。87.4%が市場予想を上回った。テンセント、ディディは上昇。アリババ1.6%安。イエレン財務長官はパウエルFRB議長の再任を支持する方向。
 
日経平均株価は480円高の27494円と3日ぶりに反発。上昇率は8月2日(1.82%)以来の大きさ。「前週に日経平均は大きく下げおよそ8カ月ぶりの安値を付けていたことに加え、前週末の米株高を受けての自律反発」との解釈。アジア株の上昇も追い風となった。上昇幅は一時500円を超えた場面もあった。
「横浜市長選の結果は自民党総裁の交代や新たな経済対策の機運が高まったとして相場の支援材料になった」との声もある。
ただ先週末の2日続落の下落幅572円は埋められなかった。東証1部の売買代金は2兆3103億円。郵船、東エレが上昇、SBG、神戸鋼が下落。
 
24日(火):
週明けNY株式市場で主要3指数は揃って大幅続伸。NASDAQは終値ベースの過去最高値を更新。S&P500は取引時間中の過去最高値を更新。
「ファイザーの新型コロナウイルスワクチンが国内で正式に承認されたことが買い材料」との解釈。ファイザーは2.5%高。ビオンテックは9.6%高、モデルナは7.5%高。ボーイングが3%高。インテル、キャタピラー、ダウが上昇。金利の低下も好感された格好。エヌビディアが5%高。AMD、テスラが4%近く上昇。アマゾンとアルファベットが2%高、セールスフォースが2%、アップルが1%上昇。
 
日経平均株価は237円高の27732円と続伸。NY株高を受けて買い物優勢だったが後場は上値が重かった、東証一部の売買代金は2兆3378億円。SBG、ANAが上昇。昭和電工、オリンパスが下落。
 
25日(水):
火曜のNY株式市場で主要3指数は揃って続伸。S&P500とNASDAQは終値ベースの最高値を更新した。「特段の売り材料は見当たらず」との解釈。
S&P500が終値で最高値を付けるのは今年50回目。「ファイザーのワクチンの正式認可を受けた楽観ムードが漂っている」との声が聞こえる。景気回復に関連する旅行・娯楽セクターが市場全体をアウトパフォーム。S&P航空指数とホテル・レストラン・レジャー指数はそれぞれ3.7%、1.6%上昇。イが8.3%上昇。
 
中国の電子商取引企業ピンドゥオドゥオは22.2%高。中国当局による規制強化で大きな影響は受けないとの見通しを示したJDドットコムは14.4%高。パロアルトネットワークスは18.6%高。
日経平均株価は7円安の27724円と3日ぶりに反落。利益確定売りに押されたとの解釈。東証一部の売買代金は2兆1187億円。トヨタ、鉄が上昇。ファーストリテ、東エレが下落。
 
26日(木):
水曜のNY株式市場で主要3指数は揃って続伸。S&P500とNASDAQは終値ベースの最高値を連日での更新。S&P500が終値で最高値を付けるのは今年に入り51回目。インフラ投資法案の来月採決の方向を好感。「ワクチン承認に関するポジティブなニュース。ジャクソンホール会議でFRBが市場にショックを与えないだろう。そういう期待感が株価の上昇を支えている」との見方だ。金利動向に敏感な金融株が上昇。半導体、運輸といった経済再開の恩恵を受けるセクターが堅調だった。10年国債利回りは1.349%。8月13日以来の高水準となり、200日移動平均線(1.326%)を上回った。
 
日経平均株価は17円高の27742円と小幅反発。マイナスに沈んだ場面もあったが引けは戻した。東証一部の売買代金は2兆60億円。キッコーマン、バンナムが上昇。ファナック、リクルートが下落。
 
27日(金):
木曜のNY株式市場で主要3指数は揃って反落。NYダウは5日ぶり、NASDAQとS&P500は6日ぶりに反落。背景はアフガニスタン情勢への不安とジャクソンホール会議への警戒。ディスカウント小売大手ダラー・ゼネラルとダラー・ツリーが3.8%安と12.1%安。セールスフォース・ドットコムは2.7%高。週間新規失業保険申請件数(季節調整済み)は35万3000件。前週から4000件増加し5週ぶりに悪化。市場予想は35万件だった。

日経平均株価は前日比101円安の2万7641円と反落。一時260円を超す下落となったが下げ渋りの動き。FRB高官から相次いで早期のテーパリングに前向きととれる発言が登場。ジャクソンホール会合を控えて警戒感が高い展開だった。TOPIXは続落。東証1部の売買代金は2兆1135億円。商船三井、レーザーテックが上昇。SBG、任天堂が下落。

 
(2) 欧米動向
 
第2四半期の実質GDP改定値は年率換算で前期比6.6%増加。
速報段階の6.5%増から小幅ながら上方修正された。
個人消費が11.9%増と速報値の11.8%増から上方修正。
GDPの規模はコロナ禍前の水準を上回った。
市場予想は6.7%増だった。
第2四半期の税引き後企業利益は前期比9.7%増。
前四半期の4.5%増から伸びが加速。
現在の生産に基づく利益も9.2%(2345億ドル)増の2兆8000億ドルと過去最高。
 
(3)新興国動向
 
中国の7月の工業部門企業利益は前年比16.4%増の7036億7000万元(1085億1000万ドル)。伸び率は6月の20%を下回り年初来の低い伸び。
「高止まりする原材料価格と悪天候によるサプライチェーン(供給網)の制約。
加えて新型コロナウイルスの感染拡大が製造業部門を圧迫した」との解釈。
「中国経済の勢いが弱まっている」との見方だ。
 
【展望】
 
スケジュールをみてみると・・・。
 
「スケジュール」
 
【8月】4勝6敗、(勝率40%、10位)
    気学では「前半は活況。中旬以降は戻り売り。月末保合いに終わる」
 
30日(月):商業動態統計、米中古住宅仮契約、変化日
31日(火):失業率、有効求人倍率、鉱工業生産、米CB消費者信頼感、CS住宅価格指数、中国製造業・非製造業PMI、MSCI日本株パッシブ売買インパクト、JPX400/JPX中小型定期銘柄入れ替えの実施
 
【9月】7勝3敗、(勝率70%、2位)
    気学では「転換月。初め戻り売り。新規投資には銘柄を吟味のこと」
 
1日(水):法人企業統計、自動車販売台数、デジタル庁発足、米ADP雇用レポート、ISM製造業景況感、中国製造業PMI、MSCI日本指数四半期リバランス実施
2日(木):マネタリーベース、米貿易収支、製造業受注
3日(金):米雇用統計、ISM非製造業景況感、日経平均定期入れ替えの発表(予定)
5日(日):東京パラリンピック閉幕
6日(月):米国失業給付上乗せ終了、レーバーデイ、株安の日
7日(火):家計調査、勤労統計、景気動向指数、独ZEW景況感、中国貿易収支
8日(水):景気ウォッチャー調査、GDP確報値、米ベージュブック、消費者信用残高、JOLT求人件数
9日(木):マネーストック、ECB定例理事会、中國消費者生産者物価
10日(金):メジャーSQ、米生産者物価、変化日
12日(日):緊急事態宣言期日
13日(月):景気予測調査、国内企業物価指数、米財政収支、屋内施設にワクチン証明書義務化施行、株高の日
14日(火):米消費者物価
15日(水):機械受注、第三次産業活動指数、米NY連銀製造業景気指数、輸出入物価、鉱工業生産、中国各種経済指標、上げの特異日
16日(木):貿易統計、首都圏マンション販売、菅首相就任1年、米小売り売上高、対米証券収支、フィラデルフィア連銀製造業景況感、変化日
17日(金):自民党総裁選告示予定、米ミシガン大学消費者信頼感、鬼宿日、FTSE日本指数パッシブ売買インパクト
19日(日):ロシア下院選挙・統一地方選挙
20日(月):敬老の日で休場、米NAHB住宅価格指数、ワクチン追加接種開始予定
21日(火):日銀金融政策決定会合、米FOMC(→22日)、経常収支、住宅着工件数、建設許可件数、国連総会一般討論(→27日NY)、FTSE日本指数半期リバランス実施
22日(水):黒田日銀総裁会見、米パウエルRB議長会見、中古住宅販売件数、株安の日、変化日
23日(木):秋分の日で休場、英国金融政策発表
24日(金):消費者物価、製造業・サービス業PMI、米新築住宅販売件数、独IFO景況感、株安の日L
26日(日):ドイツ総選挙
27日(月):企業向けサービス価格指数、米耐久財受注、株高の日L、変化日
28日(火):9月権利付き最終日、日銀会合議事要旨、米S&P住宅価格指数、CB消費者信頼感、FHFA住宅価格指数
29日(水):自民党総裁選予定、米中古住宅販売仮契約
30日(木):鉱工業生産、商業動態統計、自民党総裁任期満了、米GDDP確報値、株高の日L、中国製造業非製造業PMI、株安の日、JPX400/JPX中小型定期入れ替え選定基準日、日経平均パッシブ売買インパクト、ウィンダムツリー日本株年次リバランス基準日


(兜町カタリスト 櫻井英明)
 

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