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英明コラム 12月第1週 マーケットストラテジーメモ
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《マーケットストラテジーメモ》12月 第1週
 
29日(月):
週末のNY株式市場は感謝祭の祝日明けで半日取引。南アフリカでの新たな変異株「オミクロン」確認を警戒し急落した。NYダウは今年最大の下落。VIX(恐怖)指数は28ポイント台と3月以来の水準に上昇。カーニバルは10%超の下落。ユナイテッド航空、デルタ航空、アメリカン航空なども急落。「ブラックフライデー」だったが新変異株への懸念からが小売株は2.04%下落。一方モデルナは21%高。ファイザーは過去最高値を更新した。
 
日経平均株価は467円安の2万8283円と続落。10月13日以来およそ1カ月半ぶりの水準。「オミクロン型」の感染拡大への警戒が続いた。日経平均の下落幅は一時560円を超える場面があった。東証1部の売買代金は3兆39422億円。アドバンテスト、オムロンが上昇。ファストリ、テルモが下落。新高値6銘柄。新安値542銘柄。
 
 
30日(火):
明けのNY株式市場では「安値拾いの買い」が広がり主要3指数は反発。変異株「オミクロン」についてバイデン大統領は「懸念すべきものだがパニックにはつながらない。ロックダウン再導入にはつながらない」とコメント。これが安心感につながったとの解釈。週末に大きく低下した長期金利が小幅の上昇にとどまり1.5%台前半で推移。これを受けて高PERのハイテク株が買われた。アップル、マイクロソフトが上昇。一方、製薬大手メルクは続落しダウを圧迫。
 
日経平均株価は462円安の27821円と3日続落。前場は前日のNY株高を受けて400円ほど上昇した場面もあったが後場オミクロンへの警戒から値を消した。東証一部の売買代金は5兆4893億円。MSCIの銘柄入れ替えに伴う商いが大引けで約2兆円あった。オリンパス、JPXが上昇。ファーストリテ、アステラスが下落。
 
1日(水):
火曜のNY株式市場で主要3指数は揃って反落。FRBのパウエル議長が次回の政策会合で大規模な債券買い入れプログラムの縮小加速を検討する可能性を示唆。新たな変異株に加えて悪材料視された。予定原稿の方向性が市場を詠み誤り、市場を混乱させたとの見方もある。ビオンテックはファイザーがと共同開発したワクチンについて「オミクロン株に対して重症化を防ぐ効果が高い」。
一方、モデルナのバンセルCEOは「オミクロン株へのワクチンの効果はデルタ株と比べて低下する恐れがある」。これを受けてモデルナ株は4.4%下落。S&P総合500採用銘柄で上昇したのはわずか7社。月間ではNYダウは3.7%安、S&Pは0.8%安、NASDAQは0.25%高。
 
日経平均株価は113円高の27935円と4日ぶりの反発。上昇幅は一時280円を超えた場面があった。売られすぎからの買いとの解釈。東証一部の売買代金は3兆2144億円。ダイキン。ファナックが上昇。エムスリー、中外薬が下落。
 
2日(木):
水曜のNY株式市場で主要3指数は揃って続落。新変異株「オミクロン」の感染者が米国内で初めて確認されたことで不安感が拡大。S&P500は午前中に一時1.9%高まで買われた。ただ午後終盤にNYダウ、NASDAQと共に下落。引け際の下落幅が大きかった印象。「市場の懸念材料はオミクロン株と予想よりタカ派的なパウエル議長」という見方だ。NYダウ終値は2020年7月13日以来の200日移動平均線割れ。S&Pは10月13日、NASDAQは10月14日以降初めて50日線を下回る水準。VIX(恐怖)指数は14.5ポイント上昇の31.12。一時32.61まで上昇し2月以来の高水準を記録した。
 
日経平均株価は182円安の27753円と反落。10月7日以来約2ヶ月ぶりの安値水準に沈んだ。もっとも一時300円安の場面もありボリンジャーのマイナス3σ水準がサポートした格好。東証一部の売買代金は3兆1477億円。ダイキン、川船が上昇。SBG、東エレが下落。
 
3日(金):
木曜のNY株式市場で主要3指数は反発。このところの売りで値下がりした銘柄に買いが入った。NYダウはボーイングの上げに支えられ、3月5日以来の大幅な上昇率を記録した。新規失業保険申請件数は予想より小幅な増加にとどまり、労働市場の需給逼迫を示した。ボーイングが7.5%急伸。中国航空当局が「737MAX」の運航再開に向けた耐空性改善命令を出したことが支援材料。通期の売上高・利益見通しを上方修正したスーパーマーケットチェーンのクローガーは11%高。日経平均株価は276円高の28029円と高値引け。自律反発との解釈だ。東証一部の売買代金は2兆9347億円。川船、高島屋が上昇。任天堂、塩野義が下落。
 
(2) 欧米動向
 
ISM製造業景気指数は61.1と10月の60.8から上昇。
「旺盛な商品需要を背景に、製造業の持ち直し」との解釈。
市場予想は61.0だった。10月のインフレ率は年率ベースで約31年ぶりの大幅な上昇。
新規受注指数は61.5となり10月の59.8から上昇。雇用指数は53.3と7カ月ぶりの高水準。10月の52.0から上昇した。
 
 
(3)新興国動向
 
中国配車サービス大手の滴滴出行(ディディ)はニューヨーク証券取引所からの上場廃止手続きと香港上場準備に着手すると発表。
これを受けて中国企業の米上場株が週末に大幅安となった。
「中国規制当局による厳格な調査や緊迫する米中関係を巡る懸念が高まった」との解釈だ。
 
【展望】
 
スケジュールを見てみると・・・。
 
 
【12月】7勝3敗、(勝率70%、2位)
     気学では「政局次第で不況相場に。来春に夢を見る相場で納会」
 
6日(月)臨時国会召集(予定)
7日(火)景気動向指数、家計調査、毎月勤労統計、米消費者信用残高。貿易収支、独ZEW景況観、中国貿易収支
8日(水)景気ウオッチャー調査、GDP確報値、米JOLT求人件数
9日(木)10-12月期法人企業景気予測調査、マネーストック、都心オフィス空室率、中国消費者生産者物価、
10日(金)メジャーSQ、国内企業物価指数、米消費者物価、ミシガン大学消費者信頼感、財政収支、株安の日、変化日、鬼宿日
 
世界半導体市場統計(WSTS)の予測。
2022年の半導体市場が前年比9%増の6014億ドル(約67兆円)と過去最高になると発表。
6月時点予測(5734億ドル)から280億ドル上方修正。
社会のデジタル化が進展し、通信や情報端末などで半導体需要が伸びる。
演算を担うロジック半導体が21年見通し比11.1%増。
データを記憶する半導体メモリーが8.5%増となる見通し。
通信や産業機器などでロジック半導体の需要は拡大する。
メモリーは価格下落が響き、市場が減速するもよう。
電力変換などに使うパワー半導体の需要も急増。
仮想現実(VR)サービスの普及も半導体需要をけん引。
 
新興市場に上場する企業の7?9月期決算で純利益の合計が前年同期比2.2倍に回復。
新型コロナウイルスワクチンの普及で経済再開が進み、需要急増した半導体関連など製造業がけん引。
非税増業では企業のIT投資を取り込んだ企業が利益伸ばす。


(兜町カタリスト 櫻井英明)

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