《マーケットストラテジーメモ》5月第2週
7日(火):
週末のNY株式市場で主要3指数は揃って続伸。過去最大規模の自社株買いを発表したアップルが6%高とけん引役。ハイテク株比率の高いナスダック総合が2%高となった。週間では3指数とも2週連続高。週明けのNY株式市場で主要3指数は揃って続伸。「利下げ観測に加え、足元の決算発表シーズンは予想から上振れ。投資家心理が再び上向きつつある」との解釈。
日経平均株価は599円高の38835円と3日ぶりに反発。長期金利の上昇一服を背景に週末の米ハイテク株が上昇。
東京市場でも半導体関連などを中心に買いもの優勢の展開。東エレクが5%強上昇し1銘柄で日経平均を170円あまり押し上げた。東証プライムの売買代金は4兆6830億円。ファストリ、TDKが上昇。第一三共、ソニーが下落。日経平均のEPSは2189円に低下しPERは17.74倍。
8日(水):
火曜の週明けのNY株式市場で主要3指数はマチマチの展開。NYダウは昨年12月以来となる5日続伸。S&P500は4日続伸と3月以来の連騰。ただ「弱い雇用統計を背景とする利下げ期待が市場心理を支えた」との解釈。ナスダック総合は4日ぶりに反落。
日経平均株価は632円安の38202円と反落。「前日に600円近く近く上昇しており、戻り待ちの売りが出たことが重荷」との解釈。1ドル155円台と円安・ドル高が進んだ。「円安進行が日本政府・日銀による円買い介入につながるとの思惑から警戒感が高まった」との解釈もある。東証プライムの売買代金は4兆6972億円。ユニチャーム、郵船が上昇。任天堂、ソニーGが下落。日経平均のEPSは2281円→2189円→2301円と乱高下。
9日(木):
水曜のNY株式市場で主要3指数はマチマチの展開。NYダウは昨年12月の9連騰以来の6連騰。5週間ぶりに3万9000ドル台を回復した。ただ国債利回りの上昇を反映し、他の指数は軟調。配車大手ウーバー・テクノロジーズが.7%急落。テスラが1.7%下落。
日経平均株価は128円安の38073円と続落。前場は「前日に大幅に下げていた反動もあって、短期筋を中心に自律反発を狙った買いもの優勢」との解釈で反発。後場は米株価指数先物が軟調となり下落。東証プライムの売買代金は4兆5012億円、ヤマハ、IHIが上昇。太陽誘電、三菱重が下落。EPSは2301円→2181円。
10日(金):
木曜のNY株式市場で主要3指数は揃って上昇。NYダウは昨年12月以来の7連騰で、4月1日以来の高値水準。S&P500は4月9日以来約1カ月ぶりに5200台を終値で回復した。アップル, アマゾン、メタが上昇。英半導体設計アーム・ホールディングスは2.3%下落。エヌビディアが1.8%安。週間新規失業保険申請件数(季節調整済み)は前週比2万2000件増の23万1000件。市場予想は21万5000件。昨年8月終盤以来約8カ月ぶりの高水準。
日経平均株価は155円高の38229円と反発。前日までの2日間で700円あまり下落していたため自律反発狙いの買いが優勢。上昇幅は一時600円を超えたが朝高後は伸び悩み。東証プライムの売買代金は5兆3173億円。オプションSQでやや膨らんだ。住友不、花王が上昇。トヨタ、パナHDが下落。5月暫定SQ値38509円はザラ場で一時上回った。
(2)欧米動向
米国債券市場で長期金利が短中期の金利を下回る「逆イールド」が1年10カ月続いている。
第2次世界大戦後で最も長い。
インフレ圧力が根強く、高水準の政策金利が続いているためだ。
逆イールドは景気後退と株安の予兆とされる。
(3)新興国動向
中国の4月の輸出は前年比1.5%増で市場予想と一致。
輸入は8.4%増で、市場予想の4.8%を上回った。
3月は輸出が7.5%減、輸入が1.9%減だった。
ただ中国の貿易の回復が持続可能かどうかはまだ分からないとの見方。
(兜町カタリスト 櫻井英明)