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英明コラム 11月第4週 マーケットストラテジーメモ
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《マーケットストラテジーメモ》11月4週

【推移】
 
18日(月):
週末のNY株式市場で主要3指数は最高値を更新。S&P500種は6週連続上昇。週間の連続上昇記録としては約2年ぶりの長さ。NYダウは初めて2万8000ドル台に乗せた。カドロー国家経済会議委員長が「中国との通商協議について、両国が電話で緊密に連絡を取り合っている。協議は極めて建設的で合意は近い」とコメント。「米中通商合意を巡る楽観論が追い風になった」との解釈。
 
日経平均株価は113円高の23416円と続伸。NY株高と香港ハンセンの堅調を好感との解釈。後場の値幅は63円と上値は重かったがそれでも高値圏での引けとなった。前日、前々日に上値を抑えられた5日移動平均線(23340円30銭)を上抜けしたことは明るい材料だ。
東証1部の売買代金は1兆9051億円と2兆円割れで低調。決算発表通過後の一息というところか。東エレ、小野薬が上昇。セブンアイ、JFEが下落。
 
19日(火):
週明けのNY株式市場で主要3指数は続伸。NYダウは今月8回目の史上最高値更新となった。NASDAQ総合株価指数、S&P500指数も続伸。連日の過去最高値更新となった。「米中の貿易協議の行方を見極めたいとして方向感に乏しい展開。
業績期待が高い銘柄中心に買いが入り指数を押し上げた」との解釈だ。動画配信サービスを開始したディズニー、収益悪化懸念後退からユナイテッドヘルスが上昇。原油価格の下落からエネルギーセクターは軟調。
 
日経平均株価は124円安の23292円と3日ぶりの反落。結論は買い手控えモード。香港上海株価の堅調は見えないフリ。エーザイ、武田が上昇。ファーストリテ、ZHDが下落。先週まで12週連続上昇中の火曜日だったが13連勝はならなかった。
 
20日(水):
NY株式はマチマチ。NYダウとS&P500は反落。トランプ大統領が「米政府が中国と通商問題で合意できなければ、対中関税を一段と引き上げる」とコメント。米中貿易摩擦が引き続き警戒感を漂わせた。通期売上高見通しを引き下げ今期2回目の下方修正となったホーム・デポが5.4%下落。同様に通期見通しを下方修正したコールズが19.5%急落。一方、NASDAQが0.24%の上昇で過去最高値を更新。
 
日経平均株価は144円安の23148円と続落。続落ながら23000円台はキープした。米中交渉への懸念が拡大したとの解釈。ただ後場は動意薄で、値幅は60円。東証一部の売買代金は2兆1575億円。任天堂、ニトリが上昇。アドバンテスト、SBGが下落。
 
21日(木):
NY株式市場で主要3指数は下落。NYダウは一時250ドル超える下落した場面もあったが引けは112ドル安。市場では「中国が関税撤廃拡大を求めている。米国もこれに対応し要求を強めている。第1段階の合意は来年にずれ込む可能性がある」との見方。市場はリスクオフに傾いた格好だ。10月のFOMCの議事要旨では、今後の見通し変更につながる要因についてほとんど示唆されなかった。日経平均株価は109円安の23038円と3日続落。香港人権法案にトランプ大統領が署名する方向を警戒。下落幅は一時400円を超えた場面もあった。ただ後場は下げ渋りの動きとなり下落幅を縮小。日銀のETF買い観測も後押しになった。東証一部の売買代金は2兆3406億円。ファーストリテ、テルモが上昇。東エレ、SBGが下落。
 
22日(金):
NY株式市場で主要3指数は小幅続落。米中通商協議の「第1段階」の合意が来年にずれ込む可能性があるとの報道を懸念。
一方で中国政府は米政府に対し、新たな対面通商協議を提案したとの報道を好感。米中通商協議に対する強弱感が対立した格好となった。「不透明感が一部でも払拭されれば米中両国の経済にとって助けになる」。「暫定合意後も米中協議は継続し現在と同じような一進一退の攻防が見込まれる」。この交錯での様子見モード。恐怖と欲望指数は74→69に低下。
 
日経平均株価は74円高の23112円と4日ぶりに反発。NY株安を受け続落からのスタートだったが切返した。「3日続落で短期的な過熱感が後退」との見方から一時23219円(180円高)まで上昇した場面もあった。昼休みに中国・上海総合指数が下げに転じ香港ハンセン指数が上げ幅を縮めたことから後場は伸び悩み。TOPIX、新興市場も反発。東エレ、オリンパが上昇。大日住友薬、スズキが下落。
 
(2) 欧米動向
 
OECDの最新経済見通し。
2020年の世界の実質経済成長率は2.9%。
9月の前回予測から0.1ポイント引き下げ。
2019年は2.9%で据え置く。
21年は3.0%と予測。
日本は19年が1.0%、20年は0.6%、21年が0.7%。
「当分、低成長が続く」との解釈だ。
 
 
(3)アジア・新興国動向
 
先週の世界の株式相場は主要25の株価指数のうち11指数が上昇。
 
上位1位ブラジル週間騰落率2.0%、2位南アフリカ1.41%、3位トルコ1.15%、
4位香港1.02%、5位スイス0.58%。
下位25位ベトナム▲3.19%、24位韓国▲2.79%、23位ポーランド▲2.04%、
19位日本▲0.82%、16位米国▲0.46%、12位中国▲0.21%。
 
【展望】
 
スケジュールを見てみると・・・
 
25日(月):シカゴ連銀全米活動指数、独IFO景況感
26日(火):企業向けサービス価格指数、S&P住宅価格指数、CB消費者信頼感
27日(水):米GDP改定値、耐久財受注、個人所得
28日(木):商業動態統計、米感謝祭
22日(金):失業率、鉱工業生産、ブラックフライデー
週末:中国製造業PMI
 
 
【11月】(9勝5敗で勝率64.3%、2位)
 
27日(水)新月、変化日
28日(木)海王星順行、NY休場(感謝祭)
29日(金)ブラックフライデーでNY市場短縮位取引
 
【12月】(9勝4敗で勝率69.2%、1位)
 
2日(月)2日新甫、サイバーマンデー
3日(火)ECB理事会、変化日
5日(金)下げの日
9日(月)変化日
10日(月)FOMC、ノーベル賞受賞式
12日(木)EU首脳会議、ECB理事会、満月
13日(金)メジャーSQ、鬼宿日
18日(水)日銀金融政策決定会合
19日(木)ECB理事会
20日(金)米メジャーSQ、変化日
25日(水)年内受け渡し最終日、NY市場休場、変化日
26日(木)新月、金環日食、上げの特異日
30日(月)大納会
 
月内:税制大綱とりまとめ、20年度予算案策定、米ウーバーがIPOの予定
 
上場企業の4→9月期決算の最終集計。
今回は日々の途中集計がなかったので着地での確認。
売上高は1%増。
純利益は前年同期比14%減。
減益は3年ぶり。
製造業は31%減益で非製造業が6%増益。
通期では純利益は7%減の見通し。
下期回復型は変わっていないということになる。
 
大和のレポートの指摘。

11月19日から3月決算企業の中間配当の支払い開始。
12月初旬までの合計は約4.3兆円。
配当の再投資はパッシブ運用では7000億円程度の現物株式を買い増しの見通し。
(事前にヘッジで買い建てていた先物を外すことになる)。
結果的には11月最終週の日経平均は堅調になりやすい傾向、
海外資金を日本株で運用するファンドは、本国で年末までに分配金支払を行うことが多い。
外資系金融機関にとっては銀行規制上、受取配当は質の高い収益となる。
クリスマス前に本国に資金還流をさせることへの期待感が登場する。


(兜町カタリスト 櫻井英明)



 

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