《マーケットストラテジーメモ》12月 第2週
9日(月):
週末のNY株式市場で主要3指数はマチマチの展開。ナスダック総合指数とS&P500は過去最高値を更新。スポーツ衣料品大手ルルレモン・アスレティカが15.9%高したことを好感との解釈。11月の雇用統計で非農業部門雇用者数は22.7万人増。市場予想の20万人増を上回った。一方、失業率は前月の4.1%から4.2%に上昇。国債利回りは約6週間ぶりの水準に低下。
日経平均株価は69円33銭高の3万9160円と反発。 TOPIXは反発。東証プライムの売買代金は3兆8560円。ファストリやソフトバンクグループ(SBG)、リクルートなどが上昇。アドテストや東エレク、ディスコが下落。空売り比率は4日ぶりに40%割れ
10日(火):
週明けのNY株式市場で主要3指数は揃って下落。中国の国家市場監督管理局は独占禁止法違反の疑いでエヌビディアの調査を開始したと発表。これを受けて同社株は2.5%下落。AMDは投資判断の引き下げで5.7%下落。一方、買収の可能性を受けチョコレート大手ハーシーは10.9%高。米国3市場の合算売買高は151.1億株(前日129.9億株)と増加。
日経平均株価は207円高の3万9367円と続伸。中国景気の先行き不安がやや和らいだことに伴い、一時、151円台の円安・ドル高が進行。「上海・香港など主要なアジアの株式相場が上昇したことも投資家心理の改善につながった」との解釈。TOPIXは続伸。東証プライムの売買代金は3兆9325億円。ダイキン、ソニーが上昇。テルモ、コナミが下落。信用売り残は5週ぶり、買い残は4週ぶりに減少。
11日(水):
火曜のNY株式市場で主要3指数は揃って続落。「CPIとPPI発表を控え様子見ムード」との解釈。CPIは2.7%上昇し、10月の2.6%上昇からやや加速すると予想されている。フィラデルフィア半導体指数(SOX)は2.5%安。一方、新しいチップを発表したグーグルの親会社アルファベットは5.6%上昇。
日経平均株価は4円高の3万9272円と3日続伸。前引けにかけて下げ幅を広げたが後場反発。TOPIXは反発。東証プライムの売買代金は3兆8412億円。キッコーマン、スズキが上昇。信越、ダイキンが下落。
12日(木):
水曜のNY株式市場で主要3指数はマチマチの動き。S&P500とナスダック総合が反発。ナスダック総合は初の2万ドル台乗せで過去最高値を更新。NYダウは5日続落。11月のCPIは前年比2.7%上昇。伸びは前月の2.6%から加速。7か月ぶりの大幅な伸びとなった。ただ「来週のFOMCでの利下げ実施に妨げとなる可能性は低い」との解釈。FOMCでの0.25%利下げ確率は96%。
日経平均株価は476円高の3万9849円と4日続伸。取引時間中として10月15日以来およそ2カ月ぶりに心理的節目の4万円を上回る場面もあった。米ハイテク株高が支援材料。日経平均の上昇幅は一時700円を超えたが、その後は積極的に上値を追う雰囲気は乏しかった。TOPIXは4日続伸。
東証プライムの売買代金は4兆4088億円。ソニー、中部電が上昇。安川電、セブン&アイが下落。日経平均のPERは16.05倍。
13日(金):
木曜のNY株式市場で主要3指数は揃って下落。エヌビディアが1.4%下落。メディア大手ワーナー・ブラザース・ディスカバリーが15.4%高。11月の卸売物価指数(PPI、最終需要向け財・サービス)は前年比3.0%上昇。伸びは前月の2.6%から加速。上昇率は2023年2月以来最大。市場予想の2.6%も上回った。
日経平均株価は378円安の3万9470円と5日ぶりに反落。東証プライムの売買代金は4兆4220億円。バンナム、フジクラが上昇。ファストリやリクルート、ソニーGが下落。メジャーSQ値39434円はザラ場で上回ったが終値では0勝1敗。
(2)欧米動向
11月の雇用統計で非農業部門雇用者数は22.7万人増。
市場予想の20万人増を上回った。
一方、失業率は前月の4.1%から4.2%に上昇。
11月の米CPIは前年比2.7%上昇。
伸びは前月の2.6%から加速。
7か月ぶりの大幅な伸び。
(3)新興国動向
中国共産党と政府は12日、中央経済工作会議で、景気底上げに向けて財政出動を拡大するとともに、金融緩和を行う方針を決めた。
「安定した経済成長を維持する必要がある」としたものの、具体的な数値についての言及はなかった。
(兜町カタリスト 櫻井英明)