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英明コラム 11月第1週 マーケットストラテジーメモ
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《マーケットストラテジーメモ》11月 第1週

 
30日(月):
週末のNY株式市場で主要3指数はマチマチの展開。NASDAQはアマゾン、アップル、メタの上昇を背景に反発。ただ主要株価指数は安値圏で引けた。週間では3指数とも2%超下落。S&P500は7月31日の終値ベースの高値から10.28%下落。
 
日経平均株価は294円安の3696円反落。下落幅は一時450円を超えた場面があった。前週末のNY、ダウ7カ月ぶり安値で終えたことを受けて売り物優勢の展開。今期の業績見通しを下方修正した日野自やオムロンは一時ストップ安。東証プライムの売買代金は5兆6674億円と9月15日(5兆6708億円)以来およそ1カ月半ぶりの大きさ。TOPIXのリバランスの影響で膨らんだ。日立、日清粉Gが上昇。コマツ、住友化が下落。空売り比率は54.3%(前日44.5%、11日連続で40%超)。
 
31日(火):
週明けのNY株式市場で主要3指数は揃って1%超の上昇。マイクロソフト、アマゾン、アップルが上昇を主導。S&P500の主要11セクターは軒並み上昇。通信サービスが2.1%高と最大の上昇率だった。会社を2分割するメモリー半導体大手ウエスタンデジタル(WD)は7.3%急伸。
 
日経平均株価は161円高の3858円と反発。日銀が金融正常化に向けて歩みを進めるという見方から国内債券市場では長期金利が一時0.955%と2013年5月以来の水準まで上昇。警戒感から疑心暗鬼の展開だったが通過後はプラスに。東証プライムの売買代金は4兆6793億円。KDDI、ダイキンが上昇。TDK、デンソーが下落。10月27日時点の信用買い残は199億円増の4兆0085億円。4兆円台は16年ぶり。
 
1日(水):
火曜のNY株式市場で主要3指数は揃って続伸。S&P500の主要11セクターは全て上昇。不動産セクターは2%高。画像検索・共有サービスのピンタレストが19%急伸。10月は主要3指数が月間でいずれも3カ月連続で下落。S&P500は2.2%安、NYダウは1.4%安、ナスダック総合は2.8%安。
 
日経平均株価は742円高の31601円と高値引けで続伸。151円台まで円安・ドル高が進み、輸出関連株に採算改善を見込んだ買いが入った。米中が11月中旬の首脳会談開催で合意したと伝わったことも買い安心感。トヨタの好決算も支援材料。東証プライムの売買代金は4兆8360億円。ファストリ、トヨタが上昇。アドテスト、日ハムが下落。日経平均は25日線を上回った。
 
2日(木):
水曜のNY株式市場で主要3指数は揃って続伸。FRBはFOMCで金利据え置きを決定。パウエルFRB議長の会見もネガティブ視されずその後株価指数は上昇幅を拡大。ナスダック総合は1.6%高。財務省が2023年11月─24年1月の四半期に行う長期債入札の増額規模を縮小すると発表。国債利回りが低下したことも支援材料。FOMCを受けて12月の利上げ確率は19%、1月の利上げ確率は26%に低下。前日はそれぞれ29%、39%だった。
 
日経平均株価は348円高の31949円と3日続伸。米金融引き締めの長期化観測の後退を好感。上昇幅は一時450円を超え32000円台を回復した場面もあった。東証プライムの売買代金は4兆5738億円。キッコマン、富士電機が上昇。ヤマハ、アステラスが下落。日経平均採用銘柄のEPSは2157円と一気に80円増。
 
3日(金)
木曜のNY株式市場で主要3指数は揃って約2%の大幅続伸。S&P500は4日続伸し1日としては4月以来の上昇幅。ナスダック総合は5営業日続伸し1日の上昇率としては7月28日以来の大きさ。小型株で構成されるラッセル2000指数2.7%高。6月6日以来の上昇率。FOMC通過というよりは時間経過による自律反発と考えた方がよかろう。
アップルは引け後の決算発表を控え2%上昇。同社の第4四半期(7━9月)決算は、売上高と利益が市場予想を上回った。ただ年末商戦を含む第1四半期の売上高見通しは市場予想に届かず。時間外取引で株価は下落。VIX指数は15.66(前日16.87)まで低下した。東京市場は休場。
 
(2) 欧米動向
 
10月の米雇用統計で非農業部門雇用者数は前月比15万人増。
18万人増とみていた市場予想以上に減速。
UAWによる三大自動車メーカでのストライキが影響したとの解釈。
平均時給の前年比上昇率は約2半ぶりの低水準。
失業率は3.9%に上昇し2022年1月以来の高水準。
 
(3)新興国動向
 
10月の国内新築住宅価格は2カ月連続で上昇した。 前月比で平均0.07%上昇し、9月(0.05%上昇)から加速した。 新築住宅販売(床面積ベース)は約10%減少。9月(20%減)から落ち込みが縮小した。不動産市場の回復はなお不安定としつつ、一部主要都市での住宅購入規制緩和や頭金比率引き下げ、住宅ローン金利引き下げなど支援策は拡大しており、さらなる措置も見込まれるとの見方。
 
 
【展望】
 
【11月】(過去10年は9勝1敗、勝率90%)
押し目買い人気と戻り売り人気の競合から下旬安。
アノマリーは「11月は中間決算ラッシュで大化け銘柄多数出現」。
 
3日(金) 文化の日で東京休場、米雇用統計、ISM非製造業景況指数、
5日(日) 米冬時間入り(→3月
6日(月) 11月3連休明けは株高の特異日
7日(火) 毎月勤労統計、家計調査、米消費者信用残高、貿易収支、中国貿易収支、下げの特異日、11月最弱の日
8日(水) 景気動向指数、株安の日
9日(木) 都心オフィス空室率、景気ウォッチャー調査、中国消費者物価、株安の日
10日(金)マネーストック、オプションSQ、米ミシガン大学消費者信頼感、財政収支、変化日、MSCI日本株指数リバランス発表
11日(土)中国独身の日
13日(月)国内企業物価、株安の日、11月最弱の日
14日(火)米消費者物価指数、独ZEW景況感、株高の日L、変化日
15日(水)実質GDP速報値、鉱工業生産、米小売売上高、生産者物価、NY連銀製造業景況感、中国各種経済指標、APEC首脳会合(→17日、サンフランシスコ)
16日(木)機械受注、米輸入物価、鉱工業生産、フィラデルフイア連銀景況感
17日(金)米NAHB住宅指数、住宅着工件数、ウィッチング
20日(月)変化日
21日(火)景気先行指数、株高の日L
22日(水)米中古住宅販売、中古住宅販売件数、耐久財受注、株高の日L、11月最強の日
23日(木)勤労感謝の日で東京休場 、米感謝祭
24日(金)全国消費者物価、米製造業PMI、サービス業PMI、コンポジットPMI。ブラックフライデー、独IFO景況感 株安の日L
27日(月)11月最終日を含む週は株高アノマリー、米新規住宅販売、サイバーマンデー
28日(火)ケースシラー住宅価格、株高の日L
29日(水)国際ロボット展(ビッグサイト→12月2日)、CCB消費者信頼感、実質GDP改定値、株高の日L
30日(木)鉱工業生産、住宅着工件数、米ベージュブック、個人所得、PCEデフレーター、シカゴ購買部協会景気指数、COP28(UAE→12月12日)、変化日、MSCI日本株パッシブ売買インパクト
 


(兜町カタリスト 櫻井英明)

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