《マーケットストラテジーメモ》05月第4週
20日(月):
週末のNY株式市場で主要3指数はマチマチの展開。NYダウは終値ベースで史上初めて4万ドル台に乗せた。
半導体大手AMDが1.1%高。
日経平均株価は282高の39069と反発。39000円台を終値で回復し、4月15日以来約1カ月ぶりの高値水準。「短期筋を中心に運用リスクを取りやすくなった海外投資家の買いが日本株にも入った」との解釈。TOPIXは3日続伸。東証プライムの売買代金は4兆1510億円。テルモ、TDKが上昇。ダイキン、アドテストが下落。
21日(火):
週明けのNY市場で主要3指数はマチマチの展開。ナスダック総合は終値ベースで過去最高値を更新した。エヌビディアの決算発表を控えテクノロジー株に買いが入った格好。少なくとも証券会社3社が目標株価を引き上げたエヌビディアは2.49%上昇。マイクロン・テクノロジーが2.96%上昇。フィラデルフィア半導体指数(SOX)は2.15%高。
日経平均株価は122円安の38946円と3日ぶりに反落。「前場は買い物優勢だったが後場は手じまい売りでマイナス転換」との解釈。東証プライムの売買代金は3兆9173億円。ディスコ、東電が上昇。ダイキン、ソシオネクストが下落。日経平均採用銘柄のEPSは2358円まで増加。
22日(水):
火曜のNY市場で主要3指数は揃って上昇。「FRB議事要旨とエヌビディア決算を待つ投資家が多く、積極的な取引は限られた」との見方。メイシーズが5.13%高。前日4.5%下げたJPモルガン・チェース2.01%高と反発。
IBMが2.09%高。FRBが9月に0.25%の利下げをする確率は64.8%。
日経平均株価は383円安の38617円と続落。前日の米半導体株安を受け、東京市場でも値がさの半導体関連が軟調。国内金利の上昇に警戒感が高まったとの解釈。TOPIXは続落。東証プライムの売買代金は3兆8329億円。ダイキン、ニデックが上昇。ファーストリテ、トヨタが下落。
23日(木):
水曜のNY市場で主要3指数は揃って反落。引け後に米半導体大手エヌビディアの四半期決算発表を控えて方向感のない展開。半導体メーカーのアナログ・デバイセズが10.86%高。ターゲットは四半期決算と業績見通しが予想を下回り8.03%安。引け後に発表されたエヌビディアの決算は市場予想を上回った。第2四半期の売上高見通しは280億ドルプラスマイナス2%。市場予想は266億6000万ドルだった。過去1年で売り上げ3倍、利益7倍。同時に1対10の株式分割も発表。配当も150%増配。株価は引け後の時間外取引で一時4%上昇。
日経平均株価は486円高の39103円と3日ぶりに反発。米エヌビディアの市場予想を上回る好業績を好感。値がさの半導体関連株が上昇をけん引。後場はエヌビディア祭りの様相となった。東証プライムの売買代金は4兆4084億円。帝人、東エレが上昇。三菱マ、地所が下落。日経平均採用銘柄のEPSは2369円。
24日(金):
木曜のNY市場で主要3指数は揃って続落。エヌビディアが好業績見通しを背景に9.32%高。初めて1000ドルを上回った。ただ滅多に注目されないPMIの高水準を背景に全体は軟調。印象は「茶番のような景気指標解釈」。「ど真ん中のストレートで良い相場なのに何でみんなひねったり、ねじったりするのだろう」という声もある。
日経平均株価は457安の38646円反落。東証プライムの売買代金は3兆8624億円。資生堂、フジクラが上昇。TDK.レーザーテックが下落。
(2)欧米動向
5月のS&Pグローバル総合購買担当者景気指数(PMI)速報値は54.4。
2022年4月以来2年超ぶりの高水準となった。
市場予想は51.1。
4月は51.3だった。
サービス業PMIが54.8。
4月の51.3から上昇。
一方、製造業PMIは50.0から50.9に小幅上昇した。
(3)新興国動向
週末の中国と香港の株式市場は世界的な株安の流れに追随して下落。
2日目に入った中国軍の台湾周辺での軍事演習も投資家心理を圧迫した。
(兜町カタリスト 櫻井英明)