《マーケットストラテジーメモ》2月 第3週
【推移】
8日(月):
週末のNY株式市場で主要3指数は続伸。企業決算や追加経済対策、新型コロナウイルスワクチン普及への期待が買い材料。S&P500とNASDAQは週間で昨年11月上旬以来の大幅な伸びとなった。ラッセル2000は週刊で7.7%高。一方でVIX(恐怖)指数は週間で昨年11月上旬以来の大幅な低下。
日経平均株価は609円(2.12%高)の23388円大幅続伸。1990年8月3日(2万9515円)以来、約30年半ぶりの高値で終えた。「米追加経済対策の早期成立に対する期待感が高まり、投資家心理が上向いた」との解釈。アジア株が堅調に推移したことも追い風。TOPIは1923.85と1991年6月以来約29年8カ月ぶりの高値水準。東証1部の売買代金は3兆3924億円。鉄、SBGが上昇。ソニー、スズキが下落。
9日(火):
週明けのNY株式市場で主要3指数は続伸し揃って終値ベースの過去最高値を更新。NYダウとS&P500は昨年8月以来の6日続伸。小型株が大型株をアウトパフォームした。イエレン財務長官のコメント。「議会が1.9兆ドルの経済対策法案を承認すれば、米国は来年にも完全雇用を実現できる」。これは好感された。
新型コロナの新規感染者の減少傾向も追い風。ディズニーやシスコシステムズ、GMが上昇した。
日経平均株価は117円高の29505円と3日続伸。連日の高値更新となった。ただ前日に600円超上昇しており上値は限定的。東証一部の売買代金は3兆1881億円。ユニチカ、野村が上昇。マツダ、バンナムが下落。
10(水):
火曜のNY株式市場で主要3指数はマチマチの動き。NYダウは7日ぶりに反落。NASDAQは4日続伸で14000ポイント台と過去最高値を更新。「FANG」にテスラを加えたFANG+TM指数も過去最高値。「経済対策の恩恵を受けるとみられるセクターに大型ハイテク株から資金がシフト」との声。
日経平均株価は57円高の29562円と高値引け、4日続伸となった。トヨタの決算を好感し大引けにかけて上昇幅を拡大。東証一部の売買代金は2兆8828億円。フィルム、ホンダが上昇。ネクソン、アドバンストが下落。新高値84銘柄(前日104銘柄)。
新安値0銘柄(前日1銘柄)。騰落レシオは124.50(前日124.12)。東証1部時価総額は722兆円(前日720兆円)。日経平均採用銘柄EPSは1214円(前日1191円)。Quick調査の2月5日時点の信用評価損率は▲8.33%。(前週▲11.61%)。
12日(金):
木曜のNY株式市場で主要3指数はマチマチの動き。NYダウは、朝高後引けはマイナス。一方S&P500とNASDAQは過去最高値を更新。NASDAQの売買高は連日50億株を超えた。上昇をけん引したのはエヌビディア(3.2%高)やインテル(3.1%高)。政府が半導体不足解消に動く姿勢は好感。
日経平均株価は42円安の29520円と5日ぶりに反落。ただ引け際に商いを伴って下落幅を縮小した。「最近の急ピッチの相場上昇への警戒から売り優勢」との解釈だ。SQ値29718円77銭は上抜けず「幻のSQ値」。
東証1部の売買代金は3兆0202億円。トヨタ、東エレが上昇。郵船、ホンダが下落。
(2) 欧米動向
1月の雇用統計は非農業部門雇用者数が前月比4万9000人増。
市場予想は5万人増だった。
「コロナウイルスのパンデミックからの回復支援に政府の追加対策が必要」との解釈。
失業率は6.3%で着地。
(3)新興国動向
中国は旧正月の春節。
中国政府が新型コロナウイルスの感染拡大を防止するため厳しい対策。
例年よりも多くの人が帰省を控えるなど異例の春節。
市場エネルギーは多少低下しよう。
【展望】
スケジュールを見てみると・・・。
【2月】6勝4敗、(勝率60%)
気学では「押し目買い、弱気配ゆえ早めに利食いするのが賢明」
12日(金)オプションSQ、東京eスポーツフェスタ、ミシガン大学消費者信頼感、新月、株高の日
13日(土)NISAの日
15日(月)10-12月GDP速報値
16日(火)第3次産業活動指数、変化日
17日(水)機械受注、貿易統計、米生産者物価、小売売上高、鉱工業生産、NAHB住宅価格指数
18日(木)首都圏マンション販売、株高の日L
19日(金)消費者物価、米中古住宅販売
21日(日)水星順行
暫定SQ値は29718円77銭。
まだ「幻のSQ値」とはいえ・・・。
90年3月の33436円43銭以来31年ぶりの高水準となった。
90年3月が34167円37銭。
89年12月が38117円59銭。
89年9月の本邦初のSQ値が34283円13銭。
着々と時計の針は逆回りしている。
もっとも東証1部の時価総額は720兆円まで拡大した。
225採用銘柄のEPSは1214円。
Quick調査の2月5日時点の信用評価損率は▲8.33%。
その意味では外堀も埋まってきた。
「サイバー防衛戦略」が今夏にまとめられる。
改定は3年ぶり。
柱は「教育」。
そして「医療」。
中核となるのは9月発足予定のサイバー庁。、
そして内閣サイバーセキュリティセンター(NISC).
通信・電力・水道などの重要インフラのサイバー対策の行動計画見直すという。
株式市場にとっての隠れた材料になろうか。
(兜町カタリスト 櫻井英明)