《マーケットストラテジーメモ》07月 第1週
1日(月):
週末のNY市場で主要3指数は揃って反落。「大統領選挙の演説会による不透明感を嫌気した」との解釈。ナイキが19%の大幅安。光通信機器メーカーのインフィネラが15.78%上昇。S&P500とナスダック総合は四半期でそれぞれ3.9%、8.3%上昇した。一方、NYダウ1.7%安。5月の個人消費支出(PCE)価格指数は、前年比2.6%上昇。前月の2.7%から鈍化した。
日経平均株価は47円高の39631円と続伸。週末のNY株高を受け上昇幅は一時300円を超えた。ただ節目の4万円に近づくと投資家の利益確定売りが上値を抑えた格好。日銀短観で、大企業製造業の業況判断指数(DI)が3月調査から改善したことも投資家心理を上向かせた。TOPIXも続伸。3月22日に付けた年初来高値(28133.22)を上回り90年1月8日以来の高値水準。東証プライムの売買代金は3兆8632億円。NTT、川崎汽が上昇。レーザーテク、リクルートが下落。
2日(火):
週明けのNY市場で主要3指数は揃って反発。アップルやテスラなど大型グロース(成長)株が買われ、ナスダック総合を押し上げた。4日の祝日を控え薄商い。アップルが2.9%、マイクロソフトが2%、アマゾンが2.2%上昇。
テスラは第2四半期の納車データ発表を控え6.1%高。JPモルガン・チェースは史上最高値を更新。AMDは2.8%、アームHDは2.9%下落。
日経平均株価は443円高の40074円と3日続伸。終値での4万円台は3月29日以来。朝方は半導体関連などに利益確定売りが出て下げて始まったが、売り一巡後は先高観から押し目買いが入り上昇に転じた。午後に円安・ドル高が進むと、日本株相場への先高観を強めた海外短期筋などから先物への買いが活発化。上昇幅を拡大した。TOPIXは連日の年初来高値更新。1990年1月以来34年半ぶりの高値水準。東証プライムの売買代金は4兆5345億円。東京海上、三井住友FGが上昇。レーザーテク、ニデックが下落。
3日(水):
火曜のNY市場で主要3指数は揃って続伸。テスラは1月初め以来の高値に上昇。アップル、アマゾン、アルファベットなど大型グロース株も上昇。エヌビディアは1.3%下落。5月の雇用動態調査(JOLTS)で求人件数は22万1000件増の814万件。過去2カ月の大幅な減少から増加に転じた。市場予想は791万件だった。
日経平均株価は506円高の40580円と続伸。米株式市場でハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数が連日で最高値を更新。米株高の流れが東京市場に波及した。TOPIXは続伸。東証プライムの売買代金は4兆3443億円。信越化、ディスコが上昇。NTTデータ、日立が下落。日経平均のサイコロは10勝2敗。
4日(木):
水曜のNY市場は短縮取引となったが主要3指数はマチマチの展開。S&P500とナスダック総合は過去最高値を更新。NYダウは小幅安。テスラが6.5%急伸し6カ月ぶりの高値水準に接近。フィラデルフィア半導体株指数は.92%上昇。
日経平均株価は332円高の40913円と5日続伸。3月22日に付けた史上最高値(40888円)を3カ月半ぶりに更新した。TOPIXは1989年12月18日に付けた史上最高値(2884.80)を34年7カ月ぶりに更新し過去最高値。日経平均は大引けにかけて一段高。上昇幅は一時400円近くに迫った。東証プライムの売買代金は4兆1303億円。住友鉱、TDKが上昇。川重、エーザイが下落。プライム市場の時価総額は1007兆円
5日(金):
木曜のNY市場は独立記念日で休場。
日経平均株価は1円28銭(0.00%)安の40912円と小幅ながら6日ぶりに反落。昨年10月18日の「1円96銭高」以来の小幅前日比騰落。急ピッチで株価水準を切り上げていたことから利益を確定する目的の売りもの優勢の展開。TOPIXも6日ぶりに反落。東証プライムの売買代金はで4兆288億円。東エレク、三越伊勢丹が上昇。アドテスト、ホンダが下落。ボリンジャーのプラス3σがプラス3σが41063円。週明けはヒジュラ歴の新年を迎える。
(2)欧米動向
6月のISM製造業景気指数は48.5と5月の48.7から低下。
50を3カ月連続で下回った。
価格指数は5月の57.0から52.1に低下。
昨年12月以来の低水準となった。
6月のISM非製造業総合指数は48.8。
5月の53.8から低下した。
50を下回ったのは今年2回目。
2020年5月以来、4年1カ月ぶりの低水準となった。
市場予想は52.5だった。
(3)新興国動向
EU規制当局は、中国製EVに対して5日から17.4%─37.6%の暫定関税を課すと明らかにした。
これらの関税は自動車輸入に対する標準的な10%関税に上乗せされる。
最長で4カ月間適用され、それまでに欧州委は最終的な関税を適用するかどうかを決定する。
今回の中国製EVの場合、期限は11月2日となる。
(兜町カタリスト 櫻井英明)