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英明コラム 10月第5週 マーケットストラテジーメモ
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《マーケットストラテジーメモ》 10月第5週

《マーケットストラテジーメモ》 10月第5週
 
【推移】
 
26日(月):
週末のNY株式市場で主要3指数はNYダウ安、NASDAQとS&P500は反発。追加経済対策についてはトランプ大統領もペロシ下院議長も膠着で進展なし。「市場は刺激策の実施を確信しているが、実施の時期を把握したいと考えている」という見方だ。TV討論会についてCNNの調査ではバイデン氏勝利53%、トランプ氏勝利39%だった。営業利益率が大幅に低下した半導体インテルが10%の急落。抗ウイルス薬「レムデシビル」が新型コロナ感染症で入院を必要とする患者の治療薬として承認されたギリアドが0.2%高。
 
日経平均株価は22円安の23494円と小幅に反落。閑散見送り状況で狭いレンジでの動きに終始した。TOPIXも小幅反落。マザーズ指数は2000ポイント割れで約1か月ぶりの安値水準。東証1部の売買代金は1兆5929億円と低調。ソニー、村田が上昇。SBG、キーエンスが下落。
 
27日(火):
週明けのNY株式市場で主要3指数は薄商いの中で大幅下落。背景はコロナ禍の拡大の再認識。米国、ロシア、フランスでは、1日当たりのコロナ感染者数が過去最多を記録。米国のコロナ感染症による入院者数も2カ月ぶりの高水準に達した。
民主党のペロシ下院議長とムニューシン財務長官による追加コロナ経済対策を巡る協議は継続。ペロシ氏は大統領選前の合意を引き続き楽観視しているという解釈。市場はもう飽きた印象で視点はコロナに転じた格好。
 
日経平均株価は8円安の234855円と小幅に続落。欧米株安を受けて売り物先行の展開。ただNYダウ先物の堅調を受けて下落幅を縮小した。見直し買いという指摘も聞こえた。東証一部の売買代金は1兆8631億円。12日連続での2兆円割れ。ソニー、任天堂が上昇。富士電機、三越伊勢田が下落。
 
28日(水):
火曜のNY株式市場で主要3指数はNYダウとS&P500は続落。NASADQは反発とマチマチの動き。トランプ大統領は「追加経済対策の実現は11月3日の大統領選後になる公算が大きい」とコメント。これを受けて市場心理がさらに悪化したとの解釈。ただマイクロソフトなどに買いが入ったことでNASDAQは上昇。
 
ただVIX(恐怖)指数は33.05と9月初旬以来の水準まで上昇した。耐久財受注統計は民間設備投資の先行指標とされるコア資本財の受注が前月比1.0%増。市場予想の0.5%増を上回った。
 
日経平均株価は67円安の23418円と3日続落。東証一部の売買代金は2兆3884億円と13日ぶりに2兆円を超えた。日経平均の入れ換えの影響だ。値上がりSBG、ファーストリテイリングが上昇。ファナック、スズキが下落。
 
29日(木):
水曜のNY株式市場で主要3指数は3%超の大幅下落。中西部で感染者の入院患者が過去最多を記録。ドイツやフランスはロックダウン(都市封鎖)を再導入。これが悪材料との見方。
ロンドン株式が6カ月ぶりの安値続落。これを受けた格好だ。本丸が米大統領選なのか欧州のパンデミック拡大なのかは微妙なところ。
VIX指数は40.56と6月15日以来の高水準。3市場の売買高は増加し約110億株。
 
日経平均株価は86円安の23319円と4日続落。午後は下げ渋りの動きとなった。東証一部の売買代金は2兆956億円。第一三共、TDKが上昇。ファーストリテイリング、SBGが下落。
 
30日 (金):
木曜のNY株式市場で主要3指数は反発。「 前日に主要株価指数が3%超下落した反動」との解釈。第3四半期の実質GDP速報値(季節調整済み)は年率換算で前期比33.1%増。政府が統計を開始した1947年以来最大の伸びを記録した。
ただ「良好なデータだが、やや過去の数値だ。新型コロナ感染者は再び増加。第4四半期について堅調な兆しは見られない」という見方だ。もっともハイテク企業は新型コロナ禍の外出自粛の恩恵を受けた格好。ニューヨーク証券取引所のFANG+TM指数は3.85%高。
 
日経平均株価は354円安の22977円と大幅に5日続落。8月28日以来2カ月ぶりの安値水準で5日以上続落するのは7月以来。下落幅は7月31日(629円)以来の大きさ。3日連続で25日線(23446円)を下回り、マイナス2σ(23061円)も下回った。マイナス3σが23899円。週足は陰線。月足も3ヶ月ぶりに陰線。これで今年は5勝5敗。
 
ジャスダック、マザーズとも3日続落。東証マザーズ指数は約1カ月半ぶりの安値水準。7月末の急落をほうふつとさせる展開だった。東証1部の売買代金は2兆6377億円。アドバンテスト、オリンパが上昇。エーザイ、アアルプスが下落。
 
 
(2) 欧米動向
 
ゴールドマン・サックスの26日付のリポート。
「米選挙結果は短期的に景気浮揚効果の高い資産へのシフトを促す重要なキッカケとなるかもしれない。
歴史的に見て、選挙前の1週間は概して株式市場にはポジティブな展開。
投票日の1週間前の火曜日から投票日の火曜日までS&P500は過去12回の米大統領選挙のうち11回は上昇していた」。
興味深い指摘もある。「民主党が上院で過半数を獲得する可能性が9月以降に上昇している。
しかし予測サイトでは10月8日の69%ら60%に低下。
バイデン氏が議会を二分して勝利すればS&P500が近いうちに3700に達するとみている。
ブルーウェーブではなく、議会上院で共和党が多数派を占めても株高が進む」。
 
 
(3)新興国動向
 
中国は5中全会を通過。
2035年に一人当たりGDPを中等先進国並みにするというのが目標。
第14次5か年計画では「国内を主体に海外の循環とつなげ発展を促進」。
いよいよ世界のトップを目指す中国が明確になってきた。
 
【展望】
 
スケジュールを見てみると・・・。
 
【11月】陽線確率6勝4敗(陽線確率60%)、過去15年9勝5敗(3位)
気学では「保合いで模様眺め。押し目を買い直すこと」
 
 1日(日):東証一部への昇格基準統一、「大阪都」を問う住民投票、12か国への渡航中止勧告引き下げ、米国が冬時間入り、天赦日
 2日(月):自動車販売台数、米ISM製造業景況感、中国製造業PMI、
 3日(火):文化の日で休場、米大統領選挙投開票、製造業受注
 4日(水):マネタリーベース、米FOMC(→5日)、ADP雇用レポート、貿易収支、ISM製造業景況感、米国パリ協定離脱可能に、株高の特異日
 5日(木):米パウエルFRB議長会見、ウインダム年次リバランス実施
 6日(金):家計調査、米雇用統計、消費者信用残高、変化日
 7日(土):中国貿易収支
 8日(日):立皇嗣の礼、ミャンマー総選挙
 
東証1部の売買代金2兆円割れは12日連続。
2019年8月が12日連続。2016年10月19日までが12日連続。
2014年9月10日までが17日連続。
2014年7月30日までが20日連続。
2012年までは1兆円台がお約束だった。
因みに2011年3月11日が2兆5549億円。
14日が2兆7385億円、16日が3兆1413億円だった


(兜町カタリスト 櫻井英明)

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