《マーケットストラテジーメモ》8月第4週
19日(月):
週末のNY株式市場で主要3指数は揃って続伸。S&P500種とナスダック総合は7連騰。主要3指数ともに週間上昇率は昨年10月下旬以来最大。「上昇の背景は好調な経済データ。景気後退は回避される可能性が高くFRBは9月に利下げを開始するという見通し。インフレ率はFRBの目標である2%に向けて緩やかに低下し続けており、個人消費は健全」という解釈。二律背反を不思議と合理的に解釈している。
日経平均株価は674円安の37388円と6日ぶりに反落。「円高・ドル安進行を背景に海外短期筋などからリスク回避目的の売りが出た」との解釈。東証プライムの売買代金は4兆1613億円。セブンアイ、ニトリが上昇。ファストリテ、東エレが下落。
20日(火):
週明けのNY株式市場で主要3指数は揃って続伸。NYダウは5日続伸で7月17日以来の高値水準。ただ上値は重かった。ナスダック総合株価指数は昨年12月以来の8日続伸で7月23日以来の高値水準。S&P500は昨年10−11月以来の8日続伸。
で7月16日以来の高値水準。エヌビディア、マイクロソフト、アルファベットなどが上昇。半導体大手アドバンスト・マイクロ・デバズは4.5%高。
日経平均株価は674円高の38062円と反発。東証プライムの売買代金は3兆9630億円。ファストリテ、レーザーテクが上昇。セブン&アイ、三井物が下落。信用倍率は5.90倍(前週7.48倍)と7月19日時点(5.89倍)以来の5倍台。
21日(水):
火曜のNY株式市場で主要3指数は揃って反落し続騰がストップ。市場は21日発表の米雇用統計の改定値と「ジャクソンホール会議」を待つ格好。サイバーセキュリティー企業パロアルトネットワークスが7.2%上昇。ボーイングが4.2%安。
p日経平均株価は111円安の37951と反落。下落幅は一時450円程度まで広げた。円相場が1ドル145円台に押し戻されると、株価指数先物への買いを通じて日経平均も下げ幅を縮小する場面があった。東証プライムの売買代金は3兆4624億円。7月22日以来の低水準。テルモ、ニトリが上昇。TDK、ダイキンが下落。8月16日時点のQuick調査の信用評価損率は▲8.38%(前週▲14.16%)。5週ぶりに好転。
22日(木):
水曜のNY株式市場で主要3指数は揃って反発。ディスカウントストア大手ターゲットが11.2%の大幅高。恐怖と欲望指数は44→51。
日経平均株価は259円高の38211円と反発。7月31日以来約3週間ぶりの高値水準。上昇幅は午前に一時400円を超えた。TOPIXも反発。東証プライムの売買代金は3兆6468億円。中外薬、明治HDが上昇。トヨタ、三菱UFJが下落。日経平均採用銘柄のEPSは2450円と過去最高を更新。
23日(金):
木曜のNY株式市場で主要3指数は揃って反落。「マグニフィセント・セブン」がハイテク株中心のナスダック総合を押し下げた。クラウド上でデータ管理・分析を手掛けるスノーフレークが14.7%急落。ビデオ会議サービスのズームは13.0%急伸。
8月のS&Pグローバル総合購買担当者景気指数(PMI)速報値は54.1。7月の54.3からやや低下した。
日経平均株価は153円高の38364円と続伸。日銀の植田総裁が「内田真一副総裁との間に金融政策運営の考え方について違いはない」と説明したことを好感。ただ積極的に上値を追う動きは乏しく、日経平均の上昇幅は限定的。東証プライムの売買代金は3兆4008億円と4日連続で4兆円を下回り7月22日以来の低水準。テルモ、ダイキンが上昇。エムスリー、OLCが下落。日経平均は週間で301円上昇。週足は2週連続で陽線。
(2)欧米動向
雇用統計の算出基準改定で3月時点の非農業部門の就業者数を81万8000人下方修正。
率にして約0.5%の下方修正となった。
これに伴い、3月までの1年間の月平均の就業者数は約17万4000人増。
改定前は24万2000人増だった。
民間部門は81万9000人(0.6%)下方修正。
(3)新興国動向
中国の民間不動産開発会社、龍湖集団は、今年繰り上げ返済を行うことで短期債務をさらに削減するとの方針。
龍湖集団は、不動産セクターの債務危機の中でデフォルト(債務不履行)を回避した数少ない民間不動産デベロッパーの一つ。
上半期決算は、中核利益が前年同期比28%減の47億5000万元(6億6553万ドル)。
売上高と利益率の低下が響いた。
(兜町カタリスト 櫻井英明)