コラム
英明コラム 7月第2週 マーケットストラテジーメモ
「英明コラム 7月第2週 マーケットストラテジーメモ」


《マーケットストラテジーメモ一覧へ》


coulumn_06.jpg
《マーケットストラテジーメモ》7月第2週
 
11日(月):
週末のNY株式市場で主要3指数とも前日終値を挟んでプラス圏とマイナス圏での往来。ただNASDQは5連騰。週間でNASDAQ総合は4.5%上昇。S&P500は1.9%、NYダウは0.8%上昇。テスラのイーロン・マスクCEOはツイッターに対する総額440億ドルの買収提案の撤回を発表。ツイッター株価は引け後の時間外取引で6%安。6月の雇用統計で非農業部門雇用者数が前月比37万2000人増加。伸びは4カ月連続で35万人超え。市場予想は26万8000人増だった。失業率は3.6%と、4カ月連続で横ばいで推移。上期の雇用は274万人増。時間当たり平均賃金は0.3%上昇。5月は0.4%上昇だった。
 
日経平均株価は295円高の2万6812円と続伸。上昇幅は一時500円を超え、取引時間中としては6月28日以来約2週間ぶりに27000円を上回った。参院選で自民党が改選議席の過半数を単独で確保したことを好材料視。
ただ買い一巡後は伸び悩み。アジア株が総じて軟調に推移していることも重荷となった。東証プライムの売買代金は2兆6522億円。ファナック、第一三共が上昇。東エレ、安川電が下落。7月SQ値26659円は上回り1勝1敗。
 
12日(火):
週明けのNY株式市場で主要3指数は下落。CPIや第2四半期決算の発表控えで材料に乏しく様子見モード。マカオのカジノが約2年ぶりに全面的に閉鎖。ロシアとドイツをつなぐ天然ガスの主要パイプラインが定期検査で停止。OECD景気先行指数は99.5と5月から一段と低下。長期平均である100を4月に下回った後、減速継続。これらが悪材料視され大型グロース(成長)株が軟調。NASDAQ総合株価指数は6日ぶりに反落した。
 
日経平均株価は475円安の26338円と4日ぶりに反落。米指数先物やアジア株式の下落を受けて売り物優勢の展開。東証ブライム市場の売買代金は2兆4593億円。関電、花王が上昇。SBG、ファナックが下落。
 
13日(水):
火曜のNY株式市場で主要3指数は揃って続落。主要株価3指数は小幅なプラス圏とマイナス圏の往来から終盤に下げが加速。13日の米消費者物価指数(CPI)の発表を控え売りが優勢となった。ボーイングが7.4%上昇。ギャップが5.0%安。ソフトウエア会社サービスナウは12.7%の大幅安。6月の中小企業楽観度指数は3.6ポイント低下の89.5。2013年1月以来約9年半ぶりの低水準となった。
国債利回りは2日連続で低下。2年債と10年債の逆イールドは5日連続。逆転幅は少なくとも2010年3月以降で最大となった。
 
日経平均株価は142円高の26478円と反発。短期的なリバウンド期待の買い物が優勢だった。東証ブライム市場の売買代金は2兆665億円。4月18日以来3カ月ぶりの低水準。高島屋、東宝が上昇。資生堂、東京海上が下落。
 
14日(木):
水曜のNY株式市場で主要3指数は揃って小幅に続落。ただ日中安値からは切り返した格好。6月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比で9.1%上昇と5月の8.6%上昇から加速。1981年11月以来40年超ぶりの大幅な伸びとなった。前月比では1.3%上昇。2005年9月以来の大幅な伸び。5月は1.0%上昇だった。市場予想では前月比で1.1%上昇、前年同月比で8.8%上昇だった。
 
日経平均株価は164円高の26643円と続伸。円相場が1ドル=138円台に下落。24年ぶりの円安・ドル高水準になったことから自動車や機械の一部が上昇。主力の値がさ株に断続的に買いが入った。東証プライムの売買代金は2兆2407億円。キーエンス、オムロンが上昇。東電HD、TOTOが下落。
 
15日(金):
木曜のNY株式市場で主要3指数はマチマチの動き。JPモルガン・チェースとモルガン・スタンレーが減益決算。これを受けて主要3指数は一時大幅に下落。ただ下落幅はその後縮小。JPモルガンは3.5%安、モルガンSは0.4%安。半導体株セクターの上昇でNASDAQは小幅に反発した。6月の卸売物価指数(PPI、最終需要向け財・サービス)は前月より1.1%上昇。上昇率は市場予想の0.8%を上回り5月の0.9%上昇から伸びが加速した。
 
日経平均株価は145円高の26788円と3日続伸。ファーストリテが上昇を牽引した格好。中国のGDPは市場予想を下回ったが小売売上高は市場予想を上回った。東証ブライム市場の売買代金は2兆5444億円。塩野義、任天堂が上昇。三越伊勢丹、三菱UFJが下落。
 
(2) 欧米動向
 
国際通貨基金(IMF)は米国の2022年の経済成長率見通しを引き下げた。
22年の実質国内総生産(GDP)は2.3%成長。
6月下旬に示した2.9%成長から見直した。
FRBは高インフレに対応するため金融引き締めをする必要がある。
それらの政策が景気減速につながると見込んでいる。
個人消費は23年の早い段階で伸び率がゼロ近辺まで減速すると予想。
需要鈍化により、2023年末までには失業率が5%程度に上昇。
賃金も低下するとの見方。
23年の実質GDPは1.0%成長の見通し。
6月下旬の1.7%成長から下方修正した。
 
 
(3)新興国動向
 
中国国家統計局が発表した第2半期の国内総生産(GDP)は前期比では2.6%減。
市場予想(1.5%減)を上回る減少となった。
前年比では0.4%増と、第1四半期(4.8%増)から大きく減速。
市場予想の1.0%増も下回った。
2020年第1・四半期の6.9%減を除けば、1992年の統計開始以降で最低の伸びとなった。
 
 
【展望】
 
1976年シカゴで設立されたハリス・アソシエイツ社。
バリュースタイルの運用に確固たる信念を持ち、すべての株式ファンドを一貫したバリューの投資での運用会社だ。
興味深いのはその運用哲学。
「本来の企業価値を100%とした場合、株価が70%以下で取引されているものが割安株。
どのセクターであっても割安の定義は一緒。
たとえ一般的にグロース株と言われるような銘柄でも十分に株価が安ければ割安銘柄だ。
そして投資対象になる」。
簡単な言葉で当たり前のことにも思える。
しかし、何でもかんでもグロースとバリューにしたがる風潮は正しくないということ。
バリュー投資の機関投資家の親玉みたいな存在が言うのだから間違いないだろう。
ムードに流されない投資が必要だし、言葉の意味を曖昧に理解しない方が良いということでもある。
 
 
ケジュールを見てみると・・・。
 
【7月】5勝5敗、(勝率50%、10位)
    気学では「買いの月。吹き値は利食いして、押し目で買い戻せ」。
 
7月19日(水)米住宅着工件数
7月20日(木)日銀金融政策決定会合(→21日)、首都圏マンション販売、米中古住宅販売
7月21日(金)日銀展望レポート、米フィラデルフィア連銀製造業景況感、ECB理事会、ECB総裁会見、株高の日
7月22日(金)消費者物価、株安の日、変化日
7月25日(月)独IFO景況感
7月26日(火)企業向けサービス価格指数、FOMC(→27日)、米CB消費者信頼感、FHFA住宅価格指数、S&P宗卓価格指数、新築住宅販売、下げの特異日
7月27日(水)米耐久財受注、FRB議長会見、株安の日
7月28日(木)米第2四半期GDP速報値、変化日、TOPIX、東証REIT指数パッシブ売買インパクト
7月29日(金)鉱工業生産、消費動向調査、商業動態統計、米個人所得、シカゴ購買部協会景気指数 
        ミシガン大学消費者信頼感、ユーロ圏GDP速報値、上げの特異日
7月30日(土)中国製造業非製造業PMI、イスラム・ヒジュラ歴の新年


(兜町カタリスト 櫻井英明)

戻る
 
サイトTOPへ

株式投資は全て自己責任でお願いします。このサイトの情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。当サイトの掲載事項において損失をされた場合も当方は一切の責任を負いかねます。

(C)ilogos / Eimei.tv